- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022514417
作品紹介・あらすじ
【文学/日本文学小説】著者が半生をかけて追い続けるボクシング。そのすべてを込めた感動巨編! アメリカから40年ぶりに帰国した広岡は、かつて共にボクシングの世界チャンプを目指した仲間3人と再会する。共同生活を始めた4人が出会ったものとは──。
感想・レビュー・書評
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ルポタージュの沢木耕太郎が小説を書くとこうした作品になるのかと思いながら読みました。
元ポクサー4人が、あるきだかけからシェアハウスで暮らしはじめる。それは元ポクサーの老人ホームのようでもあるが…。
上巻は4人の同居が始まり若者ポクサーと出会ったところで終わる。
下巻も楽しみです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
映画化されるとの事で読み始めましたが、思いのほか波に乗るまで時間がかかりました。
後半はスラスラ読めたし、すぐに下巻を読みたくなるほど面白いです。 -
この作品とても面白いです。最近書かなけど今回わ書く。☆5つ! もちろん誰が読んでも面白い、という保証わ無いです。でも、日頃ボクの感想文をちょっぴりでも読んで「あ、こいつ面白いかも」とか思っていただけている方ならこの本面白いかも!です。
で、ここで天邪鬼的に話題を変えて。
じつわ先に読んだ貴志祐介著『エンタテインメントの作り方』に書かれていた、面白い小説の書き方、みたいなノウハウを全部実践している小説だな、となんとなく思いました。
沢木耕太郎はプロの作家なのだからそんなのあたりまえでしょう、と思いつつ、いやいやでもなかなかどうしてここまで読みやすくて面白い小説わなかなか書けんのでしょう、などと上から的失礼な目線で読んでいました。
必要なことを最小限の言葉で伝える、これが一番大切なことですな。でもこれがなかなか難しい。書き足りないとわからないし、書きす過ぎるとそりゃあもう読み辛くてどうしようもない作品になってしまうのです。
沢木わルポライターが本職だから、そういう無駄を省いて事実だけを伝える様なテクニックにわとても長けているのだろう。
で、とにかく面白いので、たぶん下巻わすいすい読んでしまって、ああもう読み終わってしまうのか残念、とかなる。m(_~_)m(すまぬw) -
新聞の連載小説
結構前に購入して積読になってたのを、
映画が公開されると聞いて読みはじめた。
忙しかったのもあるが、
読了までにすっごい時間がかかったなー。
リズムよくページをめくる感じにはなりません。
後、半分。 -
読了。レビューは最終巻で。
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藤原伊織の「テロリストのパラソル」も元ボクサーでアル中のバーテンダーがなぜか女にモテる設定で全共闘世代の妄想全開とバカにされていた。この作品の広岡もボクサーとしては挫折するも、引退後はアメリカでホテル王になり、40年ぶりに日本に帰国すれば、みんな自分のことを覚えていて、すぐに昔の恋人に再会、なぜか若い不動産屋の娘が世話を焼いてくれ、広い家を是非にと貸してくれる人が現れ、昔の仲間が揃った所に、教えがいのある若者まで登場する。欲しいと思ったものは必ず手に入る、わらしべ長者状態である。
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孤高で極限の精神を鋼の肉体で纏った選ばれし者、それがボクサーのチャンピオン。一人の勝者と残りすべての敗者、リングは栄光と挫折の目撃者でもある。40年ぶりに帰国した元ボクサーで主人公広岡は、当時同ジムで各階級の王者三人と共同生活を始めるが・。いづれも往時の勢いは影を潜め、時の経過は老いという現実へと後押しする。引退後の余生、老いを必然と受容するか抗するべきか万人に訪れるこの難題を模索する中、赤い糸かゴングのロープかに引かれる如く青年が・・。老いと対峙するボクサー魂が時間、肉体との狭間を揺れ動く心理描写は流石
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沢木耕太郎さんが高倉健さんのために書いた映画の原案が、御蔵入りしていたが、小説という形で蘇った。また、沢木耕太郎さんがボクサーを書くとなると、『一瞬の夏』を青春時代に読んだオールドファンには期待という言葉以上の昂ぶりを覚える。
今回は新聞連載で読み終えた。
ともにチャンピオンを目指した昔の仲間たち4人が同じ家に住み、才能あふれるものの挫折した一人の青年にボクシングを教える。青年は自信と素直さを取り戻し、チャンピオンへの成長を見せるが、眼に故障を抱えてしまう。
主人公の藤原仁は再びグラブに手を通すが、若いころと異なる心の状態に気づく。若い頃はチャンピオンになりたい、何者かになりたいと念じ、ボクシングに熱中していたが、年老いた今は違う。現在の自分自身に意識は向けられ、今自分はどう”あるべき”なのかを問い、実践している。
どうありたいのか。
中年を迎えるころから自分も”あり方”を考えることが多くなった。
一つの指針として本書を読んだ。