錆びた太陽

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.38
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本棚登録 : 851
感想 : 142
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022514653

感想・レビュー・書評

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  • 4.4
    面白かった。
    かなり不思議な設定でしたね。
    恩田先生の小説は夜のピクニックといい、他に無い面白い観点で書かれていますが、その割に読みやすく、情景も浮かびやすいと感じます。
    他も色々読んでみたいと思わせる一冊でした。

  • 楽しくにのびのび書いているなっていう感じ。『蜜蜂と遠雷』と違っても、こういうのも好き。コミックを読んでるみたいだけれど、砕け過ぎてない、その加減がいい。ただ、ある程度年をとってる人でないと楽しさは半減かもね。それにロボットとか原発とか未来ありえる世界を書いています。これはこれで良い、うまいように書いてるな〜ってことで満足。

  • SFでミステリー、ホラーにシリアス。卓絶で秀抜な作品。

    ロミオ的なサブカル昭和ネタぷんぷんでついてけるかと心配したけど、杞憂だった。そんくらいしなきゃ押しつぶされる重厚なテーマ。
    エンターテイメントとして昇華できる、彼女はやはり天才。


    「人間を信じ切るには、あまりにも彼らは前科が有りすぎる」

    恐ろしい終末を回避できるのもやっぱり人間だからと信じたい。

  • 脱原発、ロボット、マルピー【ゾンビ】が登場するので、SF小説なのだけど、その反面、ロボット7人の心が多少読み取れたり、徳子の雰囲気と明るさで翻弄されているのが分かるので、人間味を感じたりする。
    時折、昭和を感じさせる言葉が出て来るのも、面白い。

    すべてが単純に奇想天外ってことではなく、脱原発、ロボット社会、日本の未来を案じさせてくれている。

    『錆びた太陽』の太陽は、原発?人間?

    引っ越してすぐに読めた本なので、印象に残りやすい。

    恩田さんの本、久々だった。

  • 小ネタ満載(世代じゃないのが残念)だけど、結構シリアスな展開。

    つくづく圧倒された。
    そのあまりの世界規模での無駄遣いに。

    一度始めてしまったものを止めるということはとても難しい。
    それでも、
    どうしてやめるという選択肢を選ばなかったのか。

    そのとおりだと思う。

    もしそれが出来ていたら、
    どのくらいの人を救えただろうか?
    そう単純なことではないけれど、そう思う。


    このキャンペーンは本当にすごいな。
    本当に政府がやりそうなキャンペーンで笑えないところが、恐ろしい。

  • 表紙の折り返しにピックアップして載っていた
    〈「間に合ってます」〉
    にはクスッとしちゃうけどこんなの序ノ口でしたね

    ロボットなんだろうけど全然ロボットじゃない
    〈ボスは天を仰いだ。〉!!??
    ボスが嘘をついてることもあるし…


    序盤に『北風と太陽』が挙げられてることから、『錆びた太陽』ってもしかして国のこと政府のことを言ってるのかな??と。

    ブラックユーモアたっぷりで風刺的。
    イラストが何とも不気味で不気味で…



    『ネクロポリス』とか『ロミオとロミオは永遠に』の世界観を思い出しがち

  • これは『沈黙の春』第2号となるのだろうか。恩田さんは宮城県出身。2011年以降原発や復興に対して日本の政府や政治家のとってきた態度に疑問を投げかける。作者の社会に対しての眼光が随所に光る物語。我々は東京オリンピックに浮かれてばかりで、被災者や被災地を忘れてしまってはいないか。

  • 爽やかじゃない方の恩田陸ワールド全開。直木賞から読み出した人だと困惑しそう。

    と思ってレビュー読んだら、A面の恩田陸しか許せない人達だらけで見事に地獄図。

  • 舞台は日本のパラレルワールド。原発がテロで破壊され、汚染されきった日本、ゾンビがうろちょろする世界で、ハイクオリティなAIを搭載されたロボットが環境改善に励む。そこにいきなり国税庁の職員がやってきた…という話。

    SFとしては詰め込みすぎな気もしたが、整合性が取れてまとまっていてさすが恩田さん。と思った。が、いつも通り読み終わったら結論を忘れてしまった。すっきり終わらなくてぼやっと終わるが、読んでる間は楽しい。

  • 人間の代わりにロボットが活躍する場も増えてくるのかもしれない。特に、このように人間にとっては過酷な環境の場合など。
    ロボットのはずなのに、なんか感情のようなものが芽生えてくるのね〜。自分に向き合うものには感情を顕にしてもらいたいと願っている、そんな気持ちがそのように思わせるのだろうか? 確かに、目の前の人に反応がないよりは、反発であっても反応されているほうが安心できるものかもしれないね。
    いやー、こんな時代がこないことを願う。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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