星の子

  • 372人登録
  • 3.61評価
    • (5)
    • (25)
    • (15)
    • (3)
    • (1)
  • 26レビュー
著者 : 今村夏子
  • 朝日新聞出版 (2017年6月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022514745

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

星の子の感想・レビュー・書評

  • 何も片付けないおわりかた、
    あみ子といい、星の子といい、
    不穏な不安な空気感と
    純真さ故のいたいけなさと
    希望のぐあいが、絶妙だ

  • 宗教にハマった家族の話。
    展開がなくて退屈なのと会話がただ続いていくのが苦手だった。
    私には良さが分からなかった。

  • 他の人から見たら異様な光景に映るようなことでも、その世界に救われその世界が日常化してしまった人にとっては否定すべき点など何もない。そんな中で育った主人公は自分の家庭が一般的ではないと理解してはいるが、親が信じていることを受け入れて生きてきて、自分も日常的にその世界に身を置いているのだからなかなかその世界から抜け出すのは難しい。むしろ、親を思う気持ちや家族で共有する世界のことを考えれば、その世界から抜け出すことが幸せにつながるとも言えないだろう。

  • 今村夏子さんの新刊。つぎの芥川賞候補にもなっているようですね。
    群青の水彩がとても素敵な装丁。

    幼い頃から病弱だった主人公の林ちひろ。
    両親は、それを改善するきっかけとなった水に魅入ってしまいどんどん新興宗教にはまっていく。巻き込まれるちひろと姉のまーちゃん。
    その境遇に対する、姉妹の受容の対比がとてもよく際立っていました。
    まーちゃんは反発して家出。ちひろは、長いものに巻かれるように水をのみ続け、集会にも顔を出したりしている。
    ちひろの学校生活をメインに描かれるストーリー展開は、友達とのささいないざこざや、淡い恋愛模様などがはさまれるだけで、目立った起伏はない。緻密な心理描写や情景描写があるわけでもない。
    それなのに、なぜか一貫して物語としての強い芯を感じさせる不思議な作品でした。
    特にラスト、研修旅行の夜にちひろが父親と母親と土手に寝そべって流れ星を探すシーン。
    ラストとは言えたわいもない一コマなのですが、胸にぐっと差し迫るようなものがありました。

  • 請求記号:913.6/Ima
    資料ID:50087731
    配架場所:図書館1階東館 め・く~る

  •  とても面白かった。子供を精神年齢できちんと幼く描いているところなど、神業レベルではないだろうか。同級生のなべちゃんは大人びているが、彼女もそれなりの幼さで見事に描かれている。ここまで見事に描くことはなかなかできることではない。素晴らしかった。

     怪しいオカルト的な水が出てくるのだが、オレの従姉妹がアトピーで悩んでいた時に、水道の元にイオンを発生させる機械を取り付けて、その水で料理したりお風呂に入ったりしていたら本当に治った。その器具はうちの水道にも取り付けてあって今も使っている。そのような経験があるので、主人公のご両親を変であるとは思えなかった。この小説ではそんな水や宗教を排斥するような表現はしていない。また、その集会も別に悪く描いていないところもよかった。

     ご両親がカッパだと思われていたところがとても面白くて思わず吹いてしまいほどであった。また、主人公は『ターミネーター2』を見て夢中になるのだが、その見方がオレとは全然違っていて、それも映画の力であると思った。

  • あひるよりは魂がこもっているように感じた。今村夏子さんが書きたくて書いてるならいいけど。
    わたしは読み間違ったりしない。全部の本に対しては無理かもしれないし、一回読んだだけなら失敗するかもしれないけど。わたしにとって大事になる本なら、読んだ直後は間違ったことを思っても、ちゃんとああそういうことかってたどり着く。足らなかったら再読する運命にある。だから自信をもって読める。
    関係ない人のことは誤解しちゃうことがあるけど、大事な人のことは間違わない自信があります。
    信じてもらって大丈夫。書きたくないことは書かなくて大丈夫。誤解をおそれず書きたい言葉で書いて大丈夫。

  • 本当に何気ない日常の空気感を書くのが上手だなーと思った。
    きっと主人公の家族や家族の周りの人達を外から見ると、宗教にかぶれたやばい人達だと思うのだろうけど、主人公の視点から毎日を見ていると何も問題がない普通の女の子に見える。
    友達もいて、恋をして、宗教の集まりとは言え楽しく過ごせる友達もいる。
    最後の終わりなんてなんて幸せな家族の姿なのだろうと思う。
    人の幸せはきっと他人の物差しでなんかじゃ測れないものだな…何が幸せで何が正しいかなんて、本当にわからない。

  • 子どもの病気を治した奇跡の水。

    その奇跡に縋る余り、崩れていく家族の形。
    けれど、この小説は破滅的な匂いが薄い。
    主人公の「私」は、薄い壁一枚隔てた向こう側に、頭にタオルを乗せた自分の両親がいることを知っている。
    引越しを重ねるたびに家が小さくなることも、姉が居なくなってしまった理由も、自分が参加している行事の意味も、知っている。
    でも、その違和を指差されることにドキドキしながら、彼女自身に訣別の意思はない。

    それは、おかしいことだろうか。

    何が普通で、何が普通ではないという境界線は、分けた人に意味が生じる。
    ナベちゃんにとっての「私」と、青木先生にとっての「私」の境界線もまた、違う。
    彼女を受け容れられないと感じたとき、自分自身はそこで境界線を引いているんだろうと思う。

    「私」が顔の整った男性しか好きになれないのは、何故だろう。
    形であって、中身に興味を持てないということ?
    考える。。。

    余談。瀧羽麻子に『オキシペタルムの庭』という、より濁りの強い作品があったことを思い出した。

  • あひると違って明らかに異常な家族を描いてるけど、全ては良かれと思ってやってることで、理想的な家族という幻想を目指す全ての家庭に当てはまる恐ろしい物語だった。
    宗教というのはそこにつけ込むもので、つけ込んでる側もつけ込んでるつもりはなかったりするけど、ちゃんとそこに意識的な人物も登場する。
    本人達が幸せなんだったらいいじゃん、というのは占い、水素水、民間療法…などの話題でよく耳にする言葉だ。
    そういう人たちはこの物語の恐ろしいエンディングをただ美しいだけの場面と捉えてしまうだろうか。

  • 次女の病気をきっかけに新興宗教にのめりこんでいく両親。
    ありがちなテーマだけど、宗教団体をひとつの小さな社会としてとらえ、その中と学校の中と二重の生活をおくる子供たちの奇妙な自然さと不自然さが淡々と描かれているのが薄気味悪くて今村夏子らしい。

  • デビュー作『こちらあみ子』で三島賞受賞。第2作『あひる』で芥川賞候補と話題になっていた作者で、ずっと気になっていた。この『星の子』が初読みである。遅読の私が久しぶりに一気読み!物語の中に入りやすかった。すごい作家だ!デビュー作と第2作目も是非とも読みたい!

  • 2017-40,07.04 怪しい宗教

  • 病弱だった娘を心配した両親があやしい宗教にのめりこんでいく。中学生になったちひろは、もう全くの健康体だが、両親は相変わらず高い水を買って、飲んだりタオルを浸して頭に乗せたりしており、ちひろ自身もそれらを否定はしていない。あやしい宗教をみる周りの人たちの厳しい目線、宗教の中の明るい子どもたちの輪などの輪郭が描かれる中、ちひろはいじめまでいかないにしても、学校で笑われたり距離を取られたりしているのに、妙にあっけらかんとしていて、それが作品を暗くしていない(かといって明るいわけではない)
    今村夏子さんの作品は、「こちらあみこ」も「あひる」も、そして今回の「星の子」も、普通から少し外れた人や、家族を描いている。独自の世界を持つ人たちと、それに対する世間の厳しさと、作品全体をほの明るく照らす(ぴかぴかと照らしはしない)ちひろやあみこといった主人公の魅力が、今村作品の魅力だと思う。
    「星の子」は新興宗教を取り上げているわりに、その良し悪しというか、作者がそのことをどう捉えているのかは伝わってこなかった。普通ではないこと、の表現のために出した、という感じもしたので、ラストの家族の集合がしっくりこなかったのが残念だった。
    今作は芥川賞候補に選ばれている。結果発表は2週間後。この作品もいいけど、芥川賞を取るなら「こちらあみこ」くらいがつんとくる、残る、そういう作品で取ってほしいなあと思った。

  • 芥川賞受賞候補

    色々意見はあるが、受賞の有力候補ではないかと感じた。他の作品に比べ、読みやすくテーマがシンプルで作者の表現したいところが比較的わかりやすく、またそれがハンデになっていない。起承転結というか話の流れもわかりやすく追いやすい。導入と、主人公の戸惑い、失望と転落、緩やかな希望といった、王道という感じがする。それぞれの場面転換のために、教団幹部の息子、憧れの先生、友人の彼氏など、人物の登場の仕方もいい意味でその意図がわかりやすい。
    ただ決して、語彙や深みのある描写が多いというわけではないと思われた。会話文も多い。語彙や描写力で言えばもしかすると古川さんや「影裏」の方が上手かもしれないのだが…。会話文での特徴としてディスコミュニケーション的要素を読書会の他の方が指摘されており、なるほどと思った。「四時過ぎの船」も面白かったので、迷ったが、この作品は票が割れにくいのではないかと…また勝手なことを書いている。ネットは怖い。

  • 初読み作家。

    わが子を出生後から病弱で救いたい一身で宗教にのめり込み家族が崩壊して行く様を子供の視点から描いた作品。淡々としていて、私には退屈で面白ない・・・

  • 読んでるあいだはずっとずっと心臓をギュっとつかまれた感じになってた。なぜか食欲が落ちた。最後の数ページでその緊張してた内臓がゆっくり元に戻っていった。てかこの方の文章も、拾う題材も、物語と語り手の距離感も、全部、好きです。

  • なるほど、なるほど…。

    今回の芥川賞候補作として発表されたこちら。

    何より装丁が素敵。
    色が良い。

    内容は新興宗教ものなのでだいぶデリケートなんだけど、
    切ない暖かさがつまっている。

    友達、みんなこんな風なら良いのにね。
    そうしたら色んなこと乗り越えられるね。

    愛するひとの信じることを自分は信じられるのか。

    お友達の、みんな騙されてるのかもしれないという話のくだりに哲学を感じた。


    ラストの余韻が凄い。
    きっとあの夜のあと、色んなことが変わるんだと思う。
    良い方向ばかりでは無いかもしれないけれど。

    あえて描かれない部分に深い奥行きを感じる作品だった。

  • 病弱だった「わたし」を救ったのは、特別な「水」だった。健康になったわたしと、少しずつおかしくなっていく父と母。物語は宗教にのめり込みひずんでいく家庭の中で、無自覚なのか自覚しているのか、とにかく少し違った「普通」のなかで生き、育つ少女の視点で描かれる。

    自分が分かっていないということが、分からない。
    知らないということを知らない。
    気付けていない、ということにすら、気付けない。気付きようがない。
    そんな私の「普通」。

    それこそ流れる「水」のような淡々とした文体、柔らかくもするどい言葉で。

    でもほんとうにこの小説のすごいところは、その小さな漣のような言葉に、どうしようもなく胸がかき立てられることだ。小説自体が秘めた熱よりも、読む僕たちのほうが、どうしても熱っぽくなってしまう。底知れない静かな力が、文字の裏側に隠れている。

    日本で「宗教もの」と言えばこういう語られ方になってしまいがちであることには少し反感を覚えるけど、それはまあ作品の評価とは切り離して考えるべきだろう。
    それに、この作品における宗教はあくまでモチーフであって、本当に描かれていたのは、ただ純粋に家族がわかり合えなくなってしまうということの、どうしようもない切なさなのだと思う。

    ただ、いい小説を読んだという感覚が、強く残っている。

  • こと日本においては宗教の話題と言うのは非常にセンシティブな話題であって。さて、今村夏子さんの本を読むのはあひるに次いでこの星の子で二冊目になった。宗教絡みの本と言うことで非常に楽しみにしていた。あひるを読んだ時の、なんとも言えないぞわぞわさがあまりにも強烈で、今回はどんなぞわぞわを感じるのだろうと期待半分不安半分。結論から言うとぞわぞわしなかった。あひるよりも長編と言うこともあり、描写が比較的丁寧であったこともあり、得も言われぬぞわぞわ感を感じなかったのだろうと思った。
    内容に関してだが、この展開から一体どんな最後が待っているのか?と、終盤は気になって仕方がなかった。最後のページを読み終えた後に(ははぁ…こう終わるのか)とやけに感心してしまった。この本に出て来る登場人物の中で、明確に「悪い人」として書かれているのは(あくまで個人的な見解だが)南先生だけだった。(二人ばかし若干怪しい人がいたが…)他の登場人物はみな「良い人」であった。無下に他人を否定する事もなく、自分に従っている人間ばかりだった。だからこそあの終わり方ができたのだなと。個人的にはとてもきれいな終わり方だと思う。宗教と言うフィルターはあるのかもしれないけれど、家族としての愛を感じるラストだった。

  • あやしい宗教にのめりこんでいく両親、歪んでいく家族、周りの人の目…。一見ほのぼのしていても背後に歪みや毒があって、心のざわつきが止まらなかったです。ラストのシーン、無邪気なやりとりかと思いきや修復不可能な怖さが出ていて、ほんと怖かったです。

  • 157回芥川賞候補作。一気読み。信者の家の子。いい大人と悪い大人のわからなさ。怖いけど、爽やか。長いだけあってわかりやすいかも。

  • 両親を不審者に間違われ、二匹、と数えられたり、と、また細部でざわざわさせられる。
    たまたま奇跡のように感じられたことで、信仰に繋がるというのは、恐ろしいけどリアル。

  • 『あひる』で芥川賞候補になった今村夏子の最新作。
    一見、ほのぼのとしていながら、背後に控える闇は深い。ちょっとホラー的というか、そういう傾向が強い作風だと思う(〝あひる〟の時も似たようなことを書いたような気がするが……)。

全26件中 1 - 25件を表示

星の子を本棚に「読みたい」で登録しているひと

星の子を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

星の子を本棚に「積読」で登録しているひと

星の子のKindle版

ツイートする