- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022573544
感想・レビュー・書評
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自分の一番小さい頃の記憶は人それぞれ古さが違うだろうが、この主人公は胎内の記憶を持っているという。自分の原初の記憶を頼りに、もう一人の自分(胎内での記憶によれば、主人公は双子だった)を探す旅に出る主人公の話。
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題名に惹かれた。物語の後半になるまで題名の意味がなかなかわからない。主人公とそれを取り巻く環境のズレが面白さを生み出している。
ああ、この世に生まれてしまったからには。誰が頼んだのか。命は自分のものだなんて平気で言うけれど、誰のものでもない。ましてや、自分でどうこうすることもできない。
どうして、どうして、自分は自分なのだろう。探していてもみつからない。今ここにしかない。気付いたら、この世に生まれてしまった。運命なようで自由。そんな存在を否定したところで何も始まらない。生きるとはかくも難しい。 -
2008.02.11. ごめんなさい。わけわかめ。
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双子。胎内記憶。染色体。曖昧な性。「生命の神秘」なテーマを、非現実と現実の境界線を漂いながら描く松村さんの腕は見事だ。上記のテーマは萩尾望都が得意分野だが、萩尾さんが好きな人ならこの作品も気に入るんじゃないかと思う。
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なんというか、不思議なお話でした。淡々とした、温度の低い感じの描写で、読了後は、(まさにタイトルのように)新しく生まれなおした様な、静かな、満たされた気持ちにさせてくれる物語。