- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022574077
作品紹介・あらすじ
戦争で両親を亡くした男の魂が肉体を離れて海辺をさまよう。親代わりの女は、なんとか肉体に戻るよう懸命に魂に語りかけるが…。表題作「魂込め」ほか短篇六篇を収録。戦争と沖縄、新感覚で描く、記憶をめぐる物語。芥川賞受賞後、初の作品集。
感想・レビュー・書評
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第26回(2000年) 川端康成文学賞受賞作。
いずれの短編も沖縄の風習がよく写っており,なおかつ文学の意匠も感じられる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
沖縄弁すげーわからん…
あと沖縄って宗教観独特だよね -
同作者の、芥川賞受賞作の「水滴」をはじめとした3篇よりも好みの作品が多かった本書。今回も短編集で、6つの物語がある。表題作の「魂込め」を始め、「ブラジルおじいの酒」「赤い椰子の葉」「軍鶏」「面影と連れて」「内海」いずれも哀愁が漂う。シャーマンや平凡な日常(傍から見たらそれも特別な光景)から、戦時の頃や日本返還に伴い起こった変化なんかの沖縄の息吹きが全体にかかっている。マジック・リアリズムを思わせるスピリチュアルな場面さえ、独立した文化の影響と思ってしまう。「ブラジルおじいの酒」返還に際しての変化、おじいとの関わりを描く。「赤い椰子の葉」もクラスメイトとの関わりを描くが、沖縄という土地の形式やアメリカ軍基地という存在が目立つ。「軍鶏」鳥を戦わせるという一風変わった光景、闘牛ではなく闘鳥。「面影と連れて」実験的な作品。これもまた人生か、穏やかな人が多い土地とは言うけれど。「内海」内の人、外の人との隔たり、距離感の問題。どれも明るくはない。
「ブラジルおじいの酒」なんかは、宮本輝の作品を彷彿とさせた。全体的に優れた作品がよくまとまっていたと思う。 -
沖縄の強い日差しを浴び出来る濃い影の中に、潜む悲しみを浮き立たせたような 短編集です。
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2/12
この作家を語るには、テクストに留まることはできないな。 -
沖縄の風景・自然を背景に展開される、6つのはかない物語。
この中で「軍鶏(タウチー)」良かったなーと思ってます。
闘鶏のすざましい戦闘シーンにドキドキ。
でも物語は酷い終わり方です。
そういえばタウチーがどんな鳥なのか知りません…
これを機に沖縄の風習なんかをもっと調べなくてはと思いました。