読後気分→((o(´∀`)o))ワクワク
躍動感あってワクワクしました。本当に。本当は星4.5くらいです。
実は高校生の時サラッと読んだことがあるという再読作品です。苦手な歴史小説の中でも、受け入れることの出来る数少ない作家のひとりが宮城谷昌光です…。
春秋戦国時代の大国・晋において最も優秀であったと評価された宰相(正卿)・士会の生涯を描いたもの。
上巻は士会の若い頃から、当時の有力者先軫に能力を認められて政治の世界にぼちぼち進出しはじめるまでの話。
なんですけど、士会の若い時のキャラがものすごく良いのです!腕っ節が強くなるにはということしか考えていない単純な性格でありながら、宰相として活躍するに相応しい能力の原石のようなものも(本人は無自覚ながら)備えています。その単純な士会が、家のヒモになるしか無い末っ子という立場や政治的に恵まれない家出身だということにきゅうきゅうしながらも、様々な人と出会って、キレイで良いお嫁さん(ちょっといわくつきですが)を貰って、子供が何人かできて、少しずつ成長していく姿がたまらなく愛しいものでした。根が単純…というかとても素直な性格なので、本当にいろんな人からいろんなことを学んでいくので、士会の洞察力が段々深くなっていくんですよね。もともと野生の勘みたいのはありましたけど。
30後半になってワケあって読書に身を入れ始めるんですけど、「え!自分の嫁こんなにモノを知ってたのか」と自分の妻の博識さを素直に認めて奥さんからも学んじゃう士会が単純というか素直というかで、とても可愛いです。
脇キャラも素敵な人が多いですね…。士会の家臣の弗とソウ、士会を見出した先軫や、士会の初めての主君である文公、なぞのおじさん介子推、士会と浅からぬ仲の郤缺、他にもたくさん素敵な人がいますが…。後は、一番最後になって出てくる趙盾という天災…じゃなかった天才が、個人的にものすっごく好きになりそうなキャラ設定な薫りをぷんぷん漂わせてますね…。ああいうどうしようもなく真っ白すぎて自分の周囲もキリキリ締めていく人大好きです。
…っていうことを描ききる宮城谷先生に感謝しながら下巻も読もうと思います!