いつか記憶からこぼれおちるとしても

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022578020

作品紹介・あらすじ

吉田くんとのデートで買ったチョコレートバーの味、熱帯雨林にすむ緑の猫への憧れ、年上の女の細くて冷たい指の感触…。17歳の気持ちを、あなたはまだおぼえていますか?10人の女子高校生がおりなす、残酷でせつない、とても可憐な6つの物語。

感想・レビュー・書評

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  • 自分が高校生のころってこんなんだったんだろうか??やっぱり記憶からこぼれ落ちてる(というか、抜け落ちてる…)。
    特に共感できる話では、なかったけれど、なんだか懐かしい感じがした。

  • 女子校に通う女の子達の話。
    アタシも女子校やったけど、こんなんやったかなぁ?
    よく覚えてないや、、、(笑)
    でも、この年齢の女の子の危うさとか考え方とか凄くリアルな感じ。

  • 母親と娘、愛情表現が乏しい
    ハラハラする展開がなく物足りない

  • 教室のあの空気感が思い出され、懐かしくなった。

  • 女子高に通う少女たち。同じ十七歳だけど、家庭環境も考えていることも悩みも貞操観念も違う。

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    電車のなかで体を触ってきた女に惹かれていくのは菊子。
    十二時半に渋谷で待ち合わせをしたけど十二時まで寝ていたから十五分遅刻してきた、という柚のボーイフレンド。
    援助交際?をしてお小遣いを稼いで、学校帰りにイヴ・サンローランの十万二千九百円のバッグを買ったのは彩。
    心を病んでしまって入院する子や、録画したテレビ番組を見ながらたくさん食べる大柄な子もいる。

    それぞれが全然ちがう生活を送っている。卒業後も繋がりが切れない友人たちもいるだろうけど、ぱったりと合わなくなる人たちもいる。
    色んな人がいるのに、一年とか二年とかの長い期間同じ教室に居続けるというのは、考えてみればとても不思議だ。

    高校生ってのはこんな感じだったかな、と思案しながら読んだ。東京の真ん中の女子高生ならこんな感じなのかもしれないな、と最終的に思った。

  • 女子高生の話。アンソロジー。

  • 江國 香織 3作品目。

    高校生の頃のことは、確かに、わたしの記憶から零れ落ちている。誰と何を語らい、漠然と何に怯え、教室の何を恐れ、未来の何を焦っていたのか。
    「東京」の「私立」の「女子校」、「恵まれた家庭環境」、そして、「平成」。それは、「田舎」の「公立」の「共学」、「一般庶民の家庭環境」、そして「昭和」。それは、比べること自身が意味のないことかもしれない。
    ”違い”に驚いているのでしょうか?”同じ”に懐かしがっているのでしょうか?
    世代差ではないけれど、若い子の考えていることがわからないわけだ、と思うのは、僻みか、若き時代の”あこがれ”かもしれない。

    『緑の猫』:親友が精神的に崩れていく(統合失調症か?)。それが見える辛さ、見守るしかできない切なさ。そして。いつか日常生活の中で擦れていく寂しさ。どうすれば、コータローとあだ名が付けられるのだろう?

  • ふわふわしてました。
    幸せそうな部分は楽しく読んで、共感できる部分もありました。不思議というかリアルというか最後まですらすら読めました。この雰囲気が好きな人は好きなのかなという感じ。女子高に通ってた人や女性の方などは少し感じ方が変わってくるのかもしれません。

  • 指 が1番好き
    テイストオブパラダイスの柚も好きかな
    結構前の作品だけど今っぽい。生活感が滲み出ててそれでいて必要以上に語らない、想像の余地がある江國香織さんの小説はけっこう好きだ。
    全体的に静かな雰囲気が漂っていて、繊細な言葉遣いは読んでいて落ち着く。ひらがなが多用される文章、どこまでも実在して息をしていそうな登場人物たち。彼女たちはきっと今日もどこかにいる。

  • 女性らしい目線で書かれた本。
    ヒトもシーンもクルクル入れ替わって、
    飽きさせない。
    あの頃の記憶を辿って、描いてみたって感じ。
    紅茶を飲むような感覚で読める本。
    さ、次行くか。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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