シンセミア(下)

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著者 : 阿部和重
  • 朝日新聞社 (2003年10月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022578716

シンセミア(下)の感想・レビュー・書評

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  • 文体が硬かったり、かと思うと急に動的になるのでいつもより時間をかけて読んだと思う。終盤は引き込まれっきりで読むスピードが最後まで落ちなかった。
    出てくる人物がどの人物も憎めないのに、やってることはあくどいww
    星谷影生あたりを書くときは特に作者は楽しかっただろうな、と思う。
    あと神話的だけど、救いは(松尾夫婦を除いて)ないっていうのが特徴なのかな。最後の阿部本人になりすました金森年生が不気味だ……

  • 話のスケールが桁違いだった。読み終えて「はぁー、やっとこの世界観から解放された~」とホッとした。もやもやと漠然とした不安が残るのはなぜ?

    世代交代、新旧交代なんだろうか。次々と人が死んでいくのにスッキリした。そんな自分に驚く。

    それぞれの目の上のたんこぶが消えていく。予定調和なのか。……結局、残った者たちがこわい。土地に刻まれた因習というか呪われた?神の土地の血なのか、また新しい悪の新芽がちらほらと。

    ラストにうううーっと唸ってしまった。つらいけど面白いってどういうことなんだろう。

    そして山形の女は、やはり芯が強いな。したたかに耐える。さすがおしん県だ。未央、智子、和歌子、彩香、園子、慶子。実は女の物語だったのでは…。でも作者、最強(笑)



    余談になります。偶然にも本のリサイクル市で「グランド・フィナーレ」を発見!50円で入手。「シンセミア」でいっぱいいっぱいだー!と思ったのに買ってしまった…。不思議な阿部マジック。

  • 少しずつ読もうと思っていたけれど、7時間一気読みしてしまった。

    洪水で発見される死体、パン屋の受難から終盤、主要人物ほとんどが同じ運命を迎えることによって神町に安定が訪れる。

    女に殺される男がやけに多いのは、何かの示唆だろうか。

    隈元のおばあさんの話がむごい。熊女→隈元という連想か。

  • 疲れた。
    ぶん投げたくなるくらい嫌な人達ばかり。
    でも、やめられなかったんだから、すきなのか?

  • とにかく長かった。この作者の小説は初めてだが、長いわえげつないわ、それでもついつい読み進めてしまいたくなる麻薬的な魅力のある作品だったなと。
    正直、あまり人にはお勧めしにくいかな。

  • すごく完成された物語だった。上巻は寝る前とかにちょこちょこ読んでたが、下巻は一気に読んでしまった。
    田舎特有の閉塞感がものの見事に滲んできて、嫌な感じがするものの、話の中に引き込まれていってしまうというか、目が釘付けになってしまうというか。
    荒唐無稽といってしまえばそこまでだけど、村山弁の会話とともに進む、神町の話にはなんとなく説得力があった。なまじっか知っている土地の知らない話だった分、おもしろさもひとしおだった。
    でも、この閉塞感は神町じゃなくても田舎ならどこにでもあるような、そんな気がしてしまう。
    のどかな田園風景の中に異物があるというか、だからこそ利権に食らいつく人々がいるというか。目立つということなのかもしれない。麻薬とか、暴力とか田舎に似つかわしくないイメージがあるものの、その違和感が逆にリアルだった。
    田舎で事件が起きるのは、やはり着火点に外部からの来訪者があるのだなと再認識。

  • 上下巻、1か月以上かけてやっと読了。たいそうカロリーの高い作品ではあったし、ストーリーテリングは巧みではあるが、世界観が好きになれなかった。

  • この世界観はすごかった。

  • 以前は内容に辟易して断念したものの、
    ようやく上下巻通して読んだ。

    適度にぼんやりしつつもある程度は結末がはっきりしてくれてよかった。
    嫌な描写・題材でやはり何度も投げ出しそうになったが、
    話が徐々に展開して行ってくれたおかげでなんとか読めた。

    ピストルズを先に読んでしまったので、
    こちらを先に読んでおけばよかったと思った。

  • なん年かまえの夏休みに山形県を縦断するように温泉地巡りをしたのだが、山形市から国道13号を北上する途上、突如ナビ上に「神町」が現れ、「おぉッ」と嗚咽に近い感嘆をもらしたのを思い出す。『シンセミア』は架空の「神町」を舞台として繰り広げられる群像劇だと位置づけられる。また、ガルシア=マルケス『百年の孤独』などの世界的名著とも対比される「民俗学的視点」なるもので評価される向きもあるようだが、ソポクレス『オイディプス王』に見られるような「犯してしまった禁忌」の根源を手繰り寄せるミステリー的手法も援用されており、劣情を煽る性描写が渾然一体となって、壮大な物語は「小さな復讐」へと収束していく。登場人物が多いことが特徴として語られる本書だが、彼らが「神の意志」なるものに従順なようでいて好き勝手に動くさまは痛快で、結局のところ、「観念論」などというものを振りかざさずともひとは良く生きれるのではないか、と思えてしまう。それでいて、阿部和重は突飛かつ奇異な状況下でも平常心を保つように情景描写に逃げず、ひたすら論理的に登場人物の感情を積み上げる。それは情報の溢れ返る「いま」という時代を所与として置き、好悪の評価を定めず、(「立身出世」や「自分探し」をはじめとする)奸智に富んだ他者の言に惑わされず、自発的に生きてゆこうという提案にも映る。「先が見えない」という現状認識は、90年代後半に青年期に入った阿部和重をはじめとした僕らの世代に共通だと思うが、「刹那」に訴えて単純消費的な行動に逃げるという構造は間違いなく破綻している。最小限の「スコッド(Squad)」として家族を守ることが本書のラストなのだが、僕らはさらに歩みを進めるべきではないだろうか。

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