中世の窓から (朝日選書 470)

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022595706

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  • ●構成
    Ⅰ 聖と俗の間
    Ⅱ 職人絵の世界
    Ⅲ 人と人を結ぶもの
    Ⅳ 原点への旅
    Ⅴ ふたたび町へ
    --
     かつてヨーロッパ中世は「暗黒時代」といわれ、文化への弾圧や停滞がその特徴とされてきた。しかし、現在では多くの研究者が、例えば「12世紀ルネサンス」といわれる古代復興もなされ、また決して弾圧や停滞ばかりでないことを示している。
     本書は、11世紀から12世紀にかけての、ハンブルグ及びニュルンベルグの町を中心として、市民社会の有り様を多面的に観察する。著者は人と人の関係を軸に、都市社会での民衆同士の係わり合いやそれによる規制・制限、あるいは集団関係の中での自由を描く。そして、人同士の関係性の変化や貨幣経済の導入、聖性の変容など様々なトピックを11~12世紀の大きな社会的転換の中に位置づけることで、読者は中世ヨーロッパの人々の暮らしを著者という窓ごしに観察するのである。
     中世の社会史・民衆史を、モースの「贈与論」を理論的枠組みとして意識しながら、人と人、人とモノの関係性の中から読み解く労作である。
    --
    【図書館】

著者プロフィール

1935年生まれ。共立女子大学学長。専攻は西洋中世史。著書に『阿部謹也著作集』(筑摩書房)、『学問と「世間」』『ヨーロッパを見る視角』(ともに岩波書店)、『「世間」とは何か』『「教養」とは何か』(講談社)。

「2002年 『世間学への招待』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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