会社人間が会社をつぶす: ワーク・ライフ・バランスの提案 (朝日選書 708)
- 朝日新聞出版 (2002年7月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022598080
作品紹介・あらすじ
私生活が会社を救う?仕事優先、家庭二の次の時代は終わった。アメリカン勝ち組企業では、大切な資源=人材確保のために、福利厚生としてではなく、ビジネス戦略としてワーク・ライフ・バランスを取り入れている。自分の仕事、家族、生きる目的を大切にしている社員ほど、業績に貢献しているという統計があるからだ。アメリカが元気になったビジネス戦略。
感想・レビュー・書評
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"我が組織で、講師として招いたこともあるパクさんの本。ワーク・ライフ・バランスという考え方を日本に紹介した方でもある。今では、よく聞く言葉になった。ワーク・ライフ・バランスを実現していくには、企業がその気にならないと進まない。従業員の福利厚生としてだはなく、ビジネス戦略としての取り組みが重要。また、定量的に検証できる仕組みが必要だと感じている。
ただ、使っているデータが少々古い。データを見直して再出版してもいいと思います。パクさん、やりませんか?"詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ワークライフバランスの充実が企業競争力につながる、なぜなら優秀な人材が集まるから、というのは理解できる。それが定着していけば、「権利」と考えずにもっと自然に勤務時間や形態を選択できる環境が増えていくだろう。もう少し踏み込んで、社会全体がそうなるような意識付けが必要だと感じた。日本型雇用の限界を強く感じた。ただ、p18-19にある、「お小遣い程度の趣味的な仕事につく女性=彼女たちの仕事の質にも当然反映されてくる」というのは正しくないと思う。むしろ、そういう低賃金労働も、賃金にかかわらず誰かがやらなければならない仕事なのであって、雇用形態にかこつけて賃金を低く抑えることが偏見を生み出していると思う。
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図書館で借りた。
ワークライフバランスとはどのようなことをするのか、どのような効果があるのか、を実例を挙げて解説している。
アメリカにも長時間労働している方が会社に貢献している、という価値観を持っていた時代があったのだと初めて知った。
転勤を命じられた際に、配偶者も仕事を持っているからできない、と断ろうとすると、会社側が転勤先に配偶者のために働き口を探してくれる、ということに驚いた。考えてみれば会社都合で人を引っ越しさせるのだからその周辺まで考えるのは会社としては当たり前のように思う。 -
これまで読んだ小室淑恵さんの本と違うのは、WLBの改善の肝になる意識改革について、マネジメント層の・・・とか組織のこと以上に、まずWLBを改善したい個人が、どういう人生を望んでいるのかをハッキリさせようということに、最後の1章が使われていること。
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参考になった
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初版発行日が2002年なので、6年前の話なのだが日本の労働環境はそれほど変化していないと思うので違和感はなかった。主にアメリカの企業が終身雇用に終止符を打った時点で、どのような労働環境を提供すれば、雇用者の生産性・満足度が上がるのかという事例を細かく提示された内容で確かに私の視野は広がったと思う。
著者の提案はとても理想的で経営的にも理にかなっている。ただ、労働時間の短縮やテレワーク(ITを駆使して自宅勤務)などを行ったとしても、雇用者の仕事に対する取り組み方だったり、目標だったり、自分の将来像の明確な思考が重要なんだなと痛感した。働くのがイヤな社員は、自宅勤務にしても怠ける傾向があるからだ。恐らく、そういう常識的なベースはある上での話だったと思うが正直、楽しくやりがいを持って仕事をしている人は数少ないと思う。
否定的な意見になってしまうが、私は会社人間だと思う。(社員ではないが・・・)ただ、会社をつぶす存在か?と聞かれたらハッキリ違うと断言できる。会社を想う気持ちは人一倍あるし、自分の夢と重ね合わせて全力で業務にあたっている。なので「会社人間は家庭をつぶす」のほうがしっくりくるとは思うのだが・・・。それではあまりにもタイトルがベタすぎるのかな?(笑)
私もマネジャーとして、仕事の楽しさや充実感を味わってもらいたいしそれができてこそスタッフの人生がより楽しくなるものだと思っている。自分や家庭の時間を大切にしながら、仕事でバリバリ働ける環境を経営的立場から継続的に模索していかないといけないと思った。
私にとっても家族は大切な存在だ。
感謝の気持ちを忘れず、親孝行・妻孝行は積極的に行っていきたい。 -
恐れとは、やらないための言い訳である。この一言が痺れますね。前半ちょっと散漫な気もしたけれどWork Life Balanceについて広く考える入門書としては良い本だと思います。一番良いのは5章。仕事・パートナー・家族・友人・健康・自己成長・余暇趣味・精神的安定について、それぞれをどれだけ重要と思っているか、そして現実はどうか、を円グラフで書いてみる。理想の重要度と現実の重要度をランキングしてみる。をギャップが一番大きいところからまず取り組むべし。自分にとって重要でないことはそれほど頑張らなくてもいいんだ、という当たり前のことに気づきます。以前会社の研修でやったな〜と思って著者名を画像検索にかけたら、講師その人でした!これ定期的にやった方が現状把握できて良いですね。以下メモ
もしも時間やお金など、何の制約もなかったら何がしたいですか?
理想と現実のギャップを埋めるため、人生の充実感を向上させるため、なりたい自分になるため、何をやりたいですか?
やめたいこと・減らしたいこと
全て書き出してみて下さい。
今の世の中は、食べ放題の豪華なビュッフェのようなものである。
次の質問にYES/NOで答えてください。
1価値観と優先順位が明確か。
2時間が有限だと認識しているか。
3行動を意識的に選択するか。
言っていることと、やっていることを一致させるために
1自分にとって大切なものを見極める。
2優先順位をつける。
3それに沿って行動する。
あなたの価値観はなんですか?参考例にとらわれず、自分のおもいつくままに書き出してください。いくつでもどのような順番でも結構です。
価値観 感動 パートナー 挑戦 愛 自由 家族 キャリア 経済的自立 努力 自然 友人関係 好奇心 ユーモア 創造性 知識・知性 有能・優秀 教養 誠実 安定 精神的安定 達成感 自己成長 貢献 謙虚 健康 仕事の成功 柔軟性 心のやすらぎ 伝統 リーダーシップ 名声 正直 冒険心 美 平和 忍耐 寛大 教育 責任感 情熱
80/20ルール
実現したい価値観が10個あったとき、特に大切な2個に時間とエネルギーを注ぎ込めば、80%の満足が得られる。
目標とは、夢に期限をつけることである。
具体的 4W1Hどこでだれが何をいかに 予算の裏付け
現実的
測定可能
期限付き
長期目標
価値観 目標 期限
日常行動 大切なことを定期的に行って人生の一部にするために
未来の私との会話
あなたの一番大切な人との関係はどうなっていますか。
あなたが一番やりがいたあった仕事は何でしたか。
あなたが家族や友人または社会に貢献したことは何ですか。
あなたが自分自身について一番誇りに思うことは何ですか。
あなたの人生にとって成功とはどういう意味ですか。
現在の私の人生の中で欠けているものは何ですか。今はないが、これがあればもっと充実した人生になるといえるものです。
現在の私の状況に大きな違いを与えるために、私がいますぐとれる2つの行動は何ですか。
現在の私がバランスのとれた充実した人生を送るために、すべきことは何ですか。 -
ダイバーシティ本を書くための資料本。データもロジックもけっこうしっかりしていて、パクさんがまじめに取り組んでいるなあというのがよくわかります。(ただし、別におもしろい本ではないです)
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いわゆるワーク・ライフ・バランスに関してまとめた本です。
実例が多く書かれており、このような問題を考えるきっかけとなります。