生涯最高の失敗 (朝日選書 736)

著者 :
  • 朝日新聞社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022598363

感想・レビュー・書評

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  • 田中さんのエンジニアとしての思い、創造性をどう育んできたのか、質量分析が我々の生活にどう役に立つのか分かりやすく伝えてくれる本だ。彼の朴訥として人柄がよく分かった。多少の失敗を冒してでも新しいことに挑戦してみる、ソフトレーザー脱離イオン化法、勇気、挑戦、不屈の意思、組み合わせ、新たな視点、遊び心、偶然、努力、ひらめき等創造性については教わるところが多い本だ。

  • 近年の科学の研究は基礎よりも応用研究に重点を置いているような気がします。
    田中さんが仰る通り「基礎があるから応用があって、応用がなければ基礎がいきない」はその通りだと思います。

  • 企業における技術者の役割を知る上で、役に立つ本だと思います。

    田中さんがノーベル賞をとったことに焦点を当てるよりも、企業内の技術開発の過程や技術者の悩みや喜び、そういうドラマとして読むのがよいと思います。

    この本が出た頃(田中さんがノーベル賞をとった翌年)に読んでいたら、ノーベル賞に囚われて読むことになったと思うのですが、それから10年経った今読むと、技術者としての田中さんを冷静に見られる気がします。

    もちろん、時が経っても、田中さんの業績が色あせることはありません。

  • 三葛館一般 464.2||TA

    マスコミなどの第三者が取材して書いたものではなく、田中氏本人の著書。
    全く予想していなかったノーベル賞受賞。その日から生活が一変し、めまぐるしく過ぎ去った日々。
    その時の田中氏の思い、受賞に至った発見や研究開発についてなど田中氏が伝えたかったことがすべて記されています。
    ノンフィクション作家の山根氏との対談は分かりやすく、ユーモアたっぷりでとても面白いです。

    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=40837

  • [ 内容 ]
    「なんで私が?」…突然降って湧いたような授賞の知らせに驚く間もなく、はじまった「ノーベル賞シフト」。
    「43歳主任」の「変人」ぶりばかりを強調する報道に戸惑い、憤り、そっとしておいてほしいと念じてきた著者が、「理系の人間は、自分を理解してもらう努力が不足している」という自らの主張を実践するために、はじめて、エンジニアとしての人生を語った。
    ノーベル賞受賞が決まった日の混乱、授賞された発見の背景にあった「生涯最高の失敗」、励ましてくれた人たちのこと、ライバル研究者の公正な態度、企業のエンジニアとしてはたらくことの生きがい、チームワークの大切さ、独創性・創造性の源はなにか、など、はじめて明かされるエピソードと新たなメッセージを込めた、会心の一冊。

    [ 目次 ]
    1 エンジニアとして生きる(受賞が決まった日;受賞の「きざし」;たとえ小さなきっかけでも… ほか)
    2 生体巨大分子を量る(生体巨大分子とはなにか;「質量分析」と「構造解析」;なぜ、たんぱく質を研究するのか ほか)
    3 対談・挑戦と失敗と発見と(田中耕一×山根一真)(これからも、研究を;分子の重さからたんぱく質の種類を;たんぱく質のつくられ方 ほか)

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 再読。2002年ノーベル化学賞受賞者、田中耕一さんの著作。
    受賞に至るまでの経緯や生い立ち、思うこと。講演会第一部での研究内容の説明。第二部での山根一眞氏との対談と、三章に分かれて書かれています。
    マスコミの誇張を通さない、素のままの田中さんの語りは実に興味深いです。結果がどのようにして生まれたか以外にも、海外の研究者たちの公正な姿勢、日本の多くの理系エンジニアや研究姿勢など、第一章だけでも面白いです。
    研究内容はやはり難しいのですが、対談ではだいぶ噛み砕かれているので、そちらを読んでから再読するとだいぶ理解しやすくなります。山根さんは『メタルカラーの時代』という連載でずっと日本の技術者とお話をしているだけに、ポイントを掴んでわかりやすい対談でした。

著者プロフィール

1955年生まれ
慶應義塾大学法学部政治学科卒業
早稲田大学大学院文学研究科社会学専攻博士後期課程単位取得退学
博士(社会学)
現  職 関西学院大学社会学部教授
専  攻 社会学理論 現代社会論 社会学史
主要業績 『〈社会的なものの運命実践・言説・規律・統治性(関西学院大学出版会, 2014年)
『社会調査と権力社会的なものの危機と社会学』(共編著, 世界思想社, 2007年)
『新版・構築主義の社会学』(分担執筆, 世界思想社, 2006年)
「自己言及性の二つの位相ルーマンとエスノメソドロジー」(『社会学史研究』第16号, 1994年)
『現代の社会変動』(分担執筆, 慶應通信, 1992年)
『ルーマン/来るべき知』(分担執筆, 勁草書房, 1990年)など

「2021年 『社会学的思考の歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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