植物の生存戦略―「じっとしているという知恵」に学ぶ (朝日選書 821)
- 朝日新聞社 (2007年5月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022599216
感想・レビュー・書評
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最先端の植物学の話が、実に平易に書かれている。
中には平易すぎて「もうちょいつっこんで説明してほしいなあ」と思うところとかあるのだけれど、全体として「広く浅く」植物を学ぶにはもってこいの本。
ちょっと画期的だと思ったのは、あとがきで、文章自体はライターが書いたことを、そのライターの名前入りで述べていること。つまりゴーストライターがいる本なのだ。
と、「ゴーストライター」というとなんかネガティブな印象なのだけど、そんなことはない。少なくとも今回については、著者である研究者の名声を少しも損なうものではないはずだ。
研究者は最新の知見を述べ、取材したライターはそれを噛み砕いて表現する。どちらも同じくらい尊い仕事だと僕は思うし、たぶんほとんどの人もそう思っている。
そもそも出版の目的が「広く自分たちの研究成果を伝えたい」なのだから、やはり文章のプロであるライターが書く方が絶対にいいと思うんだよね。
ライターのモチベーション維持のためにも、せめてあとがきにこういう記述を入れておくことは、とても有用なことなんじゃないかな。
ま、できれば著者を連名にするのがいちばんいいのだろうけれど。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初学者でも読みやすい言葉で書かれており、専門的な内容も絵や写真で理解しやすい。
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出版は一年前なので最先端の情報ではないけれど、植物とはいったい何だろうという疑問には十分にこたえてくれた。
専門的な用語や概念が多いけれど、とても分かりやすい説明で大変良い。
また発見した研究者やチームの名前をきちんと記しているので、より詳しい情報を得たい場合に検索の路を見つけやすい。