氷点 続下 (朝日文庫 み 1-4)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022601544

感想・レビュー・書評

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  • ☆☆☆ 星3つ

    キリスト教の「原罪」にまるわる説教話が半分。小説的エンタテイメント部分が半分。当然後者はおもしろく、前者部分は眠くなってしまい腹まで立ってくる。

    ああしかし思えば、遠藤周作の『沈黙』も似たようなものか。あれは名作だものなぁ。でも『沈黙』はキリスト教徒の弾圧そのものを題材にして正面から書いているのに、この『続氷点』はキリスト教の教えについて書きたいのだけれど娯楽小説という隠れ蓑を使ってコソコソと書いているように思われて仕方ない。
    ま、この名作続編についてなにもこんなに俺ごときが書き立てる必要は無いか。

    ありきたりではあるが、とりあえづは言い得て妙に映る作中の有名な言葉を。

    「一生を終えてのちに残るのは、われわれが集めたものではなくて、われわれが与えたものである」

    そうである。物質第一主義に走った人類文明の行き着く先はみえている。物は捨てよ!

    すまぬ。りょうけん蔵(^_^;)

  • ラストが意外なほど唐突だった印象。何度か読めば、また違った印象になるのかもだけど。みんな幸せになれたのかな?とかそんなこと思った。ん?幸せって何かね???

  • 昔ドラマを見た

  • テーマは「罪と赦し」?
    甘酸っぱい青春小説のようにも読めました。
    終盤の流氷の描写は圧巻でした。

  • 私が三浦綾子さんの小説に出逢ったのは、中学生の頃。
    幼いながらに衝撃を受けて、
    「三浦さんの本は一生読んでいこう。何度でも読もう。」と
    心に決めたことを覚えている。
    あれから何冊、何度読んできただろう。
    読む度に気付きがあり、考えさせられる。

    私が自分の生き方を考える大きな土台になってくれたのは、
    三浦綾子さんと灰谷健次郎さんの本だと思う。 
    出逢えて良かったと、心から想う。
    特に中学生時代にこのお二人の本に出逢えたことは本当に幸せなこと。

    三浦綾子さんの本と出逢って、
    自分の生き方・生きる意味を考えた。
    灰谷健次郎さんの本と出逢って、
    「子ども達の生命に添って」歩むことを考えた。
     
    今回は実は「氷点」を読み返そうと思ったのだけれど
    「氷点」が見当たらなかったので「続 氷点」を先に読み返すことにした。 
     
    陽子のまっすぐな考え方をみていると、
    懐かしいようで、眩しいようで、苦しいようで、ほっとするようで……。
    はからずも、今の私と陽子とは同い年である。
     
    自分で自分を律する陽子の姿勢に頭が下がる。
    しかし、その下げた頭を何もせずにまた上げようとする自分に気づく。
    それではまた同じことの繰り返し。
    自分は、何をするのか。何ができるのか。

    本当の「正しさ」とは何か。
    そもそも、そんなものが存在するのか。
    罪の無い人など、存在しないのではないか。
     
    作品全体を通して根底に流れる、「原罪」と
    「果たして、人間が人間を裁くことはできるのか」という問いかけを感じ取り
    自分自身を振り返ることになった。

    「氷点」の上下巻も絶対に再読したい。


    (2010.05)

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――

    (メモ:中等部3年のときに読了。
     その後、購入し、何度も読みました。)

  • 血のつながった弟の存在に、揺れ動く陽子にすこしイライラ、ドキドキしました。最後は、悲しい選択で結末を迎えてしまったように思えて、それでいいのか??と…。とりあえず、北海道ネタに浸れる三浦作品、結構好きです。2008.7.3読了

  • 我バイブル?。
    続きが読みたくて、真夜中に近所の本屋に自転車で買いに行ったのが懐かしいです。。。

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著者プロフィール

1922年4月、北海道旭川市生まれ。1959年、三浦光世と結婚。1964年、朝日新聞の1000万円懸賞小説に『氷点』で入選し作家活動に入る。その後も『塩狩峠』『道ありき』『泥流地帯』『母』『銃口』など数多くの小説、エッセイ等を発表した。1998年、旭川市に三浦綾子記念文学館が開館。1999年10月、逝去。

「2023年 『横書き・総ルビ 氷点(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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