街道をゆく (11) (朝日文庫)

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著者 : 司馬遼太郎
  • 朝日新聞社 (1983年2月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022601810

街道をゆく (11) (朝日文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 2013.12.10 読了

  • 紀行文はおもろい。そして司馬遼太郎もおもろい。
    これが合わさったら、、、かなりおもろい。
    ということで、「街道をゆく」シリーズが好きだ。
    それの肥前(佐賀・長崎)版である。

    唐津、平戸、長崎の3章に分かれている。
    唐津では元寇の時の蒙古塚を探し、平戸で蘭館を探し、南蛮(ポルトガル)、スペイン、イギリス、中国との繋がりを見出す、長崎の南蛮人の居留地とサツマイモには関係があると思いを馳せたり・・・。

    大航海時代のキリシタン文化と貿易についてや、当時の戦国の情勢などがわかりやすい。
    信長、秀吉(南蛮中心時代)、家康(オランダ中心時代)の時代の長崎はインターナショナルやったんですな。

    こんな言葉を書いている。
    「長崎といえば、秀吉による教会領長崎への弾圧とその残酷なキリシタン処刑、さらにはずっと後のオランダ人の渡来からふつう幕があくようだが、それ以前のカトリック時代の長崎をゴアの教区の内部事情、アジアにおけるポルトガルとスペインの対立、またはヨーロッパにおけるポルトガル王国の内情といった面から丹念に照射した研究が出てくれば、長崎史は原爆体験を待たずして世界史の一部になりうる。」
    何行かだけで、何百年かを網羅して壮大である。

    平戸の方に松浦という地名があるが、これのもとは「末羅」だったそうで「ら」というのは、古代朝鮮後で国を指す言葉ではないかと司馬氏は言う。司馬氏の半島愛を語る所がすごく好きで、食い入るように見入り、指で文字を追っている。
    そして唐津の唐は韓(伽羅)であり、ここいらの関係は深かったのではと推測していらっしゃる。

    さて、南蛮(ポルトガル、スペイン)とカトリック神父は一体で、貿易したかったらまず入信せよと交渉してくる。
    ローマ・カトリック教会はポルトガルとスペインの両王室と契約し、布教保護権をあたえた、のだとか。
    なので発見する土地土地で原住民を改宗させる事業をローマから請け負っていた、とある。
    ザビエルのイエズス会もこちら側だった。

    南蛮に対して区別するためオランダを紅毛と呼んだ。
    私の毛も子供の頃、紅かった。そのため赤毛と呼ばれた。
    なぜかと思ったら、この当時に長崎に来たオランダ人(しかも平戸の)の血がどうやら混じっていて、隔世遺伝で出たらしい・・・。そのためか、長崎やオランダと言われると妙に血が心が騒ぐのである。
    死んだばーちゃん(父方)は平戸出身でクオーターだった。
    もとい、紅毛(オランダ)はプロテスタントで割とビジネス感覚で貿易中心だったらしい。
    平戸でなんなくやっていたものの、鎖国令などで出島に押し込められながらも、日本と貿易してたのは「金利」の良さらしい。日本では銀の方が価値があったため、銀で支払っても金でお釣りが帰ってくるみたいなところがあって、儲け率が高かったのだとか。

    「オランダ人はその独立戦争によってスペインの首かせから脱し、ヨーロッパで最初の市民社会を創ったと考えていいが、同時にビジネスというものを宗教から切り離して独立させて近代を開いた最初の民族ではないかと思われる。」

    カトリックが悪く見えてしまいそうであるが、実は彼らは医学を無償で提供してくれたのだとか。
    さすがは聖職者である。イエズス会の信用もドUPしたらしい。
    南蛮外科により、悪質な瘍や疔をアルコール消毒にて完治させたことが日本人にとって魔法のようなものに見えただろう。アルコールで消毒なんて感覚がなかったのだから。

    インターナショナルな長崎は時代の波に乗ったのか、飲まれたのか、いい面もあれば悪い面もあり、何とも言えないが、この時代から振り返って推測する事しか出来ないがとても興味深いのである。

  • 長崎が、なぜ「長崎」と呼ばれる様になったか知っていますか?
    その答えはこの本の中に書いてます。
    作家、司馬遼太郎が旧肥前国(佐賀・長崎)について書いた
    紀行文です。
    平戸、佐世保、福田など、お馴染みの地名が沢山登場
    するので、歴史が好きでない人でも楽しく読める一冊です。

    (長崎大学 学部生)

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