街道をゆく 15 (朝日文庫 し 1-15)

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022601858

感想・レビュー・書評

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  • 前半は松前藩の話し。
    住居が本州風であったことから、中央への強い同化傾向を指摘する。

    面白かったのは、沈没した開陽丸に乗っていた榎本武揚が、優れた人物であっても、自らの肉体を持って船を操ることをしなかったという話し。すぐにバーチャル化するのは日本の特性か。

  • 江差町につけて語られる幕府最後の軍艦・海陽丸、サルベージされつつある執筆現在までのヒストリーが(小説では『燃えよ剣』の後半に当たる)義経の一生にも似た、あり得ざる悲劇。『北前挽歌』は歌う、ニシンは何処に行った?綿花栽培の話も。松山善三が小説にした厚田村にも行く。米国の農務長官ケルペンを引き抜いて北海道開発をさせようという黒田隆清の豪胆(年棒1万ドル)。窓の無い藁葺き板壁の家、暖房するストーブから教えねばならなかった。奴隷制度の無かった日本でそれに似た江戸時代の佐渡鉱山、それに倣った囚人と屯田兵による開発

  • この巻で改めて思ったのですが、司馬遼という作家は取り上げた人物に対しては、大方一方ならぬ愛情を示すなぁということ。そして権力への憤懣等やるせないことへの何とも言えない怒りも然り。
    それにしてももコメがそこに生きる人々の性格にはじまり住居への考え方にまでその影響を及ぼしているとの論、うーん、こうと決めたらそこを掘っていく。正しいか否かはさておき、そういった一点を確保することは大事かと思われ。

  • 今年の夏は、家内と北海道へ行こうかと計画しております。
    国内旅行の際には司馬先生のこのシリーズを事前に読むことにしております。終わりの方に出てくる関寛斎のエピソードが心に残りました。

  •  北海道開拓史が詳細に語られる。監獄の囚人たちの扱いは悲惨を極め、屯田兵にいたっても北海道に永住するのは2割に満たない。貧農からの移住者たちの生活も想像するにひどいものだった。現代の北海道で生活する者にとって過去の歴史を知ることで、先達たちへの感謝の気持ちを持つことができる。

  • 北海道
    のくせに、北海道についてはよくわからなかった。。。

    赤い人の記述が出てきたのにはびっくり。

  • 北海道の諸道と言いながら内容の8割は函館と江差あたりの道南に関して。そこだけ行ったことないんだが・・・w 最後に少しだけ触れられてる集治監の部分が凄く好き。一人の人物に焦点をあてて歴史を掘り下げてく手法が中心。歴史の深さが垣間見れる。

  • 「北海道の諸道」がテーマ。函館、松前、江差、札幌、厚田、新十津川、旭川、陸別などの地名が出てくる。これらの地域での歴史に触れた紀行文。函館から江差にかけての道内では歴史のある地域が本の半分以上を占めているが、北海道の内陸地、陸別を開墾したお医者さんの関寛斎のことについて触れられているのが興味深い。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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