街道をゆく 17 (朝日文庫 し 1-18)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022601872

感想・レビュー・書評

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  • 島原・天草の乱は宗教上の理由が一番の反乱の原因ではない、ということをかつてこの本で知った。どうしようもない島原の領主のおかげで起こったことは記憶していたが、天草の領主はこれとは別で、遠く唐津の城主が天草を領有していたそうだ。徒然に書かれているようで、歴史について学ぶことの多い本だった。

  • きっかけは「肥前の諸街道」と題された十一巻。

    平戸の項あたりからこの国がキリスト教というものにどういう順序で触れていったのかをわかりやすく説明してくれていたがため、「島原・天草」という予想しやすいキーワードに引き寄せられるままにさらなる南下の行程に手を伸ばした次第。読み始めてみると間に六巻の別行程が存在しているとはいえ、実質上の「後編」と呼んでよい内容になっている感があり、続けて読んでいるからこそその咀嚼速度も自然と上がり、気が付くと週末をどっぷりを消費して一気に読み上げてしまっていた。こんな没頭度は久々だったので星ひとつサービス。: )

    シバさんの仏教への宗派を問わない造詣の深さは今まで読み進めてきた数々の行程から何度も味わわせてもらってきてはいたが、スペイン・ポルトガル紀行に目を通した辺りからこの人が我が国におけるキリスト教というものに対しても飽くなき知的好奇心をあふれる人間愛でもって包みながら自分のものにしていることを知り始めていたのでそれが十分な心の準備運動になっていたのだろう、期待十分の心持ちで読み進めつつ想像以上の感慨でもって読み終えていた。

    シバさんが島原・天草で散った数々の農民の命をリソサムニュームの真砂に重ねて想うその風景はとてつもない慈愛に満ちたものでありました。

  • 言われてみれば至極当たり前なんですが、敗者側の歴史は残っていないとか、反乱の中にはただ巻き込まれて嫌々その場にいる人々がいるとか、絶えずそういった視点で世を見ることができるか否か。そこが才人と凡人の分かれ目の一つ。
    それにしても、世の流れに反抗した薩摩の一家族が最近まで吊るし上げられているとか、やはり日本では目立ってはいけないということかいな?

  •  日本人は日本軍が中国で行ったといわれる殺戮を、過去の切支丹迫害のときにも同民族どうしてやってる。なぜ、これほど惨たらしいことが平気でできるのが人間は恐ろしい。カンボジアのポルポトやアフリカ、ウガンダのアミン、毛沢東の文革であるとか、挙げれば切がない。

     ナチスのユダヤ人大量虐殺を行っていた幹部になぜこのような非道なことを平気で出来たのかと問うたところ、彼の答えは「それが仕事だったから・・・」と言ったとか、確かに仕事熱心な国民性なら上司の命令には従うのだろう。それが仕事なのだから(恐

  • 14/10/22読了 20/5/6再読

  • 天草島原一揆
    キリシタン
    踏み絵等
    教科書に必ずでてくるものがわかる一冊。

    一揆が宗教的なものではないと繰り返し書かれており、ひとえに悪政による飢餓の危機的状況によるものだったらしい。勉強になった。

  • 島原の乱はキリスト教による反乱ではなかったという話。壮絶であった。

    沖田畷の戦いの話なども面白かった。

  • 松倉親子への厳しい評価。
    司馬さんらしい。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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