茶の話―茶事遍路 (朝日文庫)

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著者 : 陳舜臣
  • 朝日新聞 (1992年4月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022607058

茶の話―茶事遍路 (朝日文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 日本人がこのタイトルを読めば「利休のことかな?」と思うかもしれませんが話は遠く中国の歴史にさかのぼり、茶の嗜みがどう生まれ育まれ、また茶葉がどう中国、アジア、そして世界と関わってきたかを洗練された陳舜臣さんの文章で非常に楽しく面白く、わかりやすく書かれています。
    ちらっと日本もでてくるけどね。
    うーーーん陳舜臣さんの文章好きだなぁ。「個人観」の押し付けも煩わしくないし、非常に奥ゆかしくそして上品な文体です。
    資料を必死ににめくりながら書かれたものではなく、筆者の体内から溢れ出る知識や経験、深い造詣が紙面からあふれてくるような本です。
    数カ月前にNHKの漢詩紀行を見てからファンになったけれどさすが、さすが……。

  •  中国で始まる茶の歴史。初期の茶人は僧や文人・詩人がほとんどでお茶の本と言うより、中国の歴史の本を読んでいるようでした。最初のお茶は抹茶でしたが、今では日本に残っているだけだという事、それというのも、税として高級茶を収めていた茶の生産者が昼は茶の栽培、夜は茶葉を搗いて抹茶にする不眠不休の重労働を強いられたから、そのために北宋は滅んでしまったそう。殷は酒の飲みすぎで滅びたらしいし、国が滅びるまで度を過ごしてしまうなんて、大陸のスケールの違いに驚きました。
     後には世界が茶を欲し、イギリスはあの手この手で中国の手足をもぎ取ろうと、インドのプランテーションで茶の生産を始めたり、アヘン戦争を起こしたり、アメリカの独立までもが茶の貿易の為だったとは驚きでした。

  • 紅茶のことから、思い出した本です。陳舜臣さんの、お茶をめぐるエッセイ。副題がとてもしゃれていて、好きな本です。お茶といっても茶道ではなく、お茶、あるいはお茶の木そのものの旅の話あれこれ。茶聖・陸羽の「茶は南方の嘉木なり…」から書き起こされて、中国奥地をめぐって西へ西へと、大英帝国までの長旅。日本の茶道の、ギュッと凝縮された教えもいいと思うけれど、この飲みものをめぐる旅はとても壮大でのびやかで、陳さんの、正確ではあるけれどゆったりとした雰囲気の筆致とあわせて、とても好きでした。龍井緑茶や武夷岩茶、トップオブ烏龍茶「大紅袍」などは、今では日本の専門店で、「それ風なもの」を含めてもわりと楽に賞味できたりもするけれど、最初に知ったのはこの本です。子どものころから知ってる中国茶専門店の奥には、こんな世界があるのか!とお店の前をちょろちょろしたものでした(敷居が高くて:笑)。お茶は交易品だったり戦利品、プランテーション作物だったりという側面ももちろんあるけれど、そこを含めて、壮大な世界と時間の流れを感じられた本です。今は本棚にないんですけど、またどこかから回ってくる時もあるかな…と待っています。

  • お茶に関する様々な逸話が収められたエッセイです。
    中国のお茶道楽の方の話は色々聞いておりましたが一口にお茶と言っても色々歴史があり、文化背景があるのだなと思いました。

    とは言え。中国の故事に疎い陸羽さんって誰だろう?レベルの私にはちょっとレベルが高すぎたかな、と思います。
    もう少し勉強した後で又読んでみようかなあと思いました。

  • 10年ぶりくらいに再読。中国茶に対する含蓄に溢れたエッセイ集。ラストに「カタ」や「ドウ」がないため中国茶が日本茶と違い、文化や日常に定着しなかった、とあるが若干違和感を感じた。下の『イギリスと日本』に、感染症等への回避が生水を飲まず、飲茶の習慣に繋がった、とある。必要性が、特定行為の習慣を生み、その果として文化の形成に繋がっていくんじゃなかろうか。で、日本茶を国粋的な文化論で読み解くのは危険じゃなかろーか、とも。

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