アメリカ合州国 (朝日文庫)

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著者 : 本多勝一
  • 朝日新聞社出版局 (1981年10月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022608031

アメリカ合州国 (朝日文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 朝日新聞記者の著者が、ヴェトナム反戦運動、ニューヨークのスラム街の様子、黒人差別の実態、そしてネイティヴ・アメリカンの人びとの言葉などを記す、いわばアメリカの「闇」についてのルポです。

    著者は、「自由と民主主義の国」としてのアメリカ像を否定しているわけではありません。アメリカには、「光」と「闇」の両面があり、「両者をプラスして二で割った」ものが真実だというのでもないと言います。これはおそらく、アメリカという国が、きわめて大きな矛盾を内包した国だということを意味しています。とはいえ、「自由と民主主義の国」としてのアメリカとは異なる、別の側面にスポット・ライトを当てたということを、はっきりと述べた方がよかったのではないかという気がします。。

    こんにちでも、本書に描かれたような、アメリカの「闇」はなくなったわけではないでしょうし、解決へと向かっているかどうかも定かではありません。黒人のバラク・オバマを大統領に選出した国であり、そのオバマが医療保険制度改革や銃規制の問題に手をつけかねている国でもあります。しかし、アメリカは、そのうちに抱え込んでいる大きな矛盾を動力にするような、きわめてエネルギッシュな国だという印象を持ちます。本書を読んで、そういった考えに誘い出されました。

  • 表面には出てこないアメリカ合衆国の裏側が見えてくる

  • 徹底的に非白人の視点に立ったルポ。これが発表された当時、相当反響があり、偏った見方だと非難されたみたいだけど、最近は専らアンチ白人な考え方の僕には、寧ろ自然に思える。そうでなくても、黒人や先住民はしゃべりたくてしょうがないという感じで、そこにいってその話を聞いてくるという行為は、ジャーナリストとして当然のことをしたと思う。でも確かに、白人ばっかりを悪者にしている感は少しあるかな。この本で一番印象に残った言葉は、「日本人はベトナム戦争で始めてアメリカの正体を見抜いたようだね。・・・だけど変だなあ。なぜヒロシマやナガサキのとき、それを見抜けなかったんだろう。・・・」という黒人の言葉。この人のルポはクセがあると聞いていたけど、たしかに。普通とは違う呼び方の言葉が多くて、それぞれ理に適っているのだけど、英語を「イギリス語」というのだけは違和感があった。なぜこう呼ぶのかは書いていなかったので分からないけど、別にどっちで読んでも変わらないと思うから、短い「英語」の方で良いんじゃないかな。読んでいて『何でも見てやろう』を思い出していたのだけど、よく見たら解説が小田実だった。付録:ジョゼフ酋長の最後の戦い「酋長」の読み方を調べるたびに忘れている気がするので(たしか『ファインマンさん最後の冒険』のときも調べた)、ここに備忘のために書いておくと、「しうちやう」。『アメリカとは何か』という本を読んだことがあるけど、あれは読んだ意味なかったなあ。(9/22 追記)あとがきに映画「イージー・ライダー」のことが書かれているのですが、ちょうどいい具合にNHKがBSで放送してくれたので観ました。この映画はパブリックドメインになっているらしくて、Wikiquoteにせりふがいっぱい載っているので、印象に残ったものを引用しちゃいます。George: Oh, they're not scared of you. They're scared of what you represent to 'em.Billy: Hey man. All we represent to them, man, is somebody needs a haircut.George: Oh no. What you represent to them is freedom.Billy: What the hell's wrong with freedom, man? That's what it's all about.George: Oh yeah, that's right, that's what it's all about, all right. But talkin' about it and bein' it - that's two different things. I mean, it's real hard to be free when you are bought and sold in the marketplace. 'Course, don't ever tell anybody that they're not free 'cause then they're gonna get real busy killin' and maimin' to prove to you that they are. Oh yeah, they're gonna talk to you, and talk to you, and talk to you about individual freedom, but they see a free individual, it's gonna scare 'em.

  • 飛躍が、多い。

    そして白人の社会構造に関しても、従来の著者なら白人側からの綿密なフィールドワークを行っていたはずだ。


    違和感を感じるは、現代日本人が戦争責任を問われる感覚に近い、4次元の感覚。

    それにしてもハーレムやネイティブ・アメリカン居住区のフィールドワーク等、未だ卓越したものを持っている。


    個人的には、ウィットを忘れた文章が悲しい。

  • 侵略者である白人よりも、黒人やインディアンに共感をよせる本多勝一。
    これが偏っていると結論付けてしまうことが、いかに浅はかで偏っているのかということを
    アメリカにおけるさまざまな事象を取り上げて証明していく。
    著者の取材の仕方は独特で、中学生の頃から文章の書き方を意識していたというだけあって、
    記録のとり方がうまい!
    地図を書かせてもうまい!

    敢えて批判をさせてもらうなら、
    ・当時は「ホモ」が苦手だったようだ。
    男性の同性愛者に対する差別的感想が何箇所か見られたが、これには時代的制約もあったのだろう。
    ・もう一つはアメリカを単体として捉えているのではないか、という点。
    もちろんアメリカ合州国なのだから、ひとつの国なのだけれど、
    コロンブスの新大陸発見から話を始めるのであれば、
    AmericaだけでなくAmerica「s」についても言及すべきだったのではないだろうか。

  • 合衆国ではありません。合州国なんです。

  • 現場にこだわり、言葉にこだわる。本多氏の原点(頂点?)がここにある!! 噂の真相誌上で最後はすごく格好悪かったのは、とても哀しかった。でも著作に傷がつくわけではありません。心ある若人よ、これを嫁。

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