- Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022611161
感想・レビュー・書評
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第一部(1969.3.17~1972.12.13)はユーラシア大陸を横断する文字通りの大放浪でこちらは約150ページ、第二部(1972.12.13~1974.3.12)の小野田少尉を捜索するフィリピン・ルバング島への旅が約100ページ。サブタイトルにあるように小野田少尉発見が本書の目玉ではあるのですが、内訳としては第一部の大放浪のパートのほうが大きくなっています。
旅行記をインテリ系と勢いに任せたものに分類すると本書は明らかに後者にあたり、文体も若者が書き飛ばした日記に近いものがあります。道中も行き当たりばったりのドタバタギャグ的なノリで、少尉発見も若者の勢いで成し遂げてしまった感があります。
かしこまった紀行文よりイキのよい海外体験記をお好みの方にぴったりです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
知りませんでした。こんな人がいたなんて。
小野田さんという方がいたニュースは知っていても、誰が見つけたのかは知りませんでした。
なんなんだろうこの人。
むちゃくちゃすぎて意味がわかりません。
戦争の跡がそのまま残る時代。
HISもスマホもない時代に、一人の個人が旅行するレベルではない距離をまさに放浪した記録です。
今読むと、にわかに信じがたいです。
けがもなく、事故にも巻き込まれずにもどってきていること自体が。
でも、むちゃくゃしながら、紀夫さんにしかわからない感覚で、今の世界にも通じることを感じ取られています。
隣り合わせのいくつかの国のうち、ほんとうに日本に近い国と、そうでない国はどこなのか。
東南アジアに「先に進んだ何かを持つ国」をして、物量まかせに出て行くやり方が、どういう結果を生むのか。
何が間違っていて、どうやってつきあうべきなのか。
圧倒的に、紀夫さんの感覚が正しいと感じさせられます。
すごいでしょ?クールでしょ?日本って。
時代が変わってもまだ、いつも、自分たちをそういう紹介の仕方をする間違いを続けているようにしか、どうしても思えなくなります。 -
途中で挫折。紀行文は好みが出てくるなあ…