12万円で世界を歩く (朝日文庫 し 19-1)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • / ISBN・EAN: 9784022611840

感想・レビュー・書評

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  • 読書録「12万円で世界を歩く」3

    著者 下川裕治
    出版 朝日文庫

    p44より引用
    “ ネパール政府が、ドラッグ類を許してい
    るわけではないのだが、この国にはあらゆる
    種類のドラッグがある。ハシシュ、LSD、アヘ
    ン、牛糞にはえるといわれるマジックマッシュ
    ルーム……。欧米を中心にした若者は、これ
    をめあてにネパールにやってくる。”

    目次より抜粋引用
    “バンコクから尻にアセモの二千キロ。赤道
    には白線が引いてあった。
     高度四千メートルめざすヒマラヤ・トレッ
    キング。ヒルの森にヒルむ。
     ついにニューヨーク到達。アメリカ大陸、
    一万二千二百キロ。
     念願のカリブ海リゾート。キューバのドル
    払いアリ地獄に泣く。
     タイ国境線をなぞる戸惑いの旅。気がつい
    たら“密入国”。”

     フリーライターである著者による、予算12
    蔓延で世界各地を旅してまわった紀行文。
    同社刊行作文庫版。旅の明細書付き。
     日本のお隣からヨーロッパや中米まで、ぎ
    りぎりの旅の悲喜こもごもが記されています。

     上記の引用は、ネパールのドラッグ事情に
    ついて。
    ドラッグについては合法な種類と国もあるよ
    うなので、その場へ行って楽しまれる分には
    文句もないのではないでしょうか。禁止され
    ている国では、その他の事を楽しみましょう。
    周りに迷惑を掛けない程度にしてほしいもの
    です。
     まだベルリンの壁が存在していた時代の旅
    行の記録なので、貴重な作品になってくるの
    ではないでしょうか。文庫版あとがきにあり
    ますが、旅行作家としての著者の転換点となっ
    た一作だそうです。

    ーーーーー

  • 自分の中では、目覚めの一冊でした。
    もっと自由に生きられることに気付かされ、自分自身の心に「自由であっても良いじゃない!」と思わせた著作でした。
    しかしその後一人で海外へも行きましたが、著者のように行動できない自分にもどかしさを感じ、同じようには行かないな~!とも思いました。
    それでも今でも心に残る一冊です。

  • 渋谷の古本屋さんの題名を見て、思わず購入。

    80年代後半の円高景気のころの話だが、12万円で、韓国一周、アメリカ横断、シルクロードから北欧を経てアメリカ大陸横断など、1回12万円で旅行してくるという、朝日出版の企画ものを一冊の文庫本にまとめなおした本。

    費用のほとんどは、飛行機代になってしまうようだが、いかに安くチケットを手に入れて後は、バスや電車などチープな旅程をこなしていく体験記は、いや〜なかなかそこまでやるのは難しそう(そもそも言葉をどうするかもあるし、、、)。食べ物がオイシクなかったり、トイレも汚いなど、ヒドイ経験もあるようだけど、旅先の人々とのふれあいがちょっぴりウラヤマシイ。。

    時間があって、お金が無いときに実施するのがいいのかなぁ。。
    それは、学生時代?
    老後?
    それとも今すぐ?

    旅にでたくなってしまう一冊。
    (できれば、あまり不衛生な所じゃないところがいいけど)

  • 赤道直下、ヒマラヤ、カリブ海、乏しい予算で訪れた国は数知れず。タバコ一本、ビール一杯もサイフと相談。トラブルに巻き込まれたり、人の親切が身にしみたり…。そんな旅だからこそ見えてきた人々の素顔や生活と旅の喜怒哀楽を語りつくす、これぞビンボー旅行のバイブルだ。12万円の内訳付き。(表紙裏)

    下川祐治さんの‘貧乏旅行記‘原典的な一冊。
    淡々と時間や風景が流れていくのは変わらず。たかだか300頁に満たないページ数で12話もあるので、以下続刊に比べても早い早い。
    旅の行程や価格表がまた嬉しい。勿論、すでに30年前(!)のデータはいずれも役に立たないが、時代を感じられる。
    で、内容的には大満足なんだけど、紙質がすごく安っぽいのはなんでなんだろう。軽いのに厚いというわけわかんない状態。

  • (良い意味で)アホでいいなぁ~。12万円で世界を旅しようという発想が独創性溢れている。厳密に言えば12万円で収まってなかったり、12万円のほとんどが航空券代だったり、色々ツッコミどころは満載だが、ヒマラヤ踏破を試みたり北極圏を目指したりユーラシア大陸横断を果たしたり、そのチャレンジ精神は拍手喝采ものだ。

    レートや相場は1988年当時のもので、1997年時点で再検証されており、2016年時点だと航空券はもっと安くなり為替や物価影響で生活費がもう少々高くなっているだろうが、ひょっとするとまた一味違う12万円世界旅行が楽しめるかもしれない。

    なにより著者である下川氏が心底楽しんでいるのが本を通して伝わってくる。硬い座席のバスに35時間乗り続けるなど大変な体験もしているが、ただただひたすら下川氏が羨ましい。

  •  貧乏旅の本の著者と言えば、下川 裕治さん。
    別のページで『格安エアラインで世界一周』を紹介させてもらいました。
    この本では、12万円で旅をするスタイルを12のパターンを紹介されている。

     紹介されているのは、東南アジア、韓国、中国、中米、北米、シベリア鉄道など 。
    話に出てくるのは、著者が1988年〜1989年の旅のストーリー。
    支払った代金の明細書がそれぞれ細かく書かれている。
    当時の今の物価が違うので注意が必要だが、必要な出費の参考になる。

     今のバックパッカーは、スマホやインターネットを駆使して旅をする。
    地図は開かなくても、手のひらのスマホで教えてくれる。
    しかし、便利グッズを使わない旅にもいいところはある。
    下川さんの旅そんな昔ながらのワクワク感のあるバックパッカーのような旅だから、読んでいて楽しい。

     節約して旅をすることが好きな人はおすすめしたい1冊です。
    たくさんの写真(カラー&白黒)をみているだけでも楽しいですよ。

  • ガイドブックは旅に出る前の精神安定剤

    ガムテープ
    インドネシア スマトラ名物 バタン料理 皿の中の料理の減り具合を見て料金

    カトマンズ~ポラカ ネパール一番の幹線道路
    トレッキングパーミッション

    韓国 江陵(カンヌン) 束草(ソクチョ) 海側に鉄条網 統一展望台
    ジャージャー麺 口の周りが黒く汚れる 中華料理店でアベック 肉体関係まですすんだ仲
    荷衣(ハイ)島 金大中の生まれた島
    ソウルへ行けば金の使い道もあると聞くが、田舎では無理な話。金のないのもシンドイが、使っても使っても減らないというのも、また苦しい。1ウォン=0.1875円

    東方紅十七号(上海~武漢) 東方紅四十五号(武漢~重慶)
    長江は巨大なドブ

    宜賓(イーピン) 重慶を発ってから3日、神戸を発って延々4141キロ。13日間を費やし、僕らはようやく長江の始点にたどり着いた。

    全米を網羅するグレイハウンドバス
    アメリカ西海岸のコーラはなぜかうまい。

    北京発ベルリン行き列車、28日間世界一周
    船賃(神戸~上海)23,000円
    1日目
    昼食(麻婆豆腐)350円 夕食(八宝菜、ビール)675円 茶150円 クッキー150円
    2日目
    昼食(サンドイッチ、コーヒー)500円 タバコ100円
    3日目
    宿72元 上海地図0.5元 朝食(そば)2.8元 夕食(上海ガニ、火鍋)75元 タバコ0.82元
    4日目
    朝食(包子)1.05元 バス0.4元 昼食(肉ピーマン炒め)4.25元 幸福コーラ2元 夕食(焼鳥、焼きそば)4元 帽子3.6元 宿72元
    5日目
    朝食(そば)1.5元 まんじゅう1元 アイス0.6元 昼食(肉炒め)2元 列車(上海~北京)21.9元
    6日目
    朝食(そば)1.5元 タバコ0.95元 昼食(弁当)2元 夕食(パン)2.25元 宿56.5元
    7日目
    地下鉄(0.3元×3回) 北京地図0.3元 故宮入場料8元 景山公園入場料0.5元 北海公園入場料0.5元 昼食(清朝宮廷料理)50.5元 カゼ薬1.82元 紅茶0.8元 夕食(パン)2.5元 宿56.6元
    8日目
    ヨーグルト5.2元 北京ダック7.2元 タバコ0.71元 昼食(弁当)1.8元 地下鉄(0.3元×2回) 夕食(パン)0.75元 あめ1.47元 コーラ4.5元 宿4600円
    9日目
    列車(北京~ベルリン)49,000円 予約手数料19,400円 昼食(ニンニク芽炒め)7.5元 夕食(肉野菜炒め)6.4元
    モンゴル 10日目
    朝食(クレープ、たまご、紅茶)1.3ドル

    ベルリンツォー駅前のうらさびれた12マルクのポルノ映画館に入った。シルベスター・スタローンのそっくりさんが演じるファックシーンのつまらなさに西側を実感した。
    ヨーロッパに街は死にかけていた。花のパリの地下鉄にはオシッコの臭いが充満していた。

    ロンドンの紅茶はとにかく濃い。そこへ、濃いミルクをたっぷり入れる。それは、コーヒーと比べても遜色がないほど濃厚な飲みものである。
    本場ロンドンのなかでも、味には定評があるといわれるウォルドルフホテルのラウンジ

    北極圏への旅は、7、8月に限られる。

    上海には、今年6月の天安門事件が暗い影を落としていた。上海は、確実に数年前の上海に戻ってしまったようだ。

    この本は1988年6月から1989年12月にかけて、週刊朝日に連載した「十二万円の旅」シリーズを加筆したものである。

  • こんな風に旅をしてみたい

  • ちょっと情報が古いけど、まぁアジアなんてもんはめまぐるしく発展しているようで、時代が止まってる地域もあるわけで。雰囲気とかつかみにはもってこいです。

  • 正直文庫本1冊にまとめてしまうのはもったいない。

    貧乏旅行は楽しそうだが、ここまで極貧は堪えるな。
    やっぱある程度お金って必要だよね。

    いや~、ますます世界一周したくなってきた。
    金ないとか言い訳にしちゃいけないな。

    他人が成し遂げられたってことは
    自分も出来るっていう証明でしょう?

    就活終わったら死ぬほどバイトして金ためて、
    半期使って世界回ったる!





    以下内容↓
    <目次>
    第一章
    バンコクから尻にアセモの二千キロ。
    赤道には白線が引いてあった

    第二章
    高度四千メートルめざすヒマラヤ・トレッキング。
    ヒルの森にヒルむ

    第三章
    韓国をぐるーっと一周バスの旅。
    かかった費用は5万7201円

    第四章
    神戸から船に乗り続けて13日。
    長江(揚子江)の終点にたどり着く

    第五章
    ついにニューヨーク到達。
    アメリカ大陸、1万2200キロ

    第六章
    北京発ベルリン行き列車、
    28日間世界一周

    第七章
    インド大陸を列車とバスで横断。
    ラダックに青空を見に行く

    第八章
    念願のカリブ海リゾート。
    キューバのドル払いアリ地獄に泣く

    第九章
    東シナ海、南シナ海、四つの中国めぐり。
    超たいくつクルージング

    第十章
    ロサンゼルスからひたすら北上。
    カナダ最北端、北極圏突入

    第十一章
    タイ国境線をなぞる戸惑いの旅。
    気がついたら“密入国”

    第十二章
    神戸からアテネ、1万5472キロ。
    シルクロードを揺られぬく

  • タイトル通り、12万円という限られた予算の中で世界中を旅する本。

    宿は安宿で、移動は現地民が使うバスや鉄道が主であり、トラブルなども多いが、その分現地の人々と密接に関わる機会も多く、
    その国の国民性や風土、慣習なども肌で感じやすくなる。

    やはり旅行はこうあるべきであるなと感じた。

  • 旅好きな人には「早く旅したい!!」という気持ちを、旅に行ったことがない人には「うわぁ、面白そう!!」という気持ちを起こさせてくれる内容となっているのではないでしょうか。予算が12万円でも、2週間は現地に居れるんだなーと驚きました(予算の中には航空券代も含まれています)。読んでいてわくわくしましたが、脚が動かせないバスに何十時間も乗っていることや、何日間もカップ麺で過ごすことは僕にはできません(笑)過酷すぎる。作者もあとがきで書いてますが「つらかった」と。写真が多く掲載されているので、当時の様子を知ることができますし、旅の明細書も書いてあるので、その過酷さを読者の方も感じることができると思います。

  • 旅行記ってのはなかなか面白い。
    自分の日本での常識が
    日本での常識なんだと気づかされる。

    英語が全くできないから
    外国なんてできれば行きたくないとおもってきたけども、
    実際に行ってみてからは
    海外はおもしろいなぁとおもうようになったね。

    ただ12万円旅行はしたいとは思わないが。

  • 本書で描かれている旅が決行されたのは日本がバブル全盛期の80年代末期である。本書(文庫版)あとがきで著者の下川氏が述べているとおり著者は本書のもととなる週刊誌の連載で一躍「貧乏旅行の下川さん」ということで脚光を浴び、その後の著作での活躍は周知のとおりである。
    前置きが長くなったが、80年代末期というあらゆる貧乏くさい価値観が否定された時代の日本社会でこのような旅企画が実施されたことに興味深さを覚えた。
    時代が遡ると上海への船旅が下川氏の著作ではお馴染だが、格安エアラインが就航している現代ならもっと色々なところへ行けるかもしれない。各旅の章の終りに旅の支出明細が載っているが、こんな貧乏くさいこと80年代末期に考えられなかったことだと思う。
    2000年代以降(20代半ば)から本格的なアジア旅を開始した自分は会社員となった今でも海外に出かけた際は支出明細だけはつけている。
    何だか、貧乏旅行の経験はその後の旅に影響を与えるんだと、本書を読んでいてつくづく感じた。
    次の旅は12万円の予算にしてみようと思う。中2日にの東南アジアなら豪遊となるが。(笑)

  • 春休みに友達と中国へ行こう、それもツアー無しで、ということで何か参考になる本はないかと探していたら、この本を見つけた。

    資金を切り詰めた旅というのはものすごくせわしないのかな、と思っていたのだけど、どうやらそれは逆だった。むしろゆっくりなバスや電車、船に何時間も揺られるほうが多いらしい。

    それぞれの国では、豊かな外見の裏側を見た、という調子でレポートしているのだけど、そりゃ質素な旅をしているんだから貧しい部分を目にするだろうという感じがする。

    でもなんとなくそういう旅には憧れる。

  • 春休みに友達と中国へ行こう、それもツアー無しで、ということで何か参考になる本はないかと探していたら、この本を見つけた。

    資金を切り詰めた旅というのはものすごくせわしないのかな、と思っていたのだけど、どうやらそれは逆だった。むしろゆっくりなバスや電車、船に何時間も揺られるほうが多いらしい。

    それぞれの国では、豊かな外見の裏側を見た、という調子でレポートしているのだけど、そりゃ質素な旅をしているんだから貧しい部分を目にするだろうという感じがする。

    でもなんとなくそういう旅には憧れる。

  • 日本で仕事のなかったフリーライターが週間朝日の連載企画に誘われた事がきっかけで旅は始まる。
    約1ヶ月間、旅費は12万円(航空運賃含)。それを繰り返すこと13ヶ月。
    20年前と今では多少物価は違うものの、無銭旅行の過酷さはリアルに伝わってきた。

  • だいぶ前の旅行記であるが、ザ・バックパッカーと行った感じで楽しかった。

  • 「旅」が好きなら・・・手に取る本です。

  • 週刊誌のコラムのため、辺境の地を激安旅行費で行く。

    格安旅行紀?とか思っていたら、甘かった。
    そんなお気楽な旅じゃなかった。
    過酷。電波少年系。
    申し訳ない気持ちになった。

    中国ひどい。

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著者プロフィール

1954年(昭和29)長野県生まれ。ノンフィクション、旅行作家。慶応義塾大学卒業後、新聞社勤務を経てフリーに。『12万円で世界を歩く』(朝日新聞社)でデビューし、以後、アジアを主なフィールドにバックパッカースタイルで旅を続け、次々と著作を発表している。『週末ちょっとディープな台湾旅』『週末ちょっとディープなタイ旅』(朝日新聞出版)、『旅がグンと楽になる7つの極意』(産業編集センター)、『沖縄の離島 路線バスの旅』(双葉社)など著書多数。

「2023年 『旅する桃源郷』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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