昭和陸軍の研究 上 (朝日文庫)

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著者 : 保阪正康
  • 朝日新聞社 (2006年2月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (648ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022615008

昭和陸軍の研究 上 (朝日文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 大冊ですが、詳細な調査、ヒアリングに基づく本で読み応えがあります。張作霖爆殺事件から始まり、山本五十六の死まで、上巻では興味深い昭和史上の出来事を取り上げております。やはりガダルカナルが一番印象に残ります。日本の行なった卑劣な行為、無謀な道を具体的な声に基づき、明らかにします。必ずしも陸軍史ではなく、陸軍が日本史を左右したということになるのでしょうか。例えば日独伊3国同盟の締結は陸軍が熱心だったとも言いますが。今後、戦争経験者が徐々に過去の人となっていく状況の中で、このような書物はもう最後の作品になりそうですね。

  • 関係者の証言や膨大な資料を基にした日本陸軍の教科書ともいえる良書。ボリュームあるし決して読み易くはない内容だけれど、大東亜戦争における陸軍の実情(腐敗でもある)を時系列で追うことができてめちゃ勉強になった。陸軍好きも納得の良書らしい。

    ただ「いわゆる南京大虐殺」を肯定していたりと、やや自虐的な史観に囚われてるところが気になった。

  • 1999年に出た上下巻八千八百円という単行本は、読みたいけれど手が出なかったのが文庫化されて念願かないました。

    いま生きている現代をよく知ることは当たり前で正しい認識なくしては充実した人生は送れないわけですが、もとよりもっと重要なのは過去です。生まれてないから知らないでは怠惰のきわまりなので、歴史の闇の中に分け入ってきました。

    文学では大岡昇平の『俘虜記』『野火』『レイテ戦記』、野間宏の『真空地帯』に大西巨人の『神聖喜劇』など手当たり次第に戦争文学を読み、日本の軍隊が起こしたことと日本軍そのものについては、平岡正明の『日本人は中国で何をしたか』に洞富雄の『南京大虐殺』、井上清の『日本軍は中国で何をしたのか』『天皇制軍隊の形成』『日本の軍国主義』、デビッド・バーガミニの『天皇の陰謀』に熊沢京二郎の『天皇の軍隊』などを読んできて、もう読むべきものはないみたいに思っていましたが、時代の変化は認識の深化へと連続しているのだと思い直しました。

    保阪正康の名前はよく見かけるのに未読でこの本が初体験ですが、9割を占める戦争体験者からの証言を元に検証される事実はとても刺激的で強烈な読書体験でした。

    彼は今後の日本人がするべき事を5つ提言。
    (1)昭和前期の事変、戦争を徹底して検証し、昭和陸軍のなかにひそんでいた侵略思想、侵略の体質をまず明確にすること
    (2)そのうえで謝罪すべきは謝罪し、補償すべきは補償し、補償の範囲を超えている件は明確な説明をして納得を得ること
    (3)昭和陸軍の最大の問題であった統帥権の独立を改めて否定し、将来、軍事組織をもつに当たっては文民支配のシステムを確立するためのプロセス、その運用を明確にして、東南アジアの国々に具体的に説明すること
    (4)かつての「天皇の軍隊」でなく、国土防衛に当る最小限の軍事力であることを国内法的にも制限し、それが思想面でも確立していることの納得を得ること
    (5)軍事主導国家になり得ないシステムを作り上げるために、国内でもかつての昭和陸軍をはじめとする軍事組織の誤りを国民的規模で理解すること

    大変な労作ですが、軍備保持論者なのに政治的立場性の曖昧さゆえ明確な論点をブレさせているような気がしたり、だからこそ保守反動の側に利用されるスキがあるようにも思えました。明確な立場性抜きにしては本当の真実は見えてこないと思います。

  • まもなく原爆の日です。
    この日が永遠に消えない日です。記憶から消してはいけない日です。
    なぜ、このような悲惨な結末になったのか?あの戦争は一体何だったのか?
    暴走した昭和陸軍について、昭和研究の第一人者である著者が、膨大な資料と数百人に及ぶインタビューを元に、調査・分析しています。
    そこには、今の政治や官僚の社会と何ら変わらぬ、高級軍人たちの無責任体質が見え隠れします。
    文庫とはいえ、上下セットで購入するとそれなりの値段になりますが、この夏、ぜひ読んで欲しい一冊です。

  • <a href="http://home.hiroshima-u.ac.jp/d052080/sb/log/eid179.html">サッカーマン院生のガツガツ日記 | 昭和陸軍の研究 上</a>

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