英国策論 遠い崖3 アーネスト・サトウ日記抄 (朝日文庫 は 29-3)
- 朝日新聞社 (2007年11月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (388ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022615459
感想・レビュー・書評
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海外から見た四カ国、特にイギリスの姿勢が見えて、違った観点から見た明治維新が面白い。
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パークス着任と直後の神戸遠征を経て幕府の正統性について実態とのかい離が認識されるなか、サトウが匿名で本題の英国策論を出稿。天皇主権で将軍家、有力大名からなる合議制を説くものだ。その後はパークスが薩摩、宇和島を訪問し大名との接点を築き始めるなか、第二次長州征伐が始まった。この時期の英国の内政不干渉の姿勢は一貫していることがわかる。本巻のサトウの出番は英国策論だけでパークスばかりだ。
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幕末、外国諸国が、幕府と天皇制の曖昧さに理解が及んでいなかった中で、早くから、朝廷を中心に雄藩連合が主導権を握るべきと論じたアーネスト・サトウの先見性に脱帽。そして、幕末の志士が彼の論に影響を受けていたことを考えると、アーネスト・サトウこそが幕末維新の陰のオピニオンリーダーでったともいえる。
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★2010年93冊目読了『英国策論 遠い崖-アーネスト・サトウ日記抄3』萩原延壽著 評価B
薩英戦争、下関遠征後、列強側の内幕を描き、いよいよ幕府による長州征伐の第二次も始まり、国内は内乱の気配を高めていくが、英国はその卓越した情報収集力で、早くに中立を宣言、内乱が英国の国益に叶わず、また日本の為にもならないことを看破していた。
幕府に関税改正を約させ、幕府の外国貿易独占権を奪いつつある中で、しっかりと英国は、薩摩とも非公式に接触を持ち、バランスをとる狡猾さも見せる。当時の国内状況をこれだけ正確に、幕府、薩長双方から分析できた人、国、集団はなかったものと思われます。
ただし、読み物としてはやや冗長。退屈な編ではありました。 -
2007.12.21