戦争文学を読む (朝日文庫)

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  • 朝日新聞出版 (2008年8月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022615886

戦争文学を読む (朝日文庫)の感想・レビュー・書評

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  •  〈つくる会〉と歴史認識論争から20年間の「戦争の語り」をめぐる状況と土台の変化を確認するために再読。1999年刊行の原著に、古処誠二のインタビューと関連年表を追加。集英社の『コレクション 戦争×文学』につながる流れも見えてくる。

     いくつかの点で疑問があったり、その後の進展で古びてしまった記述があったりはするが、学術的なレベルでは、本書の議論がこの20年近くの「戦争の語り」論のベースとなっていることは疑えない。だから、むしろ問題は、この間の人文学・社会科学のアカデミックな達成が、どうして社会的な議論の土台作りに成功しなかったのか、ということではないか。そのことは、本書で成田龍一が描出した、1970年代の歴史学と、森村誠一『悪魔の飽食』・大岡昇平『レイテ戦記』が持ったインパクトとはまったく異なる状況だと考えるべきではないか。

     それを、アカデミズムの側の細分化・タコツボ化に帰責することは容易である。だが一方で、私が考えるべきと思うのは、歴史を語る語り(に限らないのだが)にかんして、アカデミックな議論、知的に誠実な議論を迂回し、棚上げし、それらを参照せずに問題を語る語りが、この社会にはかなり強固に制度化されているのではないか、ということ。このあたりは慎重に考えなくてはいけないが、人文学・社会科学の学術的な仕事が、これほど社会的・政治的に軽視されている時代はないのではないか。うがった見方をするなら、〈つくる会〉以後の右派勢力の〈勝利〉は、こうした反=知性主義の蔓延にこそ、求められるのかもしれない(「反省」が「自虐」に取って代わられていくプロセスは、その象徴的なあらわれとも見える)。

  • 文学へのアプローチって全く門外漢なので、とても新鮮だった。複数分野の専門家が対談してるので、わけわからん観念論に溺れなくて済むのが助かる。

  • 戦争文学年表が便利。
    「調べた上で書く」のと「調べたことを書く」のは違う、とは当たり前のことだが、最近はそれができていない人の多いこと。

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