- Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022617026
作品紹介・あらすじ
朝日新聞が、戦争を翼賛し、国民を巻き込んだ経過、戦時統制下での事実隠蔽や"英雄"の捏造といった「身内の秘密」を、タブーを恐れず検証、事実とデータをして語らしめた多角的なノンフィクション。下巻には12章から最終章までに加え、年表、索引を収録。
感想・レビュー・書評
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笠信太郎を国外へ逃したことで「戦後の今日、朝日をめぐって幾人かの戦争で手を汚さなかった人を残し得たかと思うと、せめてもの心慰めである」と回想した緒方竹虎。手を汚さず、咎めも受けず、ピュアでございと戦後民主主義を先導する知識人になんの価値があるというのか?心得違いも甚だしい。
「権力の抑圧によって筆を曲げるよりは、筆を折る、つまりは死を選ぶくらいの気概を秘めた企業だということを、諸君もハラの中に入れておいて欲しい」と一柳社長が入社式で訓示したのは85年春。その後、朝日としてその認識に変わりはないのか?大変心もとなく感じる次第である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
朝日新聞がなぜ戦争を止められず、逆に戦争協力の深みにはまっていったのかを検証した本。朝日の社員の行動や発言が主だった上巻とは違い、下巻では南京などの事象が中心で語られている。個人的には、この本を取材した取材班個人の主観をもっと全面に出してもよかったのではないかと思えた。その理由は読み手には善悪の判別が付けずらい部分がいささかあったからだ。ただ朝日には内部の膿を外へ情報を公開する自浄システムがあることは理解できた。今回の池上さんの件もいい意味で情報が外へ公開された結果のだろう。朝日のことを徹底的に安倍総理は批判していたが、個人的には秘密保護法などで情報を隠蔽する安倍総理がそんな事を言える立場ではないと思った。情報を隠す安倍政権はフェアではない。公正に朝日を批判したいのなら、自らの政権も隠し事をせず、オープンにするべきではないか。この本を読んでそう感じた。