戸越銀座でつかまえて (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 89
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022618894

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学評論随筆その他】40代、非婚。「自由」に生きることに疲れ、一人暮らしをやめて戻ったのは実家のある戸越銀座だった。老いゆく両親や愛猫2匹、近所のお年寄りとの日々で見つける新たな生き方とは? 旅する作家が旅せず綴る珠玉のエッセイ。《解説・平松洋子》

感想・レビュー・書評

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  • 人と違う道を選ぶことは、多くの人が考えなくてもいい「なぜ?」や「どうして?」と深く長く付き合っていくことでもある。
    そしてその問いへのヒントは、意外にも近くて狭い範囲にあったりする。わたしも生き方に迷ったときは、自分の「戸越銀座」へ目を向けてみようと思った。

  • 星野さんの文は、オムニバス形式のエッセイ本で何度か読んでいて、どれも面白かったので今回、きちんと一冊のエッセイ本を手に取りました。
    戸越銀座という街を、面白おかしく書いているだけではなく、時にシュールに少し哀愁漂う感じに描かれていて良かった。 社会から、世間から自分のいる環境を、流されずじっと留まりながら見つめている。焦らずに。
    この本に出会えて良かった。 行き詰まった時に何度でも読み返したいです。 声を出して笑ってしまうくらい可笑しいエピソードも多々あり!

  • 何年かぶりの再読。「一人暮らしに敗北して実家に戻った。それを認められるようになったのは、最近のことだ。」それで筆が進んで一書にまとめあげられたとのこと。一人暮らし末期に、姉に指摘されるまで空き巣に入られたと思わず、天の仕業だとおもってたあたり、だいぶやばかった、という自己認識も綴られ。ただ、20年ぶりに舞い戻った地元にもすぐには馴染めず。距離感を測りながら、香港での経験なども活かしながら。そして都会に住みつつ、気持ちは田舎者のマインドのご近所さんの手強さ、したたかさも描かれていて。「戸越銀座は甘くない。私たちはあなたがたを叩きつぶすのを、手ぐすね引いて待っているのだ」(p.267)といった一面も。あとは、「旅とはなんだろう。一言で言えば、片っ端から出会い、片っ端から別れることp.72、といったあとの、旅慣れすぎて心の切り替えに慣れすぎだと感じたあとに、「いまの私には、臆病だった自分のほうが、生き物として信用できるような気がするのだ」(p.75)と語ってたところにグッときました。

  • 今まで読んだ女性エッセイの中で、特に面白かった。
    同じアラフォーとして、40代独身女性ってなんか寂しいのかなとか思っていたけど、そんなこともなく。なかなか目的どおりに用事を済ませられなかったり、そうかと思えば震災の時の冷静な視点など、ハッとさせられる鋭い記載があったり。
    色んなところを見てきたからこそ、わかることがある。いつかふわりと着地するなら、今もっと沢山のモノをみて、身の回りくらいは把握して歩こうと思った。

  • 「銀座と戸越銀座だけが本物の銀座なのです」「本当かっ」(^-^) 星野博美 著「戸越銀座でつかまえて」、2017.1発行。同学年は小泉今日子、中森明菜、山本昌、古田敦也など。八百屋で「奥さん」と呼びかけられて怒り、道端で渡されかけたティッシュ(キャバクラ)を引っ込められて傷つき、自由とは何かを自問自答。40代、非婚、吉祥寺での一人暮らしをやめて、13歳のめす猫ゆきを連れて実家のある戸越銀座に帰った星野博美の放つエッセイ。若い頃に成功したとか、昔は幸せだったとか、老後には何も意味はない。大事なのは現在。

  • 2017/2/3

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著者プロフィール

1966年、戸越銀座生まれ。ノンフィクション作家、写真家。著書に『転がる香港に苔は生えない』(2000年、第32回大宅壮一ノンフィクション賞)、『コンニャク屋漂流記』(2011年、第2回いける本大賞、第63回読売文学賞随筆・紀行賞)、『戸越銀座でつかまえて』(2013年)、『みんな彗星を見ていた』(2015年)、『今日はヒョウ柄を着る日』(2017年)、『旅ごころはリュートに乗って』(2020年)など多数。

「2022年 『世界は五反田から始まった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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