選書914 西洋の書物工房 (朝日選書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 182
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022630148

作品紹介・あらすじ

【芸術/芸術総記】二千年にわたる本の起源と変遷を、製本と装丁の本場、パリで学んだ著者がたどる。抄紙と製本、花切れ、天金や小口の装飾の歴史。ウィリアム・モリスのケルムスコット・プレスやモロッコ革の本など、美しい革装本の写真も多数紹介。愛書家垂涎の一冊。

感想・レビュー・書評

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  • パピルスと今の紙の間に、どんな素材があったのか。本の綴じ方は。そもそもどこからどこまでが「本」なのか。このところ俗にいう電子書籍をよく買うけれど、資料として持っておくにはよいが読みにくいし読みたいという欲求がわかない。そんなわけで両方買うなどの愚行(?)につながったりする。
    本書に登場するような技術はみな電子書籍には不要なものだ(逆に、電子書籍の技術は、書物づくりにはもちろんほとんど不要だ)。本には、何が書いてあるかということ以外にもたくさんの要素があって出来上がっている。電子書籍には、その要素のほとんどがない、ということも。技術が重なって物として残る、ということに、人は(もちろん僕も)それなりに執着するのだなあ。それは悪いことじゃないと思う。

  • 装丁のあれこれを丁寧に解説しているかとおもいきや、製本などに携わったことがない人むけではない本でした。
    専門用語が多数現れ、なんと読むのやら、それって何?の嵐で、ほぼ内容を理解できなかった。

  • 知りたくても知ることのできなかった内容がたくさん含まれていて、目から鱗。例えば、パーチメントとベラムの違いがわからず、今までモヤモヤしてたけど、この本でスパッと解決!素晴らしいです。

  • 本が生まれ、製本術ができた。
    その課程をコンパクトにまとめた形になっています。

  • 長らく絶版だった本。西洋の製本の歴史、技法を概観したものとしては日本ではおそらく他に類を見ないんじゃないだろうか。モノとしての本に興味のある人にはお勧めの1冊です。

  • 西洋の書物の歴史を、読みながら改めて整理する。

    どんなものでもそうだけれど、そのものがその形になるには
    必ず、意味と、そのかたちに至った段階的な経緯がある。
    私は本に興味があるので、本の発展の経緯をみることで
    本以外のものにも共通する、もののかたちの発展の仕方の本質のようなものを感じることができるように思う。

    今回新たに認識したのは、ヨーロッパにおける製紙技術の発展が
    地域によってだいぶ時間的な開きがあったのだということ。
    父がスペインで紙を買ってきてくれたときに、スペインにこんな紙文化があったのかということに驚いたが
    他の地域に比べるとスペインでは100年も製紙術が伝わるのが早かったそうだ。

    あとはギャルドブランシュの役割について。
    そう言えばちゃんと考えたことなかったなーと。
    今回、歴史をたどる中で、仮綴じ本を表紙も残して
    美しく飾られた革の表紙と何枚もの白紙に保護されて
    製本したものを思い浮かべてみて
    ずーっと長い間いまいちピンと来ていなかった
    西洋の製本の、なんでそんなことしてたん?ていうような
    習慣的な意味合いに、自分の中でなんとなく
    少ーし輪郭がはっきりしたように思った。

  • 祝復刊!

    朝日新聞出版のPR
    「私たちは、いま手にしている書物の、「物」としての素材や形態の変化について、どれだけ知っているだろうか。
    パピルスから?板、羊皮紙から抄紙への歴史。
    巻子本からコデックス、革装本へと進化した製本術。
    花切れ、天金や小口の装飾、見返しなど、本を成立させる各部の起源と変遷を、製本と装丁の本場、パリで学んだ著者が辿る。
    西洋の書物史のすべてがわかる、愛書家垂涎の一冊。」

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著者プロフィール

貴田庄(きだしょう):1947年青森県弘前市生まれ。早稲田大学大学院修士課程修了、芸術学専攻。専門は映画史、西洋美術史、書物工芸史。著書に『小津安二郎のまなざし』『小津安二郎の食卓』『小津安二郎東京グルメ案内』『小津安二郎と「東京物語」』『原節子 あるがままに生きて』『原節子物語 若き日々』『志賀直哉、映画に行く』『高峰秀子 人として女優として』『西洋の書物工房』『マーブル染』『レンブラントと和紙』など多数。

「2023年 『小津安二郎と七人の監督』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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