- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022630216
作品紹介・あらすじ
【社会科学/政治】平成の色紙を掲げた小渕、震災時の枝野……。記者会見を通じて国民が最もよく目にする、首相の側近。その仕事の範囲、権限、歴代のタイプ・手法を分析し、政治の構造を解剖する。安倍首相の右腕、現職・菅義偉官房長官のロングインタビュー付き。
感想・レビュー・書評
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興味深く読んだ.首相との距離感として子分型,兄貴分型,友達型に3パターンに分けて解説.
「首相への誘惑」が出てくるというのは理解できる.勘違いせずに職務を全うできるかは大事.
ベスト3として後藤田正晴,福田康夫,大平正芳を挙げている.小泉政権の時の福田官房長官は確かにバランスよかっなと感じる.現在の菅官房長官もたたき上げだけあり,なかなかかな.詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
個人差があるのかな?なんとも言えません。
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著者の限界か、各論は分析するも結の纏めが皆無
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141220 中央図書館
著者は政治記者として歴代の官房長官を取材してきた。その中で印象に残った官房長官の振る舞いを数多く紹介し、総理の補佐・女房役である官房長官のタイプを、<span style='color:#ff0000;'>子分型、兄貴分型、お友達型</span>に分類。政権の安定運営には、後藤田、福田のような兄貴分型の官房長官を据えるほうがうまくいくことが多いとする。
<blockquote>概して「友達型」では、お互いのかばい合いが目立ち、政権が短命に終わるケースが多い。佐藤栄作政権のように、経済成長が続いて日本が安定期の時代は、首相に忠実な「子分型」でも政権運営はスムーズだった。冷戦後のグローバル化と少子高齢化で、内外共に難しい課題を抱えるようになると、ベテランの官房長官を起用して、首相とは異なる角度から冷静な判断を求めることが必要となる。そういう点から見ても、中曽根康弘政権や小泉純一郎政権のような「兄貴分型」官房長官は長期政権の秘訣と言えるかもしれない。「兄貴分型」だと、首相も官房長官の意見によく耳を傾けるし、官房長官の方も、首相を守り立てようとする配慮が働いて、微妙なバランスがとれるケースが多いように見える。(pp92-93)</blockquote>
著者の評価する歴代の官房長官は、一位、「情報の後藤田」、二位、「バランスの福田」、三位が「ペースチェンジの大平」だそうだ。後藤田と福田の官房長官が「はまり役」だったとはよく目にするが、大平官房長官を評価する、というのは耳新しい。著者のいう「ペースチェンジ」とは、タカ派の岸信介からハト派の池田勇人への移行を見事に乗り切ったことを指し、大平の貢献が大であったとするものだ。
本書の末尾には、2014年3月時点の現役官房長官である菅義偉へのロングインタビューが収められている。分厚い経験に支えられた実力と自信をうかがわせ、安倍政権を取り仕切る感のある菅の発言は、密度が高い。
<blockquote>「私が考えているのは、総理に判断を仰ぐケースを、できるだけ少なくしようということです。ですから私が総理のところに行く場合は、「総理、こうしたいんですけれど、よろしいですか」という言い方にしています。」(p172)</blockquote>
<blockquote>「(記者会見について)最初は、ものすごく緊張しましたし、今でも言葉を選んでやっています。私の発言が日本の発言になりますから、そこはやはり、いろいろなことを考えて発言しています。ありとあらゆることを聞かれますから、わからないことはわからない。答えたくないものは答えたくない。そういうことでやっていかないと、うまくいかないですし、信頼感がなくなります。」(p177)</blockquote> -
期待外れ。業界人には新鮮味はない。企画自体は面白いので、もう少し面白くできたのではないかと思わせてしまう残念な一冊。
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官房とはどんな役割なのか、歴代の官房長官はどんな立場でそうやってきたのか、新聞記者のめで長年見続けた人の分析。面白い。
でも、どう役に立つかは?? -
これまでになんとなく感じていたことを、本書で確認できた。どういった組織にも「官房長官」的な役割を担う人材が必要だということだ。官房長官がいなければ、政治が機能しない。この意味では、国・法人・団体は同様なのではないかと思っていた。スポークスマン、調整役が主な役目だが、その能力は一朝一夕には身に付かない。本書からは、情報の収集力・分析力、傾聴力、危機管理力が求められる力と読めとれた。加えて、胆力とバランス感覚が重要とあった。
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霞が関の調整役と関連して危機管理も重要な仕事。
菅さんは塩崎さんと対照的な経歴だから、長続きする。
後藤田さんのおかげで、不安定な中曽根内閣は安定した。
危機管理もばっちりだった。
歴代最高の官房長官は後藤田さん。情報収集力と分析力。
官邸3ポスト(首相、官房長官、官房副長官)をやったことがあるのは竹下さんと安倍さんだけ。 -
【読書その220】官房長官という政権の要をクローズアップした政治学の本。
長年の取材によって得られた豊富な情報に基づき書かれており、政権のスポークスマンという官房長官の仕事内容に迫る。 -
読了