惑星探査入門 はやぶさ2にいたる道、そしてその先へ (朝日選書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022630285

作品紹介・あらすじ

【自然科学/天文地学】2014年11月30日打ち上げ予定の「はやぶさ2」を中心に、惑星探査機について解説。本来の月・惑星探査の意義、基礎知識や歴史、背景をひもときながら、宇宙現地の様子をリアルに伝える。日本の探査機の技術が他の工業製品に生かされている例なども紹介。

感想・レビュー・書評

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  • はやぶさ2の打ち上げ成功を受け,軽めの関連本がよく売れているようだけど,この本は素晴らしかった。少し値も張るしちょっと敷居高めかも知れないが,はやぶさやはやぶさ2だけでなく,月・惑星探査が基本からよくわかるお勧め本。
    軌道やスイングバイの意味,フライバイ→周回探査→硬軟着陸探査→サンプルリターン→有人探査という探査の流れなど基礎知識から,スプートニク以降すぐさま始まった探査の歴史・将来の展望まで,このサイズの本に盛り込める内容が余すところなく盛り込まれている。もちろん昨年末という時期に出された本なので始めの一章をはやぶさ2に割いているが,はやぶさ2の解説本に留まることなく,惑星探査全般について学ぶことができる。ほかに,やや関心の薄れつつある月周回探査機かぐやも比較的大きく取り扱っている。
    米ソの熾烈な宇宙開発競争で急速に発展し,日欧そして近年は中印などの参入や民間による宇宙開発の勃興で変容しつつある惑星探査。中国は日本に先んじて月面軟着陸を達成し,インドも日本が失敗した火星周回軌道投入に一回で成功している。IT資金を中心とする民間も含め,今後の計画も目白押しだ。対して,はやぶさ帰還があれほど感動を呼んだにもかかわらず相変わらず予算の少ない日本。今までどおりニッチ的な探査に力を入れるとともに,もう少しプロジェクトの頻度を増やして,人と技術をつないでいくことが,日本のためにも人類全体の太陽系探査のためにも有意義なのではないだろうか。

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著者プロフィール

1967年東京都生まれ。
名古屋大学理学部卒。東京大学大学院理学系研究科(博士課程)中退。
宇宙開発事業団、宇宙航空研究開発機構、(財)日本宇宙フォーラム、会津大学などを経て、現在、合同会社ムーン・アンド・プラネッツ代表社員。有限会社ユニバーサル・シェル・プログラミング研究所(USP研究所)上級UNIXエバンジェリスト。NPO法人日本火星協会理事。「月探査情報ステーション」編集長。
専門は惑星科学、情報科学。現在は月・惑星探査及び宇宙開発の普及・啓発活動をメインに、自らの合同会社を基盤に活動を行っている。USP研究所では、宇宙開発とコンピューターの知識を活かし、次世代育成やIT技術の普及啓発を行っている。
雑誌『ニュートン』などの執筆やテレビ出演多数。主な著書に、『惑星探査入門』(朝日新聞出版、2014年)、『夜ふかしするほど面白い月の話』(PHP研究所、2018年)、『宇宙探査ってどこまで進んでいる?』(誠文堂新光社、2019年)など。

「2022年 『宇宙開発の不都合な真実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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