幕末明治 新聞ことはじめ ジャーナリズムをつくった人びと (朝日選書)

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022630520

作品紹介・あらすじ

幕末の激動の中から明治日本が生まれる過程で、長崎、横浜、東京などで次々に新聞が生まれた。読者はかぞえるほど、活字も販路も取材網もなく、手書きのものもあった。草創期の新聞の苦闘とそこに見られたジャーナリズム精神の萌芽を、9人の新聞人の生涯を通じて描く。出自、個性、文章、めざしたものもさまざまだったが、各人の挑戦、苦労、挫折の全体が、近代国家に不可欠な、報道と言論の舞台としての新聞というニューメディアを育てていった。ジャーナリズムを育てた新聞という媒体には、誕生時から、政府の干渉、党派的報道、販売競争など今日に通じる問題も見られる。今、新聞・テレビの時代を経てネット時代を迎え、ジャーナリズムが変貌をとげようとしている。その針路を考えるうえで先人たちの歴史は示唆に富んでいる。

感想・レビュー・書評

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  • 幕末から明治初期にかけて、日本で始めに新聞を作った、あるいは新聞作成に関わった人々の評伝。1冊で、9人程の人を取り上げているので内容は薄め。明治に入ってすぐ終わるので、万朝報なんか影も形も無い。

  • 東2法経図・6F開架:070.21A/O54b//K

  •  幕末維新期の日本で新聞の草創に関わった人々の小伝集。ジョセフ・ヒコ(浜田彦蔵)、アルバート・ハンサード、池田長発、柳河春三、岸田吟香、成島柳北、福地桜痴、本木昌造、ジョン・レディ・ブラック。事実報道の重視と多元的な視点という意味でのジャーナリズムの萌芽として『中外新聞』の柳河春三の評価が高い一方、その反権力性が賛美されがちな成島柳北に対しては江戸の文人趣味の範疇を超えられなかったと手厳しい。新聞の印刷形態(手書き、木版、木活字、鉛活字)の違いに常に注意を払っているのは、新聞社の現場出身の著者ならでは視点であろう。

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著者プロフィール

1947年福岡県生まれ。毎日新聞社で学芸部長、編集委員、論説副委員長などを歴任。現在、法政大学社会学部教授(日本近現代史/ジャーナリズム論)。主著に『文明開化と民衆 近代日本精神史断章』(新評論)『スキャンダルの明治 国民を作るためのレッスン』(筑摩書房)『大衆新聞と国民国家 人気投票・慈善・スキャンダル』『むかし〔都立高校〕があった』(共に平凡社)など。

「2004年 『賞味期間一日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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