ブッダの夢―河合隼雄と中沢新一の対話 (朝日文庫)

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  • 朝日新聞社 (2001年2月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022642622

ブッダの夢―河合隼雄と中沢新一の対話 (朝日文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ただの仏教の話ではない。
    これは、河合氏による中沢氏のセラピーである。
    その内容を一冊の本に収めてあるのだから、
    後世まで残し続けたい、大変貴重な資料である。

  • 中沢さんの方が20歳以上若いのだけれど、特別な体験(チベットでの修行)をしてこられているし、たぶん知識量も多いので、河合先生がいろいろと教えを請うているという構図になっています。唯一、箱庭療法の実践例について話されているところだけは、中沢さんが河合先生にたずねている箇所が多くなっています。あたりまえですが。この箱庭の写真はおもしろい。これだけ具体的な治療例を読んだことがなかったので、これは、心を病んで苦しんでいる人が作るから意味があるのでしょうか。私も一度作ってみたいなあなんて思いますが、それを作ったからと言って特に心が変化するわけではないのでしょうね。夢の話も面白い。修行をすることで、夢を自分で操ることができたとしたらすごいなあと思います。もっとも、ちびまるこちゃんでも、夢の中で西城秀樹だかだれかに会うという話もあったくらいだから、夢に期待している人も結構いるのかもしれません。

  • [目次]
    ・はじめに………中沢新一
    ・仏教と癒し
    ・宗教と科学は対立しない
    ◎箱庭療法の宗教性
    ・アメリカ・インディアンの神話の潜在力
    ・善悪をこえる倫理
    ・汎神論風夢理論のこね方
    ・あとがき………河合隼雄

    ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

    心理学から見た仏教の解説の対談かと思っていたけど違っていた。
    中沢新一さんという宗教学の教授との対談。
    脚注や解説がないのであるていど知識が無いと話しについていけなかった。

  • ユング派の臨床心理学者の河合氏と、チベット密教の修業の実践経験もある宗教学者の中沢氏による、宗教と科学をめぐる対話。

    まず関心を惹かれたのは、宮沢賢治についての話でした。そこで河合氏は、「非情な悲しみ」という言葉で賢治の作品世界を表現しています。この「非情な悲しみ」なんですが、センチメンタルな悲しみとは違う、「非個人的な悲しみ」「インパーソナル・ソロー」だと河合氏は説明しています。センチメンタリズムというのは、自分の理解できる範囲内での感情の奔出でしかありません。賢治が見ていた人生の悲哀は、そうした個人的な感情を越えたところに、静かに拡がっているものです。

    一方、河合氏の話を受けて中沢氏は「どんなちいちゃい生き物でも、みんな苦しみを背負っているのを見て、悲しくてしようがないから泣いてばっかりいた菩薩様」の話をしています。これもおもしろいと思いました。さらに中沢氏は、哲学の始まりは驚きではなく「人生の悲哀」だと言った哲学者・西田幾多郎や、童謡『赤とんぼ』を作曲した山田耕筰も、同じような悲哀を見ていたと指摘しています。

    こうした賢治の「非情な悲しみ」は、母性的な心理を突き抜けていると河合氏は考えます。一方には、すべてを理性的に割り切ろうとする父性社会・西洋があり、他方には、すべてをセンチメンタルな感情の中に溶かし込んでしまう母性社会・日本があるとすれば、この双方を見据えつつ、人間の全体像を捉えようとしているのが河合氏であり、宗教と科学の対立を超えてトータルな世界の把握をめざしているのが中沢氏だと言えるかもしれません。この2人がともに賢治の作品世界に共感を示しているのが、なかなか興味深いと思いました。

  • タイトルにブッダとあるが、仏教の本だと思って読むと失望する。

    河合隼雄氏と中沢新一氏という、ユング好き宗教好きの私にはある意味夢のような取合せの対談だが、内容は期待はずれだった。中沢氏はクリスチャンの家系に生まれたそうだが、自身はチベット仏教の修行・研究をされている。その結果がこの内容というのは、いささか残念だ。

    宮沢賢治の世界観にしても、カムパネルラ男色家説や、賢治の根底は真宗だとか、どうも、それで本当に賢治を理解しているのか?と首をかしげたくなるような内容ばかり。

    思うに氏は、強烈な父性的宗教であるキリスト教信仰の家系に生まれ、実際に父の系譜もクリスチャンであるがゆえの、「父なる」キリスト教に対する反抗心があるのではないか・エディプス・コンプレックス(と本書中にもあるが)、それはご自身ではないか、などと穿った見方を禁じえない。それほどに仏教に対する敬意を感じられなかった。

    また河合氏はユング派の第一人者であったが、やはり仏教は専門外である。

  • 河合隼雄は フトコロが 大きくて 広い感じがする
    不思議な 大人である。
    日本にも こういうヒトがいるのだと思うと
    なぜか ほっとする。

    日本人の心が 江戸時代 明治 昭和初期 戦後
    と大きく変遷しているような気がする。
    何かを失い続け、何かを得ようとしている。

    考えると信じるということが 
    かなり違った脳のシステムの処理がされる。
    考えることは なぜを繰り返すが、
    信じることは なぜがなくなることである。
    信じるとは 思考停止の状態なのかもしれない。

    ヒトの役に立つ ということが
    ニンゲンの生きる道なのかもしれない。
    自分を守り 自分を捨てる 他人を生かす。
    このことは そう簡単ではない。
    簡単ではないから ヒトは 成長するのだろう。

    夢の中から 発見がうまれる。
    湯川秀樹の中間子論、ベンゼン。
    実体のないものが 姿を現すとき。
    ニンゲンは 発見する。

    「見性成仏」は、すなわち、
    自分の奥底に存在する仏心仏性になり切って、
    真実の人間になることです。 

    言葉に頼らず ありのままの自分を見据えること。
    それが 仏 になる道である。

    他力・・・仏や菩薩の力をかりて 悟る。
    自力・・・自分の中にある本来の力で 悟る。
    ところで・・・何を悟るのであろうか?

    卵から孵化するとき、
    内側から こつこつと 殻を破るチカラと
    外側から 親鳥が つんつんと 殻を破るのを手伝う。
    二つのリズムの一体化。
    悟るというのは 自力であり 他力である。

    自力と他力の中間にあるもの。

    夕日をぼんやりと見ながら、
    自力とは 阿弥陀如来の心。
    他力とは 西方極楽浄土。

    キリスト教の自力 浄土真宗の他力。
    その中間点をさがすことに。

    言葉で 表せないもの。
    それは 共有する文化・・・言葉にする必要もない。
    共有するもの意外を 言葉にする。
    言葉とは そのような役割を果たしていた。

    治す 治るの中間点が どこにあるのか?
    イエスは 手を触れるだけで あなたは癒されたという。
    悲しみはどこにあるのか?
    探すが見つからない。そのことで癒される仏教。

    因果関係だけで すべてを表現できない。
    現実は 論理で組み立てられていない。

    宮沢賢治の ビデテリアン大祭 について語りながら
    感情論と理路整然と語る 入り混じっているところに
    宮沢賢治のすごさがあるのではないだろうか?

    宮沢賢治が センチメンタリストではなく、
    ボタンティア精神でもなく、
    母であり 父である 二つの側面を持っている
    母親とは 粘着質があり とらえどころがない。
    自然科学とは 父性である。
    ことを 述べる。
    なるほど

    アメニモマケズは 宮沢賢治であるが
    宮沢賢治らしくない。そんな風に思っていたが。
    宮沢賢治の持つ 『矛盾に耐える力』に 
    魅力を感じているようだ。

    ベジタリアンであり 独身主義 そして 女子への憧れ。
    抑制力 寛容力 そして 生命力
    それが 童話に 終結 する。
    宮沢賢治は ふしぎな チカラ を持っている。

  • 中沢新一は、本当に頭がいい。河合先生を圧倒してます。あの時代にチベットとは変わってます。

  • 箱庭の具体写真が載っている。具体的に出来たものを見た事は今までなかったように思うので、貴重。
    宮沢賢治についてもかなりのページが使われている。

  • 仏教観変わる。

  • 一番面白かったのは本書でさらっと触れられていたチベット仏教の修行法。仕事でもスポーツでもイメージの利用の有効性については散々語られているけれども、イメージの強め方と利用の仕方はおそらく宗教を参考にするのが一番良い。これからの研究課題。

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