エイジ (朝日文庫 し 25-1)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 83
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  • Amazon.co.jp ・本 (409ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022642745

感想・レビュー・書評

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  • 初めて、重松清さんの本を読みました。単純に良いとか、悪いではなく、良いも悪いも含めた、中学生の心理を上手く描写していると感じました。
    悪い世の中であっても、それが今の世の中。では、その中で、どう生きていくのか。心の深い部分に問いかける内容だと思います。

  • 中学のときに初めて読んで、その時は少年たちの爆発しそうな気持ちに、わりと共感できた気がします。しかし今年、15年ぶりに読み返してみると、子供の無邪気、、、無神経?で恐れ知らずな思考回路や行動に少し怖さを感じました。笑 エイジが爆発しそうな心を「好きで埋めていく」という表現がとても素敵だと思いました。

  • 重松作品で一番好き。よくもまぁ、中2の少年の気持ちをここまでリアルに書き上げたものだ。初読みは30歳くらいのときだったけど、いろんな場面で胸がざわついた。

  • 中学生のことばにできない気持ちを上手にことばで表現している。大人なのに子供の気持ちを描ける著者はすごい人だと思う。

  • さわやかな感じの現代青春小説です。
    この小説の中には色々なことが描かれています。通り魔犯人に対し「中学生」と一括りに見なす世間に対する主人公達の反発。平和な家庭にありながら、どこか鬱積した苛立ち。格好良さへの憧れ。苛め。そして初恋。
    多くの中学生達が多彩な個性を持って描かれ見事です。苛めや少年犯罪を扱いつつも、決してセンセーショナルではなく、「等身大」そんな言葉が頭に浮かびます。
    重松さんの小説は時に残酷なまでに救いが無い作品と、妙に晴れ晴れと爽やかな作品がありますが、この作品は後者の方です。それも出来の良いほうの作品だと思います。

  • ツカちゃんいいこだなあ。誤解されやすいのがもったいないけど、
    でも、悪い方じゃなくて良い方に大人になっていけたら
    (本人だけなら大丈夫だろうけれど、巻き込まれることはたくさんあるはず)と
    願わずにはいられない。

    心配でたまらないのに怒ってしまう。ところとかね。
    カラマワリ(そして本人もわかっているというのに)

    すぐ側で起こっているような感覚になる
    説教くさくなく、現実にある物語だなあと思いました。

  • キレる14歳、が流行語のように使われていたのは
    どのくらい前のことだろう?

    フツーの中学生エイジのクラスメイトが
    通り魔事件の犯人だった…

    この事件を中心とした
    中学生の心模様を描く作品。

    傍観者を装う者、被害者に肩入れする者
    そして、加害者に感情移入する者
    誰もがどの立場にもなりうるから
    大人になろうとするこの子らが
    そうやっていろいろ考えることは
    非常に尊いことだ。

    加害者少年は特別な子では無く
    自分もそうなるのだろうか?と
    キレるということについて
    子どもなりに掘り下げるエイジや

    普段は不良ぶっておちゃらけてるのに
    お母さん思いで
    理不尽な痛みを受ける被害者に対して怒りを抑えられないツカちゃん

    どっちにもキレる感情はあり
    それはしょーもない些細なことのようで
    爆発的な衝動であって
    誰もが持っている/持っていたものなんだ。

    部活で孤立する岡野くんや
    好意を寄せる女子相澤さんや
    そういった青春風景と
    少年犯罪とが同居する

  • この小説が書かれた頃は、少年犯罪がメディアで取り上げられた時期だったかもしれません。罪を犯す少年は、ちょっとしたきっかけで、必ずしも特殊な背景ではないということが言いたかったのでしょうか。
    主人公の少年は、愛にあふれた家庭に育つふつうの中学生。同級生が連続通り魔となり世間をにぎわし、自分も恵まれた順調な生活を乱して反抗してみたくなる…というストーリー。
    中学生が読むと深く共感できるかもしれません。大人の私にはあまり響いてくるものがありませんでした。少年時代が遠すぎるというのではなく、あまりに日常的過ぎるのと、作者が「話題のテーマ」に乗った感が否めず。重松ファンの方、すみません。私はやはり彼の小説とはあまり波長が合わないみたいです。

  • 中盤すごくリアリティがありすぎて、少し気分が悪くなるような、、、読むのがやめられないというより、どう終わるのかが気になるから読んだ。そんな作品。

  • 1999年に刊行された単行本の文庫化。
    主人公の少年視点で進むものの、重松さんの他の小説よりも読みにくく感じた。なぜだろう。

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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