椿山課長の七日間 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞社
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022643520

感想・レビュー・書評

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  • 最近大好きな浅田次郎さんの一冊。
    しばらく前に、ドラマ化されていたような・・・。

    というわけで、西田俊之さんが頭にちらつきつつ、読書スタート。

    はあ・・・・・・。
    自分やっぱり、「ユーモアミステリ」的な小説は苦手なようで。。
    (公私ともに忙しい時期だったからというう点を考慮してもなお)読み始めから読了まで3週間近くかかってしまったという、史上最大に読み進むのが遅くなった作品。

    死後の世界をお役所に例えた設定のコミカルさはいいとして、ステレオタイプな極道どものあれこれについていけず・・・何度、「もういいかな、この本」と投げ出してしまいそうになったことか。




    でもまあ、そこはまあ、最後まで通して読むとなると、やっぱり浅田次郎だぁね。「ほろり」ポイントがいくつかと、「ぽろり」ポイントもしっかり用意されていて。

    ★3つ、7ポイント。
    2019.06.21.新。

    ※なんかいろいろぼろくそ書いてしまったけれど、トータルすると嫌いじゃない話。ドラマ?映画?・・・映像版も観てみたくなった。

    ※ラストシーンが、五郎(人違い殺人を犯したド三下元ヤクザ)の目線だったというのだけは、いまいち納得いかない。

  • 家族の絆をこんなにも上手く描けるのは、やっぱり浅田次郎をおいて他にいないと思う。

    胸を熱くしながら、涙ぐみながら読んでいたらあっという間に読み終えてしまった。
    全く違う人生を送ってきた3人の、現世での繋がりも面白かった。

    個人的には、椿山課長のお父さんと息子の陽介、それから佐伯知子がとても好きでした。

    「この世に百の恋愛があるとする。でも、そのうちの九十九は偽物よ。なぜかって、自分のための恋愛だから。私は、百のうちにひとつしかない本物の恋をしていた。それは、すべてを愛する人に捧げつくせる恋愛です。あの人のためなら命もいらない。お金も、誇りも、私自身の恋する心すらいらない。」

  • 椿山課長のおとうさん、
    とにかく素敵すぎる。
    素直にかっこいいと思えた。
    絶対にまねできっこないけど。

    佐伯知子もすき。
    「人間は『ありがとう』を忘れたら
    生きる資格がないんだよ。」

  • 働き盛りの46歳で過労死した椿山氏が、家族に別れを告げるために七日間だけ現世に舞い戻るというお話。やっとの思いで戻った現世では思いもよらない残酷な現実が待ち受けていますが、こんな悲惨な展開をギャグやコミカルなタッチで明るさを失わず、笑って読めてしまうところも好きでした。ラスト、椿山課長のお父さん・・・心温まる感動のシーンでした。

  •  寂しくて仕方がない方にお勧めしたい一冊。お腹を抱えて笑える場面。涙がでる程感動する場面。設定とキャラクターが分かりやすく、あっという間に読める。カラフル(森絵都)に共感された方は、こちらも感動できること間違いなし。

     亡くなった人が、「現世でやり残したことがある。」と強い信念がある場合、審査を受けて、仮の姿で数日だけ現世へ戻れるシステムが存在する物語。

     脇役的な存在の景山五郎に一番心が動いた。両親に先立たれ、生涯孤独の人生は過酷で辛いものだった。しかし、天国には愛するお父さんが迎えに来てくれた。例え亡くなった人であっても、自分のことを心から思ってくれている人が必ずいる。そう思えるようになった。

     浅田次郎の作品には、家族から切り離された孤独と寂しさのなかにいる人物がよく登場するらしい。「自分は誰からも愛されてこなかった。」という失意の中、家族の絆を探す旅路があり、人々を救ってくれる。孤独や寂しさに苦しむ事が多い私にとって、著書から救われる思いがあった。

  • 面白れぇー。楽しく読めて、じんわりと涙する。エンターテイメントのツボを押さえた傑作。身を正して生きないといかんなと我が身を振り返った。遅いかもしれないけど。

  • 椿山課長をはじめ、ヤクザの武田、少年の雄くんが、大切な人に会うため、死後もう一度現世に戻る。
    このまま極楽に行っていれば、知らずに済んだだろうに、と思うことも沢山あったけど、大切な人に感謝の気持ちを伝えることができてよかった。死後の世界って怖くないよ。生きているうちにありがとうと伝えようとと思った。

  • 笑いあり涙あり。
    最後はちょろっと泣ける、さすが浅田次郎。

    電車で読んでたら、思わず泣きそうになってしまったのでご注意を。笑

  • 「このまま死ぬわけにはいかない」
    椿山課長の救い難い鈍感さも
    ヤクザの武田さんの男気も
    なんでもわかってるゆういちくんも
    一途な佐伯さんや、おじいちゃんも、
    みんなみんな優しくて愛おしい。

    ホロホロと泣かされました。

  • 前に読んだ事がありますが、再読してみました。浅田次郎のコミカルで泣かせる手法にまんまと今回もはまってしまい泣きました。死んでみて分かる他人の本心。死ぬまで分かってもらえなかった自分の本心。あの世から送られた3人は驚きの展開に、でも最後は泣き顔も晴れる読後感の良い小説です。

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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