シンセミア 1 (朝日文庫 あ 39-1)

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.65
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本棚登録 : 501
感想 : 48
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022643773

作品紹介・あらすじ

20世紀最後の夏、神の町で何が起きたのか?『ニッポニアニッポン』や『グランド・フィナーレ』につらなる"神町クロニクル"の壮大な幕が開く。伊藤整文学賞と毎日出版文化賞をダブル受賞した本作は、デビュー10年にして到達した著者最高の傑作長篇である。文庫オリジナルの神町地図と年表を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 初・阿部和重作品ですが、面白いですね。内容からは、表紙の意味がちょっと不明ですが、これから分かってくるんでしょうか。まだホンの序盤ってことを考えると、最初からここまで求心力があるのは凄いと思います。どこにでもありそうだけど、でもやっぱりちょっといき過ぎた”神町”を舞台に、普通ぽいけど、でもやっぱり度が過ぎた人々が織りなす、ミステリあり、恋愛ありのマルチ視点物語。次々に事件が起こるばかりで、今のところ解決は程遠そうですが、どんな風に展開していくのか、続きが楽しみです。

  • 4へ

  • 町の登場人物のエピソードが長すぎるわっ!

  • 【本の内容】
    <1>
    20世紀最後の夏、神の町で何が起きたのか?

    『ニッポニアニッポン』や『グランド・フィナーレ』につらなる“神町クロニクル”の壮大な幕が開く。

    伊藤整文学賞と毎日出版文化賞をダブル受賞した本作は、デビュー10年にして到達した著者最高の傑作長篇である。

    文庫オリジナルの神町地図と年表を収録。

    <2>
    神の町に“神”は存在しないのか。

    自殺、事故死、行方不明と事件が相次ぎ、放火や地震が住民たちに追い打ちをかける。

    町に流れる不気味な噂、ひそかに張り巡らされる監視網、そして訪れる審判の時とは?

    伊藤整文学賞と毎日出版文化賞をダブル受賞した傑作長篇第2弾。

    <3>
    大型で強い台風8号が神町を直撃した。

    大雨、土砂崩れ、道路冠水、さらに床上浸水へと進み、町の商店街は水没する。

    未會有の洪水のさなかに発覚した忌まわしい事件の真相とは?

    そして荒廃する人の心はいったいどこに向かうのか?

    待望の文庫化第3弾!

    文庫オリジナルの人物相関図と年表と収録。

    <4>
    不穏な事件が相次ぎ、未會有の災害にも見舞われて、神町の夏は悪夢のうちに過ぎようとしていた。

    暴かれる秘密の関係、呼び戻される恐るべき過去…いったい誰が神の怒りに触れたのか?“神町クロニクル”は大団円に向け疾走する。

    著者最高の傑作長篇、ついに全4巻完結。

    [ 目次 ]
    <1>


    <2>


    <3>


    <4>


    [ POP ]
    劇的に滅びるのではなく、誰も気付かないところで少しずつ壊れていく町が描かれる。

    俯瞰的な描写はほとんどないので、読者はさまざまな登場人物たちの目を通して滅び行く町の光景を目にすることになる。

    ビデオ撮影サークル(実態は盗撮サークル)のメンバーたち、ロリコン趣味の警察官、夫を愛さずに結婚した妻……。

    彼らは自らの欲求に従って行動しているだけなのだが、町に組み込まれたどうしようもない歪みに知らず知らずのうちに影響されているようにも見える。

    そして、大きな事件が起きる。もはや何が狂っているのかもわからないまま、人々は目の前のことを懸命に片付けようとする。

    おかしいと気付いても何もできない無力感。

    暗い部分から目を背け、うしろめたい趣味に夢中になる人々。

    どこか他人事のように起きる数々の事件。

    このやるせなさ、絶望感が精緻な描写を通して伝わってくるように思った。

    私たちが今生きているこの国も、いつかこのような滅びを迎えるのだろうか。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 最近短期記憶に自信がないので
    群像劇なだけに登場人物を忘れそう・・・・

  • 巻頭の登場人物の多さに読む前から挫折しかけるが平気。面白い。ぐんぐん読める。

  • 阿部和重再読第五弾。

    神町を舞台にして、はちゃめちゃになっていく話。
    はじめて読んだ時はひたすらに吸い込まれていった記憶があるが、再読してみると、やたら説明的に物語を広げようとしている感じで、けっこう疲れた。やっぱり癖のある作家だよなぁ。

  • 阿部和重はこうでなくちゃなぁ。

  • 購入して、読んだけど、いまいちでした^^;

    続き読んでないからなんともいえんが。

    何がどうなるんだろうという思いはあります。

  • 表紙のイメージと内容の差にびっくり。
    少女がシャボン玉で遊ぶ場面もなければ、そんな光景を連想するような物語でもないような気がするのだけど‥。
    読み進めていくと分かるのだろうか。

    1巻は物語の導入部。
    「神町」で起こった3つの事件の謎と登場人物の関連が紹介されている。
    登場人物の人間関係がようやく飲み込めたかなという感じ。
    これからもっと混沌としていくのではないかと予想(期待)している。

    事件の謎や登場人物それぞれの思惑が淡々と語られるのは読みやすくて良いのだけれど、どうもビデオサークルの面々が出てくるとげんなりしてしまう。
    こういうことしてる人達って実際にいるんだろうなぁ。
    何が楽しいのやら理解出来ない。

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著者プロフィール

1968年生まれ。1994年「アメリカの夜」で群像新人賞を受賞しデビュー。1997年の『インディビジュアル・プロジェクション』で注目を集める。2004年、大作『シンセミア』で第15回伊藤整文学賞、第58回毎日出版文化賞、2005年『グランド・フィナーレ』で第132回芥川賞受賞。『シンセミア』を始めとした「神町」を舞台とする諸作品には設定上の繋がりや仕掛けがあり、「神町サーガ」を形成する構想となっている。その他の著書に『ニッポニアニッポン』『プラスティック・ソウル』『ミステリアスセッティング』『ABC 阿部和重初期作品集』など。

「2011年 『小説家の饒舌 12のトーク・セッション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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