極北クレイマー 上 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 164
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022645975

感想・レビュー・書評

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  • 最初はちょっと合わないかな?と感じたのだが、
    姫宮登場して一気に物語が動いた感じ。

    ここからどうスカッとしてくれるのか楽しみ。

  • このシリーズは初見だったが、他のシリーズにも登場する人物も出てきておりサクサク読み進められた。

    過疎地での医療の状態は共感できる部分もあり、都市部以上に行政との結びつきが複雑に絡んでいる描写は秀逸だった。

    そんな中でも姫宮の行動、言動は大変面白くキャラの強さが際立っていて良かった。
    続きにも期待できる。

  • 財政赤字に苦しむ極北市の市民病院に非常勤外科医として赴任してきた今中は病院の問題の多さに愕然とする。
    対立する院長と事務長、労働意欲の無い職員、不衛生な病室環境、自分なりに改善しようと指摘するがなかなかうまくはいかなかった。
    そんな時、院長が雇い入れた皮膚科の派遣医師姫宮が赴任する。
    なりゆきで関わってしまったので事務長によって案内役にされてしまい、病院内を案内しながら接していくと姫宮は関わった人物から次々に掌握していく。
    強者揃いの駅面々をいとも容易く。。。

    病院が経営難に喘いでいるのはどこでもある事なのかも知れません。
    行政が国民にとってなにが大切かを理解しようとせず、自分の利益のみを重点に置いた政策を行っているからなのだろうと思います。
    この本の中にも病院運営よりも観覧車の維持と雪が積もると動かないリフトのスキー場が大切だと言って憚らない市長。
    こんな市政で選挙によく通るなと思いますが、地方都市の市長の権力は絶大なのでしょう。裏から手を回すなど平気でしそうですしね。
    公職選挙法などあって無いような話ですが。
    結局苦しむのは民である我々なのでしょうね。民あっての国であると言う事を忘れている政治家が多過ぎる気がします。
    医療は仁なり、政治もまた仁なり。

    と、まぁ〜偉そうな事を書きましたが、政治家を志している訳では無いので余計な言葉だったかも知れませんが。
    しかし、家庭も一つの政治の場である事には変わりない。
    自分の立つ場から見直す事が大事なんでしょうね。
    あ〜自分で書きながら耳が痛い。。。

  • ジーンワルツへの序章ということもあり、読んでみた作品。
    海堂尊さんの作品は全てが繋がっていて、人の顔が想像できて面白い。

  • 財政破綻寸前の極北市にある市民病院が舞台。主人公の今中医師は大学病院との違いに戸惑いつつも、中央省庁からハケンされてきた姫宮の影響の流れも受け、病院改革への意欲を持つようになります。数ヶ月前に起きた産婦人科での死亡事例が、この後どの様に扱われるのかが気になります。下巻に続く。

  • 問題山積みな極北市民病院。非常勤として赴任した今中は病院、職員のありさまに愕然。後半、派遣でやってきた姫宮のペースに巻き込まれ院内が少し変化してきて活気付く感じ。院内改善を決意する今中どうなる下巻。今回の姫宮にはイライラしなくて良かった(笑)

  • ハラハラ満載の海堂作品の中では、いやに緩慢な気もするこの作品。
    なぜだろうかと考えて、登場人物たちに速さがないからだと気付く。
    極北市民病院は都心で目まぐるしく揺れ動くスキャンダルには全く関わりのない病院。の、はずだった。
    医療機器や費用が十分とはいえない中で起こった事故が、事件へと姿を変え、やがてはひとつの陰謀へと形を成していく。
    序盤はカタツムリの歩みに中弛みするが、それは布石。こちらを驚かす下巻まで、目をはなしてはいけないのです。

  • この本も奥さんが昔読んでいた本です。
    「ブラックペアン」の流れから海堂尊を読んでみてる訳です。

    ただ、この本の主人公はちょっと情けない所があって(親近感があるとも言うが)、ちょっと感情移入しにくいんだなぁ。
    海堂尊のその他のシリーズは、登場人物が重なってる場合が多いんだけど、この本は他のシリーズとは関連がないみたいです。

    海堂尊の小説は、国の政策(特に厚生省、今でいう厚労省)を批判するような内容が多いんだけど(悪い意味ではなく、問題点を洗い出して改善すべきだと言っている)、今回は「地方創生」「地域再生」政策の失敗例を題材にしてますね。
    私はあまり興味がないのですが。。。
    というか、自治体主体で創生するなんて絶対成功しないと思ってますんで、何を今さらと感じてしまうんです。

    まあ、さくさく下巻に行きます。

  • 赤字経営・やる気なしスタッフで回される極北市民病院。非常勤医師の今中はちょっとずつ病院を立て直そうとするが、そんなときに現れたのが氷姫。救世主のように現れた彼女はスノウエンジェルに格上げ。病院がまともになっていこうとするなかで病院唯一の良心ともいえる三枝部長が窮地に…。「イノセントゲリラ」で淡々と結果だけが語られていた北の案件。話が少しずつ重くなってきたところで下巻へ。

  • 冬の冷たい便器はお年寄りにとっては命取り、とか床ずれ(褥瘡)の話とか、物語の本筋ではない所にいちばん興味を惹かれてしまった。
    何年も前に読んだのに用語を覚えてるんだから、相当私にとって印象的だったんだろうな…

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著者プロフィール

1961年千葉県生まれ。医師、作家。外科医・病理医としての経験を活かした医療現場のリアリティあふれる描写で現実社会に起こっている問題を衝くアクチュアルなフィクション作品を発表し続けている。作家としてのデビュー作『チーム・バチスタの栄光』(宝島社)をはじめ同シリーズは累計1千万部を超え、映像化作品多数。Ai(オートプシー・イメージング=死亡時画像診断)の概念提唱者で関連著作に『死因不明社会2018』(講談社)がある。近刊著に『北里柴三郎 よみがえる天才7』(ちくまプリマー新書) 、『コロナ黙示録』『コロナ狂騒録』(宝島社)、『奏鳴曲 北里と鷗外』(文藝春秋) 。

「2022年 『よみがえる天才8 森鷗外』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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