錯覚 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.22
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本棚登録 : 168
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022646125

作品紹介・あらすじ

結婚直前に事故で失明した菜穂子は、担当医から人工眼の埋め込み手術を提案される。婚約者に見放されることを恐れた彼女は、まだ動物実験の段階だと知りながらも承諾し、光を取り戻した。しかし、ある事件の目撃者になったことから、その未来に暗雲が漂いはじめ…。

感想・レビュー・書評

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  • 障碍を乗り越えてともに歩む岩下と昭島の後姿に心が温まる。ただ、見えないものが &times;<!-- 黒 --> というのはいただけないし、しかも「錯覚」ではない。中途半端に工学知識があると突っ込みたくなって仕方ない。

  • 結婚直前に事故によって失明してしまった西野菜穂子。

    世間に公表しないという条件付きで、最先端の人工眼の臨床モデルになり、移植してわずかに視力が回復したが、手術を担当した医師の転落事故を目撃してしまう。

    警察は事故ということで処理を始めたが、女性刑事・橋本茜は転落の様子に疑問を持ち、やる気のない先輩・室生と捜査を続ける。

    捜査が進展するにつれ、人工眼のことを警察に隠していることを後ろめたく思いつつも、告白することによって視力を再び無くしてしまう恐怖と闘う菜穂子。

    しかし菜穂子が見た転落の記憶に影が差してくる...

    人工眼開発に隠された人間の思惑とは?


    久しぶりの医療ミステリー。

    人工眼によって視力を取り戻した女性の心の動揺を上手く表現していると思います。

    ミステリーとしては、犯人が何となく分かってしまい、最後どんでん返し的なものを期待したのですが。。。

  • 事故。本当に怖いな・・という思いと、誰しも大なり小なり、「自分のせいではないのに、不幸を背負いこんでしまう」事態は経験があり(確かに視覚を失うかどうかといったほどではなくても)それらをどう受け止めて前に進んでいくのか?他人との関係はどう気付いて行くのか?一番苦しいのは自分だとしても、それに接していく周囲の迷いみたいなものをどう受け入れて行くのか?といった問題に迫ったと思える作品で、いろんなことを考えるきっかけをもらった気がした。何かのせいにして不幸に酔うことは優しくても、それを受け止めていくことのむずかしさを感じながら、それらができる人であり、そういう人たちをしっかり見守って行ける人でありたいな・・と思った。

  • 仙川環の医療本は、読者の方が先に気が付くことが多いんじゃないかというストーリー展開だけど、今回はなかなか理由がわかりにくかった。しかし眼下の医療は本来はどこまで進んでいるのだか。さすがにこれはちょっとSF的な設定だと思った。

  • 失明した女性が受ける臨床試験にまつわる殺人事件。女性の絶望と成長も交えながらのサイエンスサスペンス。ハッピーエンドのラストにうるうる。

  • 「錯覚」というタイトルに興味を持って読みましたが、内容は・・・普通でしたね。淡々と進むストーリは読後に特に余韻が残るような感じはなかったです。

  • 強くなった菜穂子さん素敵。
    揺らぐ気持ちもわかるけどそれを見せられた時点で
    冷めそうなのが私の敗因かと;

  • 著者らしい医療に絡んだ物語です。
    それにしても人工眼は現実味が薄すぎて行き過ぎた感じがした。

  • ハッピーエンドがうれしいライトミステリー

     人工義眼をトリックに用いた物語。人物、特に女性のイメージが平坦で、モノトーンのお芝居って感が先行するが、これも失明もしくは弱視のヒロインだから、演出と言えなくもない(ぜったいに違うと思うけど)。

     さくっと一気読みできるリズム感とヒロインの喜びで終るから、後味がいいな。

  • サクッと読めました。ミステリとしての内容より、主人公の立ち直り過程が読ませました。諦めなければならないことを諦める勇気、だったかな?重い言葉だなと…

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著者プロフィール

せんかわ・たまき
1968年東京都生まれ。大阪大学大学院医学系研究科修士課程修了。大手新聞社在籍中の2002年に書いた小説『感染』が第1回小学館文庫小説賞を受賞し、作家デビュー。その後執筆活動に専念し、医療問題を中心に社会性と娯楽性を兼ね備えた作品を発表する。著書には『転生』『繁殖』『誤飲』『疑医』『鬼嵐』などがある。本作は『幸福の劇薬』に続く「医者探偵・宇賀神晃」シリーズ第二弾!

「2020年 『偽装診療 医者探偵・宇賀神晃』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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