新装版 宮本武蔵 (朝日文庫)

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著者 : 司馬遼太郎
  • 朝日新聞出版 (2011年10月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022646255

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新装版 宮本武蔵 (朝日文庫)の感想・レビュー・書評

  • 何となく冷めてて上から目線

  • 司馬遼太郎の書いた宮本武蔵。読み終わるのがもったいなくて、終わりに近づくほど、ゆっくり、じっくりと読んだ。
    宮本武蔵の小説といえば、武蔵のイメージを決定づけた吉川英治の『宮本武蔵』が有名。とても面白い小説だけれど、巻数が多いので「よし!読むぞ!」という気合いが少しだけ必要。
    こちらはたった1冊で「ちょこっと読んでみようかな~」という程度のお手軽さで、武蔵を楽しむことができます。
    武蔵の書いた五輪書の言葉が、随所に出てきて「なるほど、五輪書のあの言葉は、こういうい場面で生きるのか」というのが分かります。五輪書を読んだことのある人になら、とても面白く読めると思う。
    武者修行の旅は、仕事を得るための活動。名をあげて召抱えてもらう、名をあげて門人を増やすための活動。
    武蔵が兵法の腕を磨き、差別化をはかり、自分らしさを深めていくようすは、現代のぼくらが、これと決めた道で身を立てようとするときの刺激になる。

  • 播州に生まれ京都で兄と弟伝七郎を破り追っ手も排除して奈良の柳生石舟斎に会い、槍には小太刀で対応し、鎖鎌には初見で二刀で対応する柔軟性。棒術の使い手も撃破。巌流島も勝負の前に戦略を練り、それを現場で実践する。彫刻や絵画、文章にも造詣が深い。思想的には禅を取り入れ、話も面白い。

  • 司馬遼太郎が宮本武蔵のことを書いているとは、この本を手にするまで想像だにしていなかった。
    世の中には既に「吉川英治の武蔵」が古典的な位置づけにあるなかで、どういう武蔵を描くのかという興味で読み始めた。
    内容は小説でもなく、ノンフィクションでもなく、両者を併せ持った書き方になっている。

    冒頭からして「武蔵は天才だが、しかし天才が往々にしてもっているいやらしさがある」と、著者は武蔵を少し突き放した形で描いていく。

    吉岡清十郎、弟の伝七郎を破った武蔵が、吉岡一門と「一乗寺下り松」での決闘に勝利したことが武蔵の生涯と後世への名誉を決定した。
    ここで著者は「名流ハ勝負ヲキソワズ」というのが鉄則だという。武蔵でさえ30歳以後は勝負を避けた。営々築き上げた権威が一朝でほろびる。吉岡家は、兵法以前の政治において敗れたと、突き放している。

    試合は、おのれの実力より低く評価した相手とせねばならない。武蔵の頃の兵法者は全てそうであり、兵法感覚の初動は相手への「ねぶみ」であり、もし値踏んでなおかつ負けたときは自分の評価力の不足だと言い切る・・・まあ~ロマンがないが、冷徹な事実だと思う。

    織田信長、豊臣秀吉という百戦の経験者は、兵法という新興の技術が戦場の役に立つものだとは頭から思っていない。戦争を左右するものは指揮者の指揮能力であり、刀を振り回す技術者はどうであろうと、怜悧な見方を披露している。

    武蔵の不幸は兵法・戦いにおいては天才的な考え方をした彼が、世の中に於いて、他人が自分をどのように評価してくれるのか・・・武蔵は3000石での直参を望んでいた・・・を読み違えたことがひしひしと伝わってくる。

    会社の人事考課の季節を思い出す。やはり書いた本人と上司の評価のギャップがあるんです。

  • うかつにも、司馬遼太郎が『新説宮本武蔵』以外に武蔵もの、しかも長編を書いていることを知らなかった。小次郎は負けるべくして負けたのだな、と納得させられる。

  • 薄い文庫本1冊に宮本武蔵の剣の道がまとめられています。
    吉川英治の宮本武蔵の方が有名ですね。未読ですが、かなり印象が違うようです。登場人物もおつうとか出てきません。
    でも実際の武蔵は実はこちらの人物像に近いのでは・・など思わせるものもあります。
    特に、武蔵の概略をささっと知りたい方にお勧めです。

  • 想像していたよりも読みやすかった。宮本武蔵についての知識がほぼ無かったこともあり、少年漫画を読んでいるような感覚を味わうことができた。
    武蔵の兵法は哲学的と言われただけあって、彼の言葉や考え方は深く、「とても強い人」というイメージしか持っていなかった私には意外なことだった。
    2014/2/27

  • これもまた司馬遼太郎の中の武蔵がめちゃくちゃ活き活きとしていて、武蔵はこういう人だったのかと思い込んでしまう。相手によって勝つ方法を考えぬいて、「これぞ宮本流」というよりは、相手に合わせてちゃんと勝つというのは、人によっては批判もされるやり方かもしれないけれど、自分の生き方にとりいれたいなと思った。

  • 宮本武蔵を客観的にとらえた読み物。小説というよりも司馬観により考察された本です。吉川英治読後の方がよいかも。

  • 司馬遼太郎が描く剣豪宮本武蔵。
    出だしで著者曰く、「武蔵は天才だが、しかし天才が往々にしてもっているいやらしさがある」。
    兵法者として成功した武蔵は、晩年、出世欲に憑かれるという描写がありますが、著者の書き方なのか、とても乾いた印象を受けました。
    武蔵は自らが築き上げた地位を禄で表そうとしますが、法外な禄を要求したため、希望する幕臣になかなか就けない。
    また、武蔵の兵法体系である円明流(二刀流)には欠陥があったため、後世には継がれることが無かったと言います。
    全体的に、冷めた視線が印象に残る作品でした。

  • 宮本武蔵に関しては、吉川英治のイメージが強く存在している—という前提の下に、司馬遼太郎が書き下ろした異なる宮本武蔵像。


    戦国末期に出世することを追い求め、兵法による剣術を若くして完成させた天才が、どうして佐佐木小次郎と対決し、その後には仕合をすることがなかったのか。


    人間臭く、権勢欲の強かった新しい宮本武蔵の姿がここにはあり、ライバルと言われる佐佐木小次郎との対決すらも政治的駆け引きの道具として利用するしたたかさを兼ね備えた軍法家として、その生き様は儚くもある。

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