- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022647474
作品紹介・あらすじ
【文学/日本文学小説】死者と生者が語り合う「降霊会」。男が呼び出してしまったのは、記憶から消したはずの「招かれざる客たち」だった……。至高の恋愛小説であり、一級の戦争文学であり、極めつきの現代怪異譚。浅田文学の真骨頂がここにある!
感想・レビュー・書評
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降霊会に参加した「私」。過去、悔いやわだかまりを残して死んでしまった人物の霊達と再会し、当時のそれぞれの記憶を辿って心の澱を薄めていく。舞台は1960年代、戦後復興期の地下鉄工事現場の喧騒、高度経済成長期、学園紛争の真っ最中のモラトリアムな学生生活など、セピア色の写真を見ているような ノスタルジックな描写が印象に残る。
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せつなく、胸に来るが
最後はなんだかいただけない
と思った -
浅田節でぐいぐい読ませられたけど、最終的には?で終わったかな。
友だちが怖いよー、とおすすめしてくれたけど、怖さは感じず。
戦後から高度成長期の雰囲気を感じて勉強にはなった。
導入の夢部分の、恨みをかって生きてきたという前振りにしては、そこまでとてつもない恨みではなかったような。
反対に、誰にでも心当たりがありそうなことでもあり、我が身と思えば、他人にとっては些細なことも大きな悔恨や隠したい過去として確かにあるな…と思う。
ごめんもさよならも言わない主人公は冷たく感じるけど、なぜあえてそうしたんだろうか…? -
キヨの部じぶ分を読み終わって、自分とは合わないので半分で読むのやめました。
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不思議な気持ちにさせられる一冊。だが、特に印象深くはなかった。
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この本はまた読んでみたい。将来読んだ時に自分がどのような思いを抱くのか。
今は、キヨの父親の、他人から恵んでもらうならば悪事をした方がマシだという日本人の恥に対する価値観。自分の気持ちを押し殺しても相手の気持ちを優先する梶の価値観。かつて日本人がもっていた道徳だが、その道徳は人によって強弱が必要なのかもしれない。百合子のような強く育った人と温室で育った人間には温度差の違う道徳が必要かも。浅田次郎は主人公に、道徳が無なっている現代の日本人を表しているのかも。
結局、人生に何のドラマもなく、気付いたら孤独に佇んでいる現代人。