三国志姜維伝 諸葛孔明の遺志を継ぐ者 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022647610

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学小説】魏・呉・蜀、三国が並ぶ中華動乱の時代。天才軍師・諸葛孔明に見いだされ、その才能を受け継ぐといわれた武将、姜維(きょうい)。強大な敵軍が迫る中で、師への思いと祖国を守るために、姜維は戦い続ける。三国志の最後を飾る名将の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 全1巻

  • 姜維って三国志の武将ですが、
    あまり話に登場しませんよね。

    だいたいネットが普及する前に知る事ができた
    情報と言えば下のような微々たるものだった。

    姜維 伯約

    蜀の将・大将軍
    雍州出身
    諸葛孔明の後継者

    孔明亡き後の蜀軍総司令。
    費禕が生きてる間は1万の兵しか与えられず、
    北伐を起こすも成果は全く上がらなかった。
    費禕の死後は度々北伐を敢行するが成功せず、
    蜀の国力疲弊を加速させた。

    魏の蜀侵攻に際しては、
    剣閣に寄り徹底抗戦で鍾会の本隊をくいとめる。
    しかし道無き道を踏破した、
    鄧艾率いる別働隊に成都を堕とされ、
    後主・劉禅が無条件降伏したため鍾会に投降。
    蜀の再興を目論む姜維は、
    鍾会をそそのかし謀叛を起こさせる。
    しかし鍾会に同調する者がなく失敗。
    鍾会と共に殺された。

    孔明は政治家で、姜維は策謀家。
    根本的に違いすぎる。
    孔明の弟子と強調されてるが違和感しかない。

  • 自分の中での姜維の評価が著しく下がった一冊。(^^;
    なんか、融通が利かない上に身勝手なだけで国を滅ぼした人っていう描かれ方なんだけれど、そういう印象を受けるのは作者の意図通りなんでしょうかね?
    作者オリジナルのキャラクターは好印象なだけに、特にエンディングのあたりなんかもちぐはぐな感じでした。

  • いつも宮城谷先生の本を読んでいるのですが、比べると少し物足りない感じが否めません。

    時間の進みが早くて、あっという間に10年。その間に何があったのか、全くといっていいほど無いんですよね…。
    もちろん史実を重視するなら仕方のない面もあるとは思うのですが、小説として読んでいるのでもう少し物語が欲しかったです。

  • 少し物足りない。マニアックな話を期待してたのに。

  • 蜀将そして孔明の遺志を継ぐ者として進み続ける姜維の姿は、実に愚直なまでに真っ直ぐで曇りが無いと感じます。諸葛瞻に否定された場面それから再び立ち上がる姿や、トウ艾へ向けた問い掛けはまさに彼を現しているのではないか、と。
    それとはまた違い、陳蓮や羌族の双子へ向ける顔は一人の人間としての彼の姿であったと思われます。陳蓮の最期への想い、時折見せた双子の将来への気遣いなどなど。
    トウ艾や鍾会も様々な姿を見せてくれました。特にトウ艾の苦労して掴みとったチャンスや親としての顔が魅力的です。

  • 史実感はほぼない。そこが好きか嫌いかの好みの問題だが、自分が好きな歴史小説は史実感がある方なのでこの評価。

  • 姜維の半生、諸葛孔明によって共に慈しまれた蜀漢への忠誠の年譜を、逞しい空想力で描いた。ライバルの?艾、鍾会との対決を、この小説によって目に浮かべることができるのが楽しい。
    もっとも、全体のタッチは、少し弱々しい北方『三国志』のようだ。姜維は真面目だが剛直さに欠ける描像となっている。

  • 正史に基づいた、諸葛亮亡き後の三国志。諸葛亮が後継に指名した、蒋苑、費偉、飄々として磊落な夏侯覇、老骨に鞭打って真相を見抜こうとする張嶷。魅力的な人物群も読み応えあり。姜維については、軍事的な才能はあったが、政治闘争、内政についてはくらく、国力を鑑みず、国力を傾ける遠征を繰り返し、成果もあげられず、ただ、諸葛亮の志を受け継いで果たすことのみを考え、果たせず、蜀漢ごと滅んで行ったかのように描かれる。/魏延「その命令にしたがっていたから、これまで勝てなかった。丞相亡きいま、おれたちは自分で考えて判断すべきだ」/趙雲「戦うべきか戦わざるべきか、いかに戦うべきか、広い視野でそれを判断できるようになれ。これからは、そういう者が必要だ」/諸葛瞻「北伐はもう時代遅れです。今後は、蜀の地を守りながら、国を豊かにするよう努力していきましょう//もはや大切な人も、大切な場所もない、蜀漢という国。軟弱な皇帝と、それをたぶらかす奸佞の輩と、物の分からぬ廷臣たちがいる国。その国をなぜ守らねばならないのか。死者との思い出に浸るだけなら、国はなくてもいい。考えて、最後に残ったのは、やはり志だった。姜維にとって、志を捨てることは、自分の人生を否定することである。(p.219)/胡烈「?乂にしろ鐘会にしろ、頭のいいやつは何でまた、多くを望むのかねえ」

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著者プロフィール

小前亮/1976年、島根県生まれ。東京大学大学院修了。専攻は中央アジア・イスラーム史。2005年に歴史小説『李世民』(講談社)でデビュー。著作に『賢帝と逆臣と 小説・三藩の乱』『劉裕 豪剣の皇帝』(講談社)、『蒼き狼の血脈』(文藝春秋)、『平家物語』『西郷隆盛』『星の旅人 伊能忠敬と伝説の怪魚』『渋沢栄一伝 日本の未来を変えた男』「真田十勇士」シリーズ(小峰書店)、「三国志」シリーズ(理論社 / 静山社ペガサス文庫)などがある。

「2023年 『三国志 5 赤壁の戦い』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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