- Amazon.co.jp ・本 (584ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022648051
感想・レビュー・書評
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誰にでも起こりえる悲劇。そして心優しい人の方が深い傷を負ってしまう。
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最後まで重い話だった。
いじめられていた生徒が死んだ時
どのような状況になるのか。
子供とその親の視点がメインで
丁寧に書かれていてそれが逆にリアルな感じで…。
「子供っていうのは残虐性が誰しもあって、長じるにつれ、徐々に消えていくものじゃないか」
すごい印象に残った言葉だった。
中学生はまだ発展途上。
だからいじめによる善悪の重さを
しっかりと把握することは難しい。
大人になるにつれて分かってくる。
だからいじめという問題を無くすとなれば、
いかに「残虐性」を無くしていくか
という本質的なところも視野に入れる
必要もあるのかなと感じた。
終わり方はスッキリとした感じではなかったが、
個人的にはこういう終わり方でも悪くないな。 -
この作品は、何度か手にとり、また今度にしよう…としていて、やっと読みました。なぜ躊躇っていたのかというと、“いじめ”のワードが辛そうだったから。
なんといっても痛ましいのは、亡くなった少年であり、子を失った親である。
しかし、加害者とされる子供たちの親の心情も、子を持つ身としては分かる。『親は誰しも自分の子供が一番可愛いのだ』
この「沈黙の町で」という題名から、地方都市の体質とか、そういう問題が絡んでいくのかな?と思いきや…大人達は、多少の利害関係や対処について食い違いがあれど、しごく真っ当です。
それよりも《中学生》という、とても半端な時期、子供と大人の間であり、異性を意識し始めたり、集団での自分の立ち位置を強く意識したり、空気を読むことを考えたり、、、。そして、大人には、親であっても、ましてや警察に正直に話すわけもなく、嘘をつく。
『ひどいいじめは、中学生が一番だ。高校生になると手加減するし、同情心もわく』『中学生の三年間は、人生で一番のサバイバル期だな』
そういう面もあるかも…と思う。集団って…残酷で怖い。
いずれにせよ…亡くなった子の母親の言葉が胸を打つ。
『人間って命があれば、いくらでも取り返しがつくものなのね。でも、死んじゃうと本当に取り返しがつかないの。』
先が気になり、グイグイ読んでしまい、ラストは読み手には真相がわかるけれど…なんとも、やるせない気持ちで読み終えました。 -
北関東のある町で、中学二年生の名倉祐一が転落死した。事故か、自殺か、それとも…?やがて祐一が同級生からいじめを受けていたことが明らかになり、家族、学校、警察を巻き込んださざ波が町を包む…。地方都市の精神風土に迫る衝撃の問題作。
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読み応えありの一冊です。
イジメがテーマなだけに読んでいる間中、不快な気分になりますが内容はノンフィクションかと思えるくらいリアリティに溢れています。
とにかく登場人物の描写が丁寧で素晴らしいです。
グループ内の子供達はもちろん、それを囲む親達、先生、検事、弁護士 それぞれの顔が浮かんで来るくらいの人物描写でした。
イジメの被害者、加害者とは簡単に言えないくらいの背景で色々な事を考えさせられます。
読後感は決して良くはないけれど一気に読めた作品でした。 -
いじめを受けていた中学生が転落死という、センシティブなテーマを学校、親、同級生など関係する様々な人の気持ちから描いた。いじめられる子にはそうなる理由もあると思ったりもした。身近にはこのような状況にはないが、色々と考えさせるストーリー展開だったのは作者の素晴らしい構成力によるものだろう。
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とある中学校で生徒が転落し死亡した。事故なのか事件なのか、子供達を聴取していく中でいじめがあった事がわかる。友達を庇ったり、友達を裏切ったり、経験が浅いことからくる浅はかな考え。中学生とは一番不安定な時期なんだということがよくわかる。名倉君のひとりごとは何だったのか、最後にもやもやした気持ちが残った。
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★★★★
今月10冊目
奥田英朗、この人はどんだけ作品の引き出しあるんだろ。
イジメから死んだ少年の実際を暴いていく。
おもろい