- Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022731043
作品紹介・あらすじ
なぜ、日本のみならず世界中の読者が、村上春樹に魅了されるのか?著者は1995年に起こったオウム事件と阪神大震災を描いた作品に注目しながら、初期作品から最新長篇『アフターダーク』まで主要作品の小説論を展開。わかりやすく読みやすい村上春樹論の決定版。
感想・レビュー・書評
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村上春樹はくせになる。タイトルどおり。
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2012.10記。
数ある村上春樹論の中でも説得力に富む一冊。
中編、長編を作品ごとに(必ずしも時系列にとらわれず)論じていく構成だが、個人的には作品としての好みでは上位に入らない「スプートニクの恋人」や「国境の南、太陽の西」、「アフターダーク」などを巡る論考が興味深かった。
特に、「ダンス・ダンス・ダンス」について、村上春樹の作家としての「迷い」が作品に投影されている、との考察、例えば「作者が超自然的なしるしを降臨させるのを手をこまねいて待つあいだ、、、(中略)埋め草の時間を「僕」と読者が浪費させられるあいだ、間違いなく作者も出口を探して困憊している」との指摘などは(そしてそれこそがこの作品の最大の魅力だ、との主張には)納得する人も多いのではないか。 -
新書
評論 -
積読消化。ちょっと昔に書かれた村上春樹解説本。個人的には過去の作品を復習することができて良かった。内容的には各作品の解説や作品が鏡であることが書かれている。ノルウェイの森や力と時間がいるけど、世界の終わりを再読したくなった。
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面白かった。進化(変化?)する村上春樹。
1.一貫性がある
2.不思議な浸透力がある
3.変化と多様性がある
のが、村上春樹の三大特長、だそうである。 -
筆者が指摘するように村上春樹の作品は「闇の力」がどんどん入り組んで難解になってきている。ユングに触れていたが、一度調べて見たい。13.4.6
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この本を読んでもびっくりするくらい「くせに」ならない。半分読んで投げてしまった。
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2012/02/02読了
『海辺のカフカ』『アフターダーク』の頃までの村上春樹の描く作品の特徴、世界観を考察した一冊。
二つの世界、善悪、陰陽、二面性の描く意義とは
また、恐らく春樹の作品に強い影響を与えたオウムによる事件から、どのような変化が見られるか、などいった、著者による主体的な考察が非常に分かりやすくまとまっている。
日本文学特殊講義対策
とはいえ、この本の内容のことはあらかた知っていた。
著者の主観による意見意外はそうであったのだが、なるほど『国境の南、太陽の西』の読了後の感想の変化は私にも共感できるところがあり、納得。読み方の研究にもなったかも。
村上春樹の世界観を整理する本。 -
まあ、そんなものかなという印象。