映画365本 DVDで世界を読む (朝日新書) (朝日新書 176)
- 朝日新聞出版 (2009年5月13日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022732767
作品紹介・あらすじ
世界を知る、トレンドを見る未来を読む-映画は最高の教科書だ!政治、経済、メディア、宗教、人種、科学、国際関係から哲学・思想に至るまで、ハリウッド映画を題材に、ラジカルに変化する21世紀を見定める教養エッセイ。
感想・レビュー・書評
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TSUTAYA Online 連載に加筆して書籍化された本書では、タイトルの365本ではなく50本がメインに紹介されており、さらにその中にはかなりB級映画も含まれています。
B級映画が悪いという意味ではなく、冒頭に「映画から何かを学ぶ」ために見るという趣旨からも、ホラーものやパニックものが結構入っているのに驚きました。
映画解説としても過不足なくうまくまとめられておりますが、やはり映画の嗜好は人それぞれという感を強く持ちました。
それは最後の、オールタイムベスト50作品に選ばれている作品が、1967年のものが2本、70年代のもが13本、80年代が10本、90年代が11本、2000年代が12本(2009年の本ですので、2008年作が最新です)と60年代の名作たちや日本映画は1本も入っていないということからもうかがえます。
とはいえ、彼の解説を読んで、見たくなった映画もありました。
「ブルベイカー」「大いなる陰謀」「パヒューム」「ライフオブデビッドゲイル」「ジャガーノート」「キングオブコメディ」「ランページ裁かれた狂気」「ガタカ」「Jの悲劇」の9本です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
宮崎哲弥が同じ朝日新書から出した『新書365冊』は、じつに素晴らしい書評集であった。
本書は、その映画編という趣。TSUTAYAのサイトに連載されていたという、宮崎流映画DVDガイドの新書化である。
「DVDで世界を読む」との副題のとおり、映画を映画として純粋に楽しむのではなく、何かを学ぶために映画を観るためのガイドになっている。各章は政治・メディア・法と秩序・文化と歴史・生と死・宗教と思想などというテーマに分けられ、そのテーマに沿った内容の映画が紹介される。
いかにも宮崎哲弥らしい趣向だが、残念ながら、『新書365冊』に比べると読みごたえが一段も二段も落ちる。企画意図どおりにビシッと決まった回もあるものの、たんなるあらすじ紹介、作品情報紹介に終わっている回も少なくないのだ。
映画のあらすじや作品情報なんて、ネットの中にいくらでも転がっているのであって、誰もそんなことを宮崎哲弥に求めてはいないのである。
難しい熟語を頻出させる宮崎の悪癖は本書では払拭されていて、いつもの宮崎本よりもかなり読みやすい。そこは美点なのだが……。 -
ちょっと変わった、読みやすい映画評論
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「新書365冊」に比べたら冴えない。
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見たい映画のページを折ってたらすげえ分厚くなっちゃった
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普通の名作紹介とは違う作品が紹介されていて、切り口も面白かった。
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この本を読んで見たくなった映画が100本以上。
なんで1日は24時間なんだろう。
【熊本学園大学:P.N.モルト好き】 -
まっとうに評価されないハリウッド映画の評価されるべき価値を探してみるという試み、評価したいです。
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↓貸出状況確認はこちら↓
https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00158626 -
「映画365本」というタイトルだけど、紹介されている映画は400本以上。「政治」「メディア」「法と秩序」「文化と歴史」「生と死」「宗教と思想」「倫理と社会」そして「特別編オールタイムベスト50」とに章だてられており、単純に映画の面白さを語るというのではなく、「ためになるから観る」という考えものと、何の「ためになる」かという解説が主になる。結果的に「ためになる」のはよくあるとして、「ためになるから観る」というのは芸術鑑賞としてあまりにも邪道。しかし、わかっててやっているのだからそれもありか。
それにしてもすごい蘊蓄。本も一日に数冊読むらしいし、音楽も詳しいし、いつ寝ているのかしら。 -
この著者は、かなり細かい所まで注意して映画を観ています。
自称シネフィル(映画通、映画愛好家)ではないとのことだけど、だけ色々薀蓄を語れるのであれば、十分にシネフィルだと思います。 -
ハリウッド映画の紹介本であるが、娯楽性や芸術性の観点から作品を評価するというのではなく、作品を通じて米国社会のこんなところが学べるという観点で紹介をしているところが面白い。このように、実用性という観点ばかりで映画を観るのはどうかとも思えるが、普段観ようとしなかった作品も手にしてみるよい機会になるだろう。