- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022732996
作品紹介・あらすじ
「泥沼」「確執」「骨肉の争い」京都の老舗ブランドで何が起こったのか。一度はすべてを失ったかに見えた経営者夫妻。彼らがスタッフと一丸となって新ブランドを立ち上げるまでを綿密な取材でまとめたノンフィクション。手間ひまを惜しまずに作られる「信三郎帆布」の全てを紹介。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
一連の騒動が一件落着し、今までの顛末がまとめられているのだけれど、先代の話も面白かった。
-
20170808読了
2009年出版。老舗が相続でもめているというのはリアルタイムでうっすら耳にした。その顛末がまさか本にまとめられているとは。●顛末をおおまかに記すと、三男が家業を継いで父親と共に経営してきたが、父親の死を機に、家業のことを何も知らない長男が遺言書を捏造して三男を追い出し家業を乗っ取ろうとした。三男は裁判で敗訴し、長男の思惑が成功したかに見えたが、三男はさまざまな人の助けを得て家業を続け、裁判でも逆転勝訴した。●まっとうに家業を続けてきた人が報われる形で終わってよかった。家業に取り組む姿勢を知っているまわりの人たちがそれぞれの形で手を貸してこの局面を乗り越えていったことがよくわかった。●裁判官は真相を見極めてくれるとも限らない。筆跡鑑定のレベルの低さ。 -
かなり前の話になるが、一時期、東京の街中で『京都市東山知恩院前上ル 一澤帆布製』というタグがついたバッグを持った人をよく見かけた。私が気付くくらいだから相当流行っていたのだろうし、私の目に留まるくらい目を引くものだったのだろう。布製のバッグが欲しいなと思った時に思い出して探してみたのだが、『信三郎帆布』というタグのものも出回っていて「いろいろあるのかー?よくわからんな~。」と思って買わずじまいになってしまった。有名だったらしいお家騒動も有りがちなことかと思いあまり興味がなく今日まできてしまった。興味がない、というのは全く恐ろしいことである・・・。ひょんなきっかけで目にしたこの本で、ああ、あのバッグ!と思いだし、今回は興味を惹かれて読んでみた。ひえ~、こんなことになっていたのねと、あまりの理不尽さに腹立ち、京都の人たちの懐の深さ、情の厚さ、その粋に心を打たれる。
とかく正義はどこに?と思わされるような世の中である。信念を貫き、逆境に負けずに戦い続けた人たちに、心からの笑顔が戻って、本当によかった。
京都のお店に、いつか必ず行ってみようと思います♪ -
一澤信三郎のモノ作りへの思いが伝わってくる本。分かりにくい筆跡鑑定、2回にわたる裁判で逆転勝訴したことなどが詳しく分かった。それにしても骨肉の相続争いを公平に記述するのは簡単ではないと思うが、長男と四男側に全く取材していないのが気にかかる。
-
2012/07/08 祖父・喜兵衛さんの話は初見。また鞄見にいこう。
-
有名な一澤帆布について。なんとなく知ってたけど、ニュースではわからない裏側や真実を知ることで、一澤帆布に対する認識が大きく変わった。事件の真相云々も大切かもだけど、それ以上に信三郎さんたちの鞄作りの真撃な姿勢と対面できたことが心に残る。いいものづくりをされているのだな。わたしも目の前の溢れる商品に惑わされることなく、想いの込められている本当にいいものを選んでいきたい。
-
この4月、一澤帆布のお店に戻った。