病気になりやすい「性格」 5万人調査からの報告 (朝日新書 242)

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022733429

作品紹介・あらすじ

性格と、肥満や病気は大いに関係ある。東北大学による5万人大規模調査で、病気になりやすい「性格」がわかった。人生は思いがけないことばかりだが、「人間の運命は、その人柄がつくる」というギリシャ哲人の言葉もあるように、日常生活から生まれるストレスの受け止め方ひとつでも、病気になるかならないかの差がでてくる。ならば、病気にならないための秘訣を教えよう。

感想・レビュー・書評

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  • がんになって、その時の治療に対する「前向きさ」が結果に影響しないという事実を知ったことが一番の収穫か。ともすれば、「気を強く持って」などの励ましを送りがちだからだ。

    様々な研究結果から導き出された、性格に上も下もない、ということも味わい深い。色々な人が居て初めて社会が成り立つことを改めて実感した。

    ・ストレスが強いと、肥っている人はますます肥り、やせている人はますますやせる。
    ・性格や心理的要因(抑うつ、無力感・絶望感)と、がんの発生や進展、予後に対して影響はない。循環器疾患は関係がある。
    ・「生き甲斐」「幸せ」「前向きな気持ち」「活力」などの感情を持つ人は死亡率が低い(がんは変わらないが、循環器疾患と外因死)。アカデミー賞を受賞した俳優、逃した俳優にも寿命に有意差がある。
    ・社会的ネットワークが豊富な高齢者や余暇活動が活発な高齢者では、認知症の発生率が低い。
    ・神経症傾向が強いだけでは認知症のリスクは上がらない。神経症傾向の強い人であっても、家族や友人との交流が多かったり、余暇活動を活発に行ったりしていれば、認知症のリスクは下がる。
    ・テレビやラジオの視聴は認知症の予防効果が認められない。
    ・脳の予備能が多い人。1.幼少期に、安全かつ快適で遊んだり学んだりする機会が多かった。2.学歴が高い。3.あたまを使う職業に従事。4.中年期以降社会的ネットワークが豊富で、しかも活動的な生活をしている。
    ・65~69歳が心理的苦痛が一番低い。高いのは25~34歳。
    ・『つながり』のクリスタキスらの研究の詳細の説明(P225~)+隣人が幸せな場合は自分が幸せになる確立が30%も上がる。

  • 結局、病気になりやすい性格というのを厳密には定義しづらいということか。

  • たまたま作業中に手に取った本ですが,つくば長期研修の最後のコマ「気質コーチング」を思い出して読んでみた。図書館にいると,こういう偶然が面白い。さて,内容はというとストレスや不安がよくなくて,生きがいをもってるとよい・・・など,ありがちな結論かも知れないけど,しっかりした疫学研究をもとにしたものなので,なるほど,と納得できます。面白いのは,肥満も幸福感も伝染る(うつる),という表現。たしかに,子育てしてるとそれは思う。肥満は生活習慣や食生活も大きな原因だから当然として,幸福感もうつるなら,心しておかないと。ま,家族中不安ゼロの我が家は,お気楽なので病気とは無縁ぽいです。

  • 病気になりやすい「性格」/辻一郎

    * 理想的な性格などない
    *
    * どんな性格にも、いい面と悪い面がある

    * 自分の性格を変える必要はない

    * 大事なのは自分の性格を認めること、そして折り合いをつけること



    * 心筋梗塞になりやすい性格
    *
    * タイプAと呼ばれる人たち
    *
    * 最小限の時間でできるだけ多くのことを成し遂げようとする

    * 一度に複数のことをしたりする


    * 食事や移動は早食い、早歩き


    * それらが加速していき、時間の切迫感が強くなる一方で、自分自身が追い込まれる

    * そのストレスが心臓発作の引き金になる

    * ストレス解消やリラクセーションが大事




    * 自分の性格と、どう折り合いをつけるか

    *
    * 性格は生まれつきのもの。何かのきっかけで「変わる」ことはあっても、自分で「変える」ことは難しい

    * 性格のいい部分に目を向け、それを個性として生かせるような環境や職業に巡りあうことが大事。


    * 人は自分一人の心がけや努力だけで健康になれるものではない

    * 自分の属する地域、職場や団体での人間関係・信頼関係も、自分自身の健康に大きな影響をおよぼしている

    * 自分が健康になろうと思ったら、まわりの人たちも一緒に健康に慣れるように働きかけたほうが良い。
    健康に関わるさまざまなものが、人とのつながりを通じて広がっていく
    例:肥満の人と付き合っていると、自分も太ってくる。幸せも伝染る。

  • [ 内容 ]
    性格と、肥満や病気は大いに関係ある。
    東北大学による5万人大規模調査で、病気になりやすい「性格」がわかった。
    人生は思いがけないことばかりだが、「人間の運命は、その人柄がつくる」というギリシャ哲人の言葉もあるように、日常生活から生まれるストレスの受け止め方ひとつでも、病気になるかならないかの差がでてくる。
    ならば、病気にならないための秘訣を教えよう。

    [ 目次 ]
    第1章 病気になりやすい「性格」とは?
    第2章 肥満になりやすい性格
    第3章 心筋梗塞になりやすい性格
    第4章 がんになりやすい性格
    第5章 認知症になりやすい性格
    第6章 自分の性格と、どう折り合いをつけるか?

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    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
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    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 肥満・幸せは伝染る。がんになりやすい性格はない。ポジティブ思考で寿命は延びる。循環器系疾患に好影響。

  • 本書の内容は、タイトルほどの切れ味が感じられない。

    第一章の「病気になりやすい「性格」とは?」の内容はとてもわかりやすく、期待の持てるものだったのですが、その後の展開は通り一辺倒で、しかも命題の立て方とその結果があまり結びついていないように思う。命題を立てる理論の前提が古い説を挙げているために、新しさもないように思う。

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