最新 行動経済学入門 「心」で読み解く景気とビジネス (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022734068

作品紹介・あらすじ

「人間は常に合理的な行動をとる」伝統的な経済学は、この前提のもとに考えられてきた。しかし、生身の人間は意外と理屈に合わない行動をとる。東日本大震災で人々が「買いだめ」に走ったのはなぜ?個人投資家が「損切り」できない理由は?人々の経済行動、投資手法、金融市場の動きなどを第一人者が分析、初心者に向けて書き下ろした入門書の決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 経済学を勉強した訳ではないが、行動経済学の方がリアリティがあるし身近に例を実感しやすいので親しみやすいんじゃないかなと思った。
    なんせこの本は読みやすい。高校生の時でも全然読めたなと思うくらいに。

    印象に残ったもので言うと、
    「プロスペクト理論」によると人には利益の追求よりも損失の回避をする傾向があり、またそのせいで確率を誤認してしまうことがあるらしい。これを生活に当てはめてみると思い当たる節がかなりあった。友人の話を聞いててもやはり当てはまることがある。主観に固執するのではなく客観視の重要性を述べられてるように思う。

    他の理論も自分に思い当たるものが多くあり、読んでいるだけで興味深い。この本の内容しっかり頭に入れることができたら日々の生活を違う視点から見ることができて面白そう。

  • ●以前のマンガによる行動経済学入門よりは、簡単な説明に終始し、復習程度の内容であった。

  • 経済は人間の心に大きく左右される。「プロスペクト理論は人々の決定に関する理論。人は利益よりも損失を避けたがる。確率を誤認してしまう」「ヒューリスティック;物事を直感でざっくりとらえる」「心理勘定:心の中の帳簿で行動を決定する。得られる満足度を元に行動を決める」「コミットメント:思い入れ。思い入れは適正な判断に結び付くわけではない」「サンコスト:既に使ったコストは取り戻すことができない。早い段階での撤退も必要」「認知的不協和:意思決定の結果もたらされた心理的な不協和、不快感、葛藤、後悔:自分の考えが正しかったと詭弁を弄したくなる」「囚人のジレンマ:個々がよかれと思って行った決断は、時として二人にとってベストだとは言えない事もある。「フレーミング効果:思い込み。固定観念は崩しにくい」「初頭効果:最初の情報が重要性を発揮する、第一印象が大きな影響を与える」「ピークエンド効果:最後に出てきた情報が判断に影響する」「無意識のうちに将来よりも今が大事だと思う」「割引率は人間のセッカチ度を示す」「近視眼的損失回避:手近の損失を気にするあまり、将来もっと大きな損をする」「ナッジ:それと気づかせることなく、特定の人や、人々を、合理的と考えられる方向に誘導する行為」「カリギュラ効果:禁止されるとやりたくなる」「リバタリアン:自由放任」「パターナリズム:強制」「バブルのスタートから価格が3倍になったらバブルはピークと考える」

  • 再読
    行動経済学の教科書

  • p.2022/3/4

  • これまで読んだ中では、行動経済学の概要を最も分かりやすく書かれているのではないかと思う。
    純粋学者ではなく金融機関出身の著者だからということが特徴に表れている気がする。

  • 図書館で借りた。行動経済学編

  • 経済学かな?心理学のような気がする。
    経済学の予想するようにはならないとあるけれど、学問は何でも型だと思う。
    しっかりした経済学の分析があって、あとは心理を考えることで良いのはないだろうか。
    経済学部出身だからか、既存の経済学の肩を持ちたくなる。

  • 最初はわかりやすいくていいなあと思ったけど、途中からは、結局行動経済学と社会心理学って同じじゃん・・・と思ってしまった。
    社会心理学の先生が「行動経済学が流行ってますけど、私達からしたら、昔からやってますけどって感じなんですよねえ」ってこぼしていたのを思い出した。
    社会心理学でも既にあった概念を「行動経済学では・・・」って行動経済学で初めて出てきた概念みたいにドヤ顔で言われちゃうと、確かに「いや、それは社会心理学でも同じこと言ってますよ」って思ってしまったし、例えば「ヒューリスティック」は悪いことみたいに書いてあるけど、社会心理学では必ずしも悪い概念として扱っているわけではないので、こういうところもどうかなと思ってしまったし。
    なお、最後の東日本大震災直後の経済や市場についての解説は、当時は確かにそうだったよね・・・っていう振り返りにはなるけど、伝統的な経済学でも、行動経済学でも、やっぱり現実の経済は100%予測できるわけではないのね・・・。

  • 行動経済学が体系的にまとめられており、全体像が把握できた。入門書の名にふさわしい構成。それにしても、行動経済学は面白い。

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著者プロフィール

1953年神奈川県生まれ。76年一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。83年ロンドン大学経営学部大学院(修士)卒業、85年メリル・リンチ社ニューヨーク本社へ出向。帰国後、98年第一勧銀総合研究所金融市場調査部長、内閣府経済動向分析チームメンバー、第一勧銀総研やみずほ総研の主席研究員を経て、03年から信州大学大学院イノベーション・マネジメント・センター特任教授に。05年から同大学経済学部教授。

「2014年 『よくわかる金融政策の見方・読み方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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