新書356 財務3表実践活用法 (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022734563

作品紹介・あらすじ

決算書は「企業経営の成績書」といわれるが、実は過去を振り返るだけでなく、ビジネスの構造や将来を考える材料としても使える。累計50万部突破の「財務3表シリーズ」第3弾。「理解」から「分析」、そして「実践活用」へ。あなたの会社の事業で即、使える。全ビジネスマン必読。

感想・レビュー・書評

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  • 2020年6月14日記述

    財務3表実践活用法
    國貞克則氏による著作。
    2012年7月30日第1刷発行。

    著者である國貞克則氏の略歴は
    生年月日
    1961年1月20日
    出身地  
    岡山県備前市吉永町
    学歴
    1979年 岡山県立和気閑谷高等学校卒業
    1983年 東北大学工学部機械工学科卒業
    1996年 米国ピーター・ドラッカー経営大学院にてMBA取得
    英語力 TOEIC 870点
    職歴
    1983年 (株)神戸製鋼所入社 プラント輸出、人事、企画、海外事業企画を経て、
    2001年 ボナ・ヴィータ コーポレーション設立して独立。

    財務3表一体理解法シリーズの3つ目となる。
    この巻だけ改訂はされていない。
    ドラッカー経営学のコラムも所々に入っていて会計以上に興味深い。

    印象に残った箇所としていくつか挙げたい

    単式簿記の方法で作られた帳簿が、現金の出入りを表す収支計算書です。
    収支計算書は実際の現金の出入りを表しているので理解しやすい表ですが、残念ながら収支計算書だけでは企業の資産や負債の状況まではわかりません。

    ドラッカーの言う「強みを活かせ」という言葉を誤解している人も同じように増えているように思います。
    例えば、次のようなことを言う人は、ドラッカーの真意を理解していません。
    「ドラッカーも強みを活かせと言っている。私は会計が苦手だから会計の勉強なんかしないよ」
    確かにドラッカーは「強みを活かせ」と言っていますが、それは持って生まれたもの、もしくは幼少期に形作られた与件のようなもののことを意識しています。
    ドラッカーは「強みを活かせ」と言うと同時に、次のように言っています。
    人事部門の人は会計を知らないし、会計部門の人は人間について知らなすぎる。
    自らの強みを発揮する上で必要な技能や知識は当然身に付けなければならない。
    外国語や経済学や数学の知識は誰でも学べる。
    もし成果を上げる上で外国語や会計の知識が必要なら当然それは勉強すべきである。
    ドラッカーの言う強みとは技能や知識のことではなく、
    その人に本来備わっている特徴的な強みのことなのです。


    繰り返しますが、企業は売上や利益をコントロールすることはできません。
    コントロールできるのは、企業内部の活動であるマーケティング機能、イノベーション機能、管理的機能です。
    ですから、目標を設定すべきなのは売上や利益ではなく、
    自らがコントロールできるマーケティング機能、イノベーション機能、管理的機能についてです。
    企業はこの3つの機能を文字通りうまく機能させることができるようになって初めて真の事業再生が成し遂げられるのです。

    企業の目的は利益をあげることではありませんが、
    利益がなければ企業は存続できません。
    企業にとって利益は、人間にとって水のようなものです。
    人間は水を飲むために生きてはいませんが、水がなければ生きていけません。
    企業も同じです。
    企業の第一の目的は利益をあげることではありませんが、企業は利益がなければ存在できません。
    そういう意味でドラッカーは、利益は企業の目的ではなく条件であると言います。

    企業の目的は何でしょうか。
    ドラッカーは「企業の目的の定義は一つしかない。それは顧客の創造である」と言います。

    社会を生き物として見ていたドラッカーにとっては顧客の満足では駄目なのです。
    社会は生き物です。
    生き物は変化します。
    しかし、その変化は予測できない。
    つまり、将来はわからないのです。
    そのような常に変化し、その変化の先も予測できない世の中で生き残っていくためには、企業自らが変化を作り出していくしかない。
    変化の最先端に企業自らが立つしかないのです。

    上司と部下の関係においていうと、部下が上司の期待に応えるのはマーケティングです。
    しかし、それだけでは駄目なのです。
    仕事の現場の詳細は部下の方がよく知っています。
    上司の期待を超えた仕事をするのがイノベーションです。
    これができて初めて一人前のビジネスパーソンになります。
    会社も同じです。
    「顧客満足」「お客様第一主義」は大切です。
    でも、それだけでは不十分です。
    それは上司の言う通りに働く部下と同じようなものです。
    会社は自社が提供する商品やサービスについて、
    お客様より多くの情報や知識を持っています。
    お客様の期待を超えた新たな商品やサービスを提供し、
    新たな市場を創造することができて初めて一人前の会社と言えるのです。

    ドラッカーは才能がなくても大きな問題にはならないが、真摯さを欠く人間はすべてを破壊すると言います。
    特に経営トップに真摯さがない場合、組織全体が駄目になります。

  • 士業&経理マンじゃない机上の理論じゃないM&Aの実務家としての視点がとても面白い。

  • ・会社はどんなビジネスをしていても、すべての会社は①お金を集めてきて、②そのお金を何かに投資し、③利益を上げるという3つの活動をしている。
    ・どのようにお金を集めてきたか→貸借対照法の右側
    ・何に投資をしたか→貸借対照法の左側
    ・利益を上げる→損益計算書
    ・①②③の動きを現金で把握→キャッシュフロー計算書
    ・1年以内に返済しなければならないのが流動負積、1年を超えて返済しなければならいのが固定負積

  • 3部作のなかでこれは読んでも読まなくても大丈夫。類書にもっといいのがある

  • 財務3表を用いた、経営手法の説明書。ドラッカーのマネジメントも交えて、経営とは何かをつかめた気がする。著者の作品をもう1冊読む予定。

  • 一体理解法、図解分析法との3部作の3作目。
    これにより3冊制覇。

    前2冊の復習4割、管理会計6割くらい。
    財務諸表の作り方、読み方は身についたかなと思うので、意思決定会計を次は勉強しようかなと思います。

    普通の人→収益と費用
    お金持ち→投資とリターン
    というのは納得。
    自分も買い物する時、安いのばっか買ってしまうから、投資とリターンの視点を持つようにします。

  • 空想の企業を使ってのPL, BS ,CSの説明わかりやすかったです。
    もう一度読んで深めたいです。

  • 2020-21

  • ●同著者の他の著作と比べて、予算策定やM&A等、より専門的な内容になっている。

  • 三部作の締めですが、一般社員が売上と費用でものを見ているのに対し、経営者は投資とリターンというまったく違う段階から物を見ていることが分かった。昨今の東芝やSHARPの急を要する利益対策のがなぜ売上増や費用減を目指さないのか(急にはできない)、その他経費削減ではなくすぐに人件費削減をされるのか(広告費や研修費は全体から見てのウェイトが小さい)、債務の返済はインパクトが大きいのかといったことがよく分かった。

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著者プロフィール

ボナ・ヴィータ コーポレーション
1961年生まれ。83年東北大学工学部機械工学科卒業後、神戸製鋼入社。海外プラント輸出、人事、企画、海外事業計画に従事。96年米国ピーター・ドラッカー経営大学院にてMBA取得。2001年、経営コンサルティング会社を設立して独立。中小企業を中心に、企業の経営企画、人事、会計財務面をサポートしている

「2022年 『ドラッカーが教えてくれる「マネジメントの本質」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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