思考の「型」を身につけよう 人生の最適解を導くヒント (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022734808

作品紹介・あらすじ

「自分には独創的な発想なんてできない」「かといって論理的思考もちょっと苦手…」大丈夫。成功するためには、飛び抜けた思考力も優れた決断力もいりません。本書では経済学が用いる手法をもとに99%の平凡な人に向けて、誰でも合理的で最適な判断をくだせるヒントを伝授します。

感想・レビュー・書評

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  • 「自由な発想」はもういらない、という帯が挑発的だけど、中身は極めて全うな統計学及び経済学の考え方の解説書。論理学、相関関係、最適化などを社会や経済の問題を考える上でいかに用いるかをわかりやすく解説しており、安直なバッシングや大衆批判に走らないための心構えを身につけるためにも大いに役立つであろう。

  • 感想
    経済学で得られる知識。そんなものはほとんど無い。常識や知恵を検討し言語化・定式化する。その枠組みで思考する人が少ない。だからこそ有効。

  • 経済に近い問題の解決のために使う技術を一つづつ紹介する本
    いろんなポイントが述べられているからこれらを意識しておくと良い。
    ひとつひとつは簡単で知ってることだけど、いざ使おうとすると抜けが出ててそこが弱点になることが多いから、こういう本で体系的に身に着けておきたい。

    ゼロからの発想は、基本が十二分に身についてからで良い。
    物事を多面的に考えるためにまず、一面だけを観察して個別的に判断する

    否定できない主張は意味がない。
    権限が強い管理職:オープンシステム、権限が弱い管理職:クローズドシステム
    演繹法:正しさを保証→情報の整理、帰納法:新しい発見の可能性→志向の前提探索
    必要条件を重ねて、十分条件に近づける

    現実に存在するものには何らかの合理性がある。誰が何の目的でその行為をするか考える
    効率努力、関係努力。
    集団内での上手な目標達成のコツは、自分と他者が同じ状況を喜ばしく思うようにすること。
    自分以外は競争していて、自分は競争をしないというのが経済学が導く最高の環境
    自分の能力が高く評価され、熾烈な競争に巻き込まれないようなポジションを探す
    他人も努力するので、「努力が必ず報われる社会」は制約の外にある不可能な目標。

  • 久し振りに読み応えのある本に当たりました。
    経済学での考え方を日常でも使ってみましょう、ということで、言っていることは当たり前なのですが、今まで知らなかった経済用語がたくさんあって、まだまだ勉強不足だなぁと痛感させられました。
    特に目から鱗という内容があったわけではないのですが、要所要所で『なるほど!』と思わせる部分があったので、手元に置いておいて読み返したいと思う一冊です。
    ラジオで著者のことを知ったのですが、その話し方や考え方が柔軟で多角的だったので、本書を読むのを楽しみにしていましたが、期待を裏切らない内容でした。僕の評価はA+にします。

  • 大学はその専門分野の思考方法を学ぶためにある

    合理的 rational
    ratio 割り切れる

    韓非子
     説得の際に困難なことは、意見を伝える技術でも度胸でもなく、相手の心を知ることだ

    忘れて行けないコストがある一方で、忘れなければならないコストもある。それが埋没コスト サンクコスト
    埋没費用とは、その後の行動にかかわらず一度支出してしまうともう取り戻すことができない固定的な費用

    選択肢が選ばれたしまった後(意思決定後)には三くされた部分は「あたかも存在しないかのような」行動することが合理的となります

  • 解るような解らんような。とゆーことは解ってないので再読するつもり

  • 一般教養の経済学や、経済学部の学生に「経済学の考え方」について学んでもらうのに最適。とは言いつつ・・・「合理性」についての考え方や、情報の見方について、幸福についての考え方など、身近なところに経済学的な考え方があることもわかって私も勉強させていただきました。

  • 思考の型とは?

    →問題を絞り込み、仮説発見のためにデータを観察し、問題を処理可能なレベルまで分割単純化し、作業仮説を立て、データを用いて仮説を検証し、総合的な結論を導く
    必要条件に比べて十分条件はより絞り込まれたもの
    データ観察は、相関関係を重ねることで因果関係に迫る営み
    自分以外の価値観を認め、自分だけが賢いという思い込みから抜け出す

  • 筆者がまとめている問題解決の方法を、さらに単純化してまとめると、こうなりそうだ。

    ・問いを確認可能なレベルにまで分割する。
    ・問題に関係ありそうなデータを観察して作業仮説を作る。
    ・データで検証する
    ・総合してまとめる

    問いの分割に、またMECEが出てきた。
    MECEは、前やってみたけれど、実際にはそう簡単にはできない。正しくできているか心もとない。
    ほかの本では、真面目に「もれなく、ダブりなく」を説かれるので、とてもハードルが高いのだ。
    ここでは、少し現実的に、二つのティップスが提示されていて、ヒントになった。
    それは、「性別、年齢など明らかなもの」で階層を作ること。次に、「AとA以外のもの」でざっくり作って、「A以外」に大事なものが含まれていなければよい、とすること。

    自己の思考をチェックするには、「論証の再現可能性」と「反証可能性」が大事。
    データ分析には、「一般均衡」(分析対象とその他が影響しあっている)と、「特殊均衡」(両者が切れている)というどちらのモデルで考えるべきなのかという見極めが必要なようだ。
    因果と相関の話はほかの本でも読んだことがある。
    ここではトレンド(時間の経過で変化すること)を排除しないと、誤った関係に理解しうるという話が自分には新しかった。
    この間読んだ理系の卒論の書き方の本で、時間の影響を消去する必要が書かれていたが、それを思い出させる話だった。

  • 基本に忠実に確実にこなすようにしなければ。

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著者プロフィール

1975年生まれ。エコノミスト。明治大学政治経済学部准教授。東京大学経済学部卒業後、同大学院経済学研究科博士課程単位取得。内閣府規制改革推進会議委員などを兼任。主な著書に、『経済学講義』(ちくま新書)、『これからの地域再生』(編著・晶文社)、『マクロ経済学の核心』(光文社新書)、『歴史が教えるマネーの理論』(ダイヤモンド社)などがある。

「2018年 『新版 ダメな議論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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