「やりがいのある仕事」という幻想 (朝日新書)

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著者 : 森博嗣
  • 朝日新聞出版 (2013年5月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022735027

「やりがいのある仕事」という幻想 (朝日新書)の感想・レビュー・書評

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  • 著者初読み!面白かったので小説も読んでみたいなと思った。人の価値は仕事で決まらないし何がしたいか何が好きかも自分で決めていい。周りの目を気にしすぎるから息苦しくなる。数年前まさしく悩んで悩んで決めた方向転換。今もまだ全然途中だけどだからこそ引き受けなきゃいけなくなった負荷もあるけど、あまり苦労と思わず楽しく仕事してるしずっと健康に生き生きと生きている。自分らしくいるのに仕事は必須でも何でもない。職業ありきでなく自分がしたい生き方から逆算してその手段を仕事にしていけばいいんだと思う。

  • 「打ち込めるものは何か?」「自分にとってどうなることが成功なのか?」という問いに対して、自分なりの思考を深めるきっかけとなった。また「生きていくには働くのが一番簡単な道」という考え方も新鮮だった。
    私にとって「働くこと」はとても重要で、人生の大半を占めると考えてきた。不平不満は尽きないけれども、大学卒業以来ずっと、どんなにつらいことがあっても働き続けてきた。それは実は、働くことが生きる上でもっとも簡単な方法だったからかもしれない。私の場合、もし仕事を辞めてしまうと、じゃぁ、いったい何をして生きていくのですか?ということになる。不眠になるほど悩んだりしたが、会社に行けば、たとえそれが嫌な仕事であったとしても何らかの役割を与えられ、ときに人間関係の問題も発生するが、勝手に組織やチームの一員になることができ、社会的に孤立しないですんだ。「働くこと」から引き離されてしまったら、自分でどうやって稼ぐか、どうやって社会的、精神的孤立を避けるためにコミュニティーを作ったり、コミュニティーに入っていったりすればいいか、自分で考えなければならない。満員電車はつらいが、不規則な生活にならずに健康を維持することもできている。どうしてもこれがやりたい、それをやるためには、仕事を辞めなければできない、という状態になったときに初めて仕事を辞めればいいわけで、それまではずっと働いていればいいと思う。そして、「自分にとってどうなることが成功なのか」という問いを常に自分に突き付け、見極めていきたい。

  • 仕事・働くことに関する書。最初は内容がもやっとしているかなと思ったが、中盤のFAQはそうだよなと納得させられることも多く面白い。社会人1年目の人に読んでほしい一冊。

    戦後はみんな必死に仕事をした。外国の援助、戦争などの経済復興の後押しがあったことは確かだが、日本を復興させる・現状を良くさせたいとみんな働いていたので、景気が良くなった。比べて現代は豊かになり、食べていけるようになったので、仕事をしていても、不満などを社会のせい・会社のせいにしているのではないか、景気が・経済が良くならないというのは結局は必死に働いている人が少なくなったことの結果なのではないだろうか。

    以下書き留めておきたかった箇所
    ・メジャよりマイナ、ジェネラルよりスペシャル、メディアからコンテンツ。
    ・日本人は自殺しやすい民族かもしれない、宗教的に禁じられていないことや、死を美化する伝統があるから。
    ・現代人は他人の目を気にしすぎている。「仮想他者」のようなものを作り、それに対して神経質になっている。そのために金を使い、高い物を着たり、人に自慢できることを無理にしようとしている、いつも周囲で話題にできるものを探している。その方法でしか、自分が楽しめなくなっている。でも自分が本当に楽しいというものは人知れずこっそりと自分はじめ、自慢したり、褒められたりするものではなく、自分のためにするものなのだ。

  • 自己啓発本、ビジネス本だと思って読むと混乱します。あくまでも、森博嗣のエッセィです。
    これまで「マジメに」やってきた人ほど面食らう本です。

    大学教授や作家なんて、浮き世ばなれしてるし参考にならないんじゃ?と思ったら、第4章のQ&Aから読んでみて判断すると良いです。

    「本当に楽しいことは誰にも言う必要がない」というのは、リア充アピールをする場面が多い若者(自分を含む)にガツンとくる言葉でした。

    身も蓋もないことがたくさん書いてありますが、「そりゃないよ、森先生~」と思いつつも自分の中に入ってくる不思議。
    仕事というより、生き方を見つめ直すきっかけになる本です。

  • 「今の仕事を辞めて、やりがいを持てる仕事にチャレンジすべきでしょうか」という著者への質問に対して、「どっちでも良い」と答えているのを読んで笑ってしまいました。(著者は終始そんな姿勢)
    仕事の中に楽しみを見つけてもいいし見つけなくてもいい。仕事が楽しくなくても、稼いだお金で楽しいことができればいい、という考え方は、とても面白いと思いました。
    就いた仕事で一生が決まってしまうような強迫観念にとらわれてしまうのは、とても狭い価値観の中での思考だと気付かされました。

  • 森さんがこういう仕事系の話を書いているのは珍しい印象。昨今、就活が上手く行かなかったり、仕事が上手く行かなかったりして、悩む人が多いけど、仕事ってのはあくまでも「生活の手段」でしかない。仕事に人生の8割とか9割の意義を持たせるのは違和感があるし、そうやって仕事仕事仕事!みたいなスタンスで生きて成功できるのはごく僅か。これを読むとゴリゴリのタフさではなく、ゆるさが全体的に行き渡っているので、読んでいて心地良い。ただ、仕事は必要。そして、日々スキル習得のための持続的な学習も必要。問題は、その塩梅。

  • これまで森博嗣のエッセイは読んだことがなかったけれど、森博嗣で、このタイトルだから、読んだ本。

    タイトルから想像していた物とは全然違ったけれど、面白かった。半分くらいは同じように思っていてそうだよねと同意する話で、半分くらいは、さすが思考が鋭く、なるほどと思う内容だった。

  • 驚いたのは、1日1時間を8日間続けて脱稿したということ。

    著者の作品は初めて読んだが、かなり突き放して書いている。

    同感するところもあれば、そうでないところもある。

    わかったことは、著者はとても賢明で、先を見通すことができ、人生を楽しんでいる人だということかな。
    (2013.5.12)

  • この前椿山荘に行った帰り、早稲田のあゆみBOOKSに寄って、本を買った。タイトルに掲げた「やりがいのある仕事」という幻想、と言う本だった。著者は森博嗣と言う作家である。

    タイトルからして相容れない本である。手にとって、奥付にある著者略歴を見ると、1957年生まれとある。今年60歳になる年代で、これは私にとって最も嫌いな「しらけ世代」に相当する年代だ。

    抵抗を覚えるタイトルに、書いた人が大嫌いなしらけ世代。読むはずの無い本であったが、何だか意を決して「読んでみよう」と思い、買い求めることにした。買おうと思った理由は、最近の自分の考え方の偏りが酷いように思い、見るからに正反対な感じの人の意見に触れるのも必要なんじゃ無いか、だなんて思ったからだ。学生時代によく立ち寄ったあゆみBOOKSで20年ぶり位にこんな本を買うとは、学生時代は思いもよらなかったなあ、と思いながらレジで会計を済ませた。学生時代、私が社会に出て就きたいと思っていたのは、他でもなく「やりがいのある仕事」だったからだ。

    買ってすぐ読み始めた訳じゃ無いが、しばらして手にとって読み始めると、予想通り、「まえがき」の段階で「こりゃ相容れないなあ」と思える記述がかなり目立った。この本は「職業に貴賎などない」「人間の価値は仕事なんかで決まらない」というのに主眼が置かれている。これだけなら良いのだが、文章の書かれ方が、私が普段会社で接している「しらけ世代」の人びとを彷彿とさせるものだった。他人に対する関心が極めて薄く、自分が良ければそれで良い、と言う感じ。だから、「全然同意できない」「そりゃ違うだろう」と言う箇所が多かった。そんな訳で読み進める内に、どこまで読み進められるか、と言う感じになってきた。要は、今まで何十冊もあった、途中で読むのをやめてしまった本になりそうだ、と思ったのだ。この本は家で読まず、会社帰りの電車で読んでいた。

    で結局、今日全部読み終えた。というのも、「全然同意できない」「そりゃ違うだろう」と思うのと同じくらいの量で、「そうかもな」「そうだな」「うん、確かにそれはそうだ」と思うところが意外にも多かったから。だから、全部読み終えられたのだと思う。

    「同意できない」と「同意できる」が混ざっている文章が、例えば次の引用だ:

    --
    繰り返していうが、人生のやりがい、人生の楽しみというものは、人から与えられるものではない。どこかに既にあるものでもない。自分で作るもの、育てるものだ。

    子供の頃にその育て方を見つけた人は運が良い。なかには、せっかく見つけたのに、大人や友人たちから「そんなオタクな趣味はやめろ」といわれて、無くしてしまった人もいるだろう。そう、やりがいと楽しみというものは、えてしてこのように他者から妨害される。周囲が許してくれない、みんなが嫌な顔をする、もっと酷い場合には、迷惑だと言われてしまう。でも、自分はそれがやりたくてしかたがない。このときに受ける「抵抗感」こそが、「やりがい」である。その困難さを乗り越えることこそ、「楽しみ」の本質だと僕は思う。
    --

    まああの、所々言い過ぎというか、ひょっとしたら勘違いのような感じもあるが、「ぼくの文章をどう解釈しようとあなたの勝手」とみたいのが随所に書かれているので、私がどう思おうとどうでも良いだろう。「やりがいと楽しみというものは、えてしてこのように他者から妨害される。」そうかなあ?

    でも、人生の遣り甲斐とか楽しみは人から与えられるものでは無いのは確かで、自分で作るものとも思う。

    上述、「繰り返していうが」の基となっていると思われる筆者の考えは、この記述の少し前にある。

    --
    手応えのある仕事というのは、簡単に終わらない、ちょっとした苦労のある仕事のことである。同様に、やりがいのある仕事も、本来の意味は、やはり少々苦労が伴う仕事のことだ。

    (中略)

    ただ、こういう仕事ができるようになるためには、沢山の失敗をして、自分の知識なり技なりを蓄積し、誠実に精確に物事を進める姿勢を維持しなければならない。さらに、時間に余裕のあるときには、勉強をして、新しいものを取り入れ、これは何かに活かせないか、ここはもう少し改善できないか、と常に自分の仕事を洗練させようとしていかなければならない。この自己鍛錬こそ、手応えがあり、やりがいがあるのだ。
    --

    しらけ世代的な記述が多い本書の中で、意外と随所にこう言うことが書いてある。こう言うのを読むと、「確かにそうだな」と思うのである。

    読み終えた今夜、磯子駅に近づくところで、私は「あとがき」までとうとう到達していたのであるが、その中で意外と自分にガツンときた記述が以下だ。前の文章が無いとよく分からないかも知れないが、前の文章が結構長くなるので、ガツン部分だけ抜き出す。

    --
    自分に対して、そういう理想や精神を持っている人はとても強い。周りがなんと言おうと、時代がどうであろうと、自分が正しいと決めた理想を守る。実現が難しくても、少しでもそこへ近づこうとする姿勢、それが「人の強さ」だろう。
    --

    最後のページに近いこれを読んで、果たして今の自分はこれを持っていると言えるのかな、と思った。

    仕事論のような本じゃなくて、自分が何に重きを置いて、どう生きた方が良いか?という本だろうと思う。

  • 「やりがい」という曖昧な理想は、結構な人が実際に就職の際に抱いてしまっていると思う。
    だから、仕事に就くともやもやする。
    思っていたのと違う、楽しくない、本当にやりたかったことじゃない…等。
    でも、仕事ってそもそもお金を稼ぐためだよね。
    自分の人生を成立させることができるのなら、別に仕事に就かなきゃいけないわけじゃないよね。
    仕事って、そもそもが苦しいけれどちょっと頑張ってやって、その代価にお金をもらえるものなんだよね。
    そんな、当たり前だけど忘れがちな仕事の意味について教えてくれる本でした。
    感情や精神論がなく、押し付けがましくない内容に好感がもてます。
    私の仕事は、(逃げ恥風に言うと)「やりがい」「善意」を搾取されやすい仕事なので、改めて自分の仕事観、立ち位置を見直せるきっかけになりました。

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【社会科学/社会】私たちはいつから、人生の中で仕事ばかりを重要視し、もがき苦しむようになったのか? 本書は、現在1日1時間労働の森博嗣がおくる画期的仕事論。自分の仕事に対して勢いを持てずにいる社会人はもちろん、大学生にもおすすめ。

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