下流老人 一億総老後崩壊の衝撃 (朝日新書)

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著者 : 藤田孝典
  • 朝日新聞出版 (2015年6月12日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022736208

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下流老人 一億総老後崩壊の衝撃 (朝日新書)の感想・レビュー・書評

  • 老後の貧困はひとごとではない。
    そう警報を鳴らすのは、生活困窮者支援のNPO法人「ほっとプラス」の代表理事で社会福祉士である本書の著者、藤田孝典さん。

    本書では下流老人を「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」と定義しています。
    私も高齢分野で相談援助職をしていたことがあるからこそ、ここに書かれている重たい現実が、忍び寄る貧困の影が本当に存在しているものだと知っています。
    一億総中流社会なんて、随分昔のお話です。今は、普通に暮らしている人の多くが貧困リスクを抱えています。

    ◆下流老人が抱える3つの「ない」
    下流老人は、3つの「ない」を兼ね備えてます。
    すなわち、①収入が著しく少「ない」②十分な貯蓄が「ない」③頼れる人間がい「ない」

    制度自体がなくなることはないでしょうが、年金収入は減り続けるばかり。収入が公的年金のみでは、国民年金なら7万円ももらえないし、厚生年金だって平均月給給与が38万円で40年間納めたとしても月に17万円もらえない。
    無論、平均月給が、納付期間が少なければその額はもっと少なくなる。
    必然的に、高齢期に年金収入のみに頼ると、収入は著しく少ないと言わざるを得ない。だからこそ働けるうちは働くという意識を持っている人は多いけれど(本書によると65歳以上の就業率は20%と世界で1番。フランスは2%ほど)、当たり前ながらいつまでも健康に働けるわけではないのです。

    貯蓄だって、日々の生活から老後資金を十分に用意するだけの余力がある人は多くない上に、突然の長期入院などであっという間に貯蓄は目減りしてしまう。
    それに自分が高齢期になる頃には親もいないだろうし、兄弟や友人だって皆高齢だ。その頃頼れる相手が、どれだけ自分にいるでしょうか。
    つまりは、誰だって下流老人になる可能性は高い。まして、高度経済成長期を生き抜いた今の高齢者ですらそうなのだから、非正規雇用が40%を占める今の若者が高齢者になる頃のことを、今から真剣に考えていかなければいけないのでしょうね。
    目を覆いたくなるような現実ですが、高齢者が尊重される社会であってほしいと思うので、見ないふりだけはしないようにしようと思います。

    本書にも度々セーフティネットとしての生活保護に関する記述がでてきます。生活保護の基準は下げられているものの、人間が健康で文化的に生活できるだけの基準で設定されています。
    本来であれば、病気や年金の不足などで十分に生活できない人がこの社会で生きる権利として申請をしてほしいものですが、まだまだ抵抗感は根強いし、耐えることが美徳とされる風潮もあることから頑張る人程利用に繋がらない現実がもどかしいです。
    一方で、権利だからと受給をして不必要なほどの医療にかかる人、貰うとすぐに散財をする人を見るにつけ、やるせない気持ちにもなります。我慢をする人、遠慮をする人ほど損をする社会であっていいはずがない。

    団塊世代が75歳を迎える2025年の介護問題についても国は対策に動いていますが、同時に貧困対策というのも急務ですね。ただし、公助のみでなく、自助だって必要です。もちろん、貧困はその人が怠けていた結果ではなく、社会構造上どうしても発生してしまうものです。
    では、個人で何を備えておくべきかということが本書にもいくつか書かれておりどれも大切ですが、中でも頼り、頼られることのできる人間関係の構築というのは私も欠かせないものだと思っています。

    問題が深刻化してから支援に繋がるケースが多いのを目の当たりにして、このまま対処療法ではいけない、というのは私も感じています。
    あるいは、独居高齢者たちが異口同音に口にする「はやく死にたい」という言葉を聞くにつけ、高齢者が自尊心をもって生きられる社会を模索す... 続きを読む

  • 知人が何故か勝手に(?)貸してくれた。
    非常に立て込んでいるこの頃…かといって読まずに返却もできず。気にはなっていたので、なんとか時間を作り出して、斜め読みプラスアルファ、くらいで読んだ。
    問題提起として読むには良い。が、どなたかもレビューされていたが、本書に都合のいいところだけ拾い書きしている感は否めず。いろいろな制度、資源を活用した上でどうなのか、と考えないといけないのでは?
    まあ、でも実際のところ、今の社会保障制度が世の中の実態に合っていないことだけは確かです。

  • 知らないってことは、恐ろしいことです。
    40代後半の私にとって、色々と考えを改めなければなりません。
    今現在、何とか普通に生活出来ていても、将来下流化する可能性は大きいんですね・・・
    自分の事も心配だけれど、それ以上に子供の世代がどうなるのか?
    そっちの方が、もっと心配です・・・

  • 下流老人と称する最低限の生活も出来ない老人や若年化している貧困の実態を紹介しつつ
    そうなった時代背景や社会保障や政策の遅れなどをわかり易く知れた1冊

    若年の貧困に関しては、貧困世代で詳しく読んだ後ということもあって自らの人生設計も考えさせられた

    困っている人は全て救うべきだ、と言う著者の考えは著者自身も財源に限りがあるのにこれは理想論だと書かれていて読んだ時は確かにそれは理想論でしかないと思ったが

    最後の章の著者が考える様々な行政改革案を読んだ後には、可能のような気持ちになった

    今、読んでいる本も同じような内容のものだが
    こちらは2010年刊行
    すでに7年過ぎているのに非正規雇用やブラック企業は改善されているようには見えていない事に
    いつになったら日本は安心して暮らせる国になるのか……

    まずは老後の幸福度のために
    人間関係をもっと大切にしようと思います

  • 話題性があり関連書が多い
    前半
    社会福祉の現状の説明と 下流(と言われるもの) になる 可能性の人たちの紹介
    子供はコスパが悪い
    健康であることは重大
    が記憶に残った
    後半
    生活保護とは?
    受給のためのマニュアルとして使えそうだ

    不安を煽るような 内容の書が多い
    データの取り方が 巧妙で騙される

  • 全体としてよく書かれていると思います、納得の一冊。
    個々の内容については、限られたスペースであり、やむを得ませんが、問題だらけです。まず用語の使用がかなりルーズで、データは頻繁に参照されますが、その都度、都合のいい数字を引っ張ってきている感が否めません。書き方も、後術と提言が多くて気になります。ボートの例えは何が言いたいの???認知症の傾向って何、発症してるのしてないの?特にひどいのは、ケアマネジャー(介護支援専門員)の職務に対する誤解、質云々の話ではなく、制度の問題であり、著者が言う職務を行うのは、特定施設であれば、別途、生活相談員が配置されています。また、なぜ「養護老人ホーム」なのか?ほとんど休眠状態ともいえる施設を取り上げるのも理解しかねます。有料老人ホームの経営母体も、介護付は民間が多いのは事実ですが、住宅型は社会福祉法人や医療法人、NPOも多いです。「特別養護老人ホームは大きな利益は見込めない」と書かれていますが、昨年介護報酬が改定(下げられた)された一因は、特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人の内部留保の多さではなかったですか?補足性の原理も、「家や土地を保有していると生活保護を受けづらくなる」としても、今年、大阪府H市からは、可能であると回答を得ています。身寄りがなかったり、認知症を患っていたりして、本人が売却処分などできない場合、保佐人や後見人を立てる等、時間がかかる場合もあるでしょうが、まずは相談してみることです。自己防衛策はお粗末、前の章とも整合性がありません。

  • 本書でいう下流老人とは、「生活保護基準相当で暮らす高齢者、およびその恐れがある高齢者」である。

    誰が本当の捨て石なのか?
    たまたま、某アナウンサーの捨て石発言に関連して考えていたことが、本書の冒頭に書かれていた。

    子供を生み育てないことは、下流老人にならないという観点でみれば、経済合理性のある選択肢となる。言い換えれば、子供を産み育てる選択をした人は、社会のために捨て石となっているのかもしれない。
    子供を生み育て、そして高等教育を受けさせるには莫大な費用が必要になる。
    それを自分の老後のために積み立てることは、自らが下流老人にならないための選択肢の1つである。

    第2章以降、下流老人の生活実態、そしてなぜ人が下流老人と、なってしまうかというプロセスと、多くの現実に対応してきた筆者だからできるリアリティを持ったレポートが続く。

    そして、我が国の憲法で認められている生存権が、行政の仕組みとして担保されない構造になっていること、また、国民の空気がそれを追認しているとの厳しい指摘。

    家族制度の変容、急速に進む少子高齢化の中で、かつて機能してきていた制度ではもう社会を支えきれなくなってきている現実がそこにある。

    そして、終わりに下流老人にならないため、私たちにできるヒントが書かれているが、やはり個人ができる究極の対策は、充分なお金を持っていることだろう。

    したがって、経済的な観点から見れば、捨て石発言したアナウンサーは、子育てを行った人々(捨て石)の犠牲の上に下流老人にならない老後生活を過ごすことができると、言えるかもしれない。

    ただし、その選択肢はわが国が未来に継続していくことを阻害し、また、お金で買えると考えていた安楽な老後生活それ自身を失う事になりかねない劇薬ではある。
    なぜなら、お金はそれ自身で自分を介護してはくれない。お金を代償に世話をしてくれる将来の他人を必要とするからである。

  • 生活保護を受給するのが恥かしいとか、受給の仕組みを知らないというのが問題の根源なので、この点では自己責任以外のナニモノでもない。とくに目新しい情報・提言はなかったように思う。首都圏の団地なら3Kで4~5万で住める空き家はゴロゴロある。公営住宅が不足しているとは思わない。ただし、介護施設は圧倒的に不足しているので、その対策は急務だろう。東京五輪などやってる場合ではない。

  • 何年か前に西宮のイベントで登壇されているのを見たけど、最近になって生活困窮者支援で頻繁にメディアへ登場してはるNPO法人ほっとぷらすの藤田孝典さんのレポート。現場の状況をデータと照らし合わせて「下流老人」の存在とそれを生む社会構造を問題提供。社会保障制度ってそもそもそんなに詳しく知らんよね、というのは老いも若いも同様に抱いてること。そこと地域のネットワークづくりを掛け合わせることが、隣保館の役割かもと具体な動きを妄想。

  • 仕事柄、高齢者問題はチェックしているのですが、下流というのはどこかで他人事だと思っていました。いつ自分や家族が病気になるかわからないのに。。
    著者も指摘していますが、富者と貧者、高齢者と児童、生命の重さは同じはずなのに優先順位をつけてしまう風潮がやはりこわいと思う。
    身近なところで感じるのは、専門性を高める=蛸壺化になってはいけないということ。

  • 貧困層の老人が発生している原因は自己責任だと思っていました。確かに、高齢になれば様々なリスクにさらされ、出費も嵩みます。

    また、コミュニケーションの不足が貧困に繋がるというのも新たな視点でした。

    著者は生活保護の拡充を訴えていますが、個人的にはどうかと。。。いきなり生活保護になる前のセーフティネットの整備が重要だと思いました。

  • 年収400万でも、下流老人に陥ると言う。

    どんなにお金があってもひとの不安は尽きないと思う。病気になれば多額の費用が飛んでいくし、結婚しなければ、ひとりでなんでもしなければならない。

    逆に言えば健康面と住まいの不安が解決して、いっしょに楽しめる仲間や家族がいれば、解決するのではと思う。ただ下流予備軍の30、40代の非正規労働者やブラック企業で働くひとの現状を考えると今後はもっと酷くなるのでは。

    村上龍さんの言葉にこの国にはなんでもある。希望だけがないと言うフレーズがありました。現在進行形で何も変わらない世の中は、怒りと哀しみしか生まれてきません。

  •  この国は崩壊に向かっているんだろうなーということを実感する本。新自由主義や自己責任論が跋扈して、みんながある程度等しく豊かに、安心して過ごしたいと希望は踏みにじられていく。これだけ老後が長くなると、誰もが貧困に陥る可能性があるので、それを肌感覚で知っているので、若い世代は今現在の消費に後ろ向きになる。そして経済は停滞する。

     ただ、著者の提案する解決法は、概ねその通りだと思うが、生活保護を使いやすく・・・などはコストがかかりすぎる、と思う。行政は肥大化するばかりで、無駄なコストや癒着は増大するだろう。マイナンバーが導入された今だからこそ、ベーシックインカムを検討して欲しいと思うのである。
     
     まず現状を知る、そのためのおすすめの本。

  • 高齢者の貧困に歯止めがかからない。

    著者は貧困の現場で活動しているNPO法人ほっとプラス代表理事。

    「貧困問題」といえば、児童や女性や若者の貧困問題はよくメディアにも紹介され、非正規雇用やブラック企業の所得の搾取や過労死や生活レベルの低下とともに伝えられる。

    著者によれば、OECDが発表した日本の相対的貧困率は、16.1%(2012年)に達し、過去最悪。加盟国34ヶ国のうち、6番目に高い数値で、子供の貧困も16.3%(2012年)と高水準。
    その水準により格差が固定し、生涯低所得の仕事にしか就けない人々が繰り返し生み出される危険性があるという。

    しかし、問題はそれだけではなかった。
    高齢者の貧困が止まらない。
    非正規雇用で働いてきた人々だけではなく、銀行員や大企業の社員も全く例外ではないという。
    いい会社に入り、コツコツ貯金して保険金など合わせて4000万円貯めたから年金と合わせて安心、という時代ではなくなってきている。それでもトントン、ジリ貧で乗り切れるかどうかというのが現状のようである。
    つまり、日本の今の社会制度や営みや感覚が、ここまで高齢者で溢れる世の中を想定していないのである。
    また、自己責任イデオロギーの蔓延により、様々な社会制度を受けようとすることに対しスティグマ感(恥辱感)が「オカミ」や世間に対して根強く残っているという。
    年金だけでは生活出来ない場合、年金プラス生活保護という形もあり得るが、申請主義も手伝い、ハードルが高いように感じてしまう。
    人とのつながり(関係性の構築を通じてのセーフティネットの構築)、メンタルケア、社会制度の利用、意識づけ、医療を受けやすくすること(重病化の阻止)、そして資産形成(貯蓄だけではダメ!)など、様々な網を張り巡らすことでその人は幸福に死んでいける。
    どれが欠けてもいけないが、現状ではどれもが底抜けの状態にあり、貧困対策をほとんど何も政府も対策を打たないことから、全く解決の見込みはなく、益々酷くなっていくのは目に見えている。
    げんざい、貧困状態にある高齢者への対策や、これから高齢者になっていく人たちへはその予防策も書かれている。

    他国に対して強くありたいと願い、一部の特権階級やお友達の意見しか聞かない今の政府(リーダー)に、足元をしっかり見て、国民がどれだけ危機的状況にあるのか、そして現在の利権をどう整理し、再分配に充て、社会制度を新しく変えていくことを望むのは、短期的には絶望的に感じられる。
    しかし、本書でも述べられているように、歴史をみれば、そんな状況でも「そんなことは出来ない」と言われながら社会福祉や制度を確立させて来た。

    まずは現状を認識し、見たくなくても現実を直視すること。
    そして、明らかに出遅れ(欧州では1970年代から政策が考えられている)感は満載だが、そこからそっぽを向いてしまうのではなく、変革の必要性を訴え続けていくしか、もう後に道はない。
    「自立」とは、誰にも何にも頼らずに一人で生きていくことではない。依存できるものを数多く見つけ、互いに支えられる中で幸せに生きていけることだ。それぞれがバラ色の人生を送れるように、自助と共助をどちらも主体的にこなし、情報難民にならないように、より一層気をつけないといけないと思った。
    みんな必ず年老いていく。 だから、考えることを止めず、互いを愛することを躊躇わずに、高齢者幸福社会を目指してみんなで歩んでいくべきだ。

  • 「下流老人」とは、「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」とあって、まもなく日本の高齢者の9割が下流化する、と本のそでにあった。どこからそういう数字がはじき出されたのか、結局わからんかったのだが、今後増えるだろうことは容易に想像できる。

    下流老人を増やさない為には・・・住まいの貧困を無くすという提言あたりは、良い着眼と思った。

    何せ、日本の住宅政策は、戦後、住宅を消費財の対象として経済成長を続けることが出来たという歴史的背景があってここまで来ているんだそうだが、今やゴーストタウンと化したマンモス住宅や人の住んでいない廃家問題が表面化しているので、こういう問題とセットにして何とかならんのかねぇ?

  • 下流老人というショッキングなタイトルに興味を持って購入。感想としては他人ごとではない。順調そうに見えていても、歯車がいったん狂えばどうなるかわからない。筆者が主張するように社会全体の課題として扱い、改善されていくべきと感じた。

  •  著者は、埼玉でホームレスなどの生活困窮者を支援しているNPO「ほっとプラス」の代表理事。「病児保育」の駒崎 弘樹や「ブラック企業」の今野晴貴と年齢が近く、次世代福祉系オピニオンリーダーの一人として注目されている。
     「下流老人」とは、「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」で、現在その数600~700万人と推定され、今後も一層広がっていくと予想されている。
     この本では、高齢者貧困問題の実態、発生要因、社会的影響範囲、予防策、制度的対策などが網羅的に記述されていて、全体像の把握に役立つ。読んでわかるのは、誰にでも下流化の可能性があるということ。そういう社会構造になっている。
    老後の心配はまだ早い、あるいは既にいま生活が苦しく老後の心配どころではないと思っている若い人ほど今のうちに読んでほしい。社会構造を変えるには、若い人の政治参加が欠かせない。

  • "現在の日本は様々な問題を抱え、
    なかなか厳しい状況にあるわけですが、
    この本を読んだ時、自分が思っているよりもずっとずっと・・
    現状の問題の切実さが見えてきました。
    二極化が進む現在の社会の中でも、
    高齢者はそれでも恵まれていると思っていましたが、
    これが全く違っていました・・・・・
    その高齢者の多くが貧困化している現状・・・・
    これは驚かされるものでした・・・
    この本は日本人全員に必読の1冊だと思います。
    自分はこれからも、CCメンバーひとりひとりが、
    今後の困難な時代を切り抜けていくための様々な知恵・方法を
    創っていきたいと思いますが、
    深刻な現状を再度理解をすること。。。
    これを改めてそれぞれに行ってほしいと思います。"

  • 老後に破産する怖れのある人々。
    現在低年収なだけでなく、現役時代に高給取りで十分な年金や退職金があっても、なりうるリスクを孕む。家族の失業、疾病、介護、借金、負債となる不動産相続、さらには熟年離婚(による年金分割)そして…自分以外の要素でも貧困になる。これは老人だけでなく、生涯未婚の多いいまの若者にもその予備軍がいる。

    若い人が読んでも損はない。
    ただ、老後破産しないためのアドバイスは、すべてがすべて役に立ちそうもないけども。

    対処策としては、現役時代から貯蓄、家計管理、いざというとき助け合える人間関係、正しい生活保護の知識、低所得者への家賃補助など。

    生活保護の保険化にして、恩恵でなく権利にすればよい、というが、そもそも年金自体が保険みたいなもの。保険というのは、支払者が多く受給者が少なければいい仕組み。そもそも、生活保護は不動産保有者は受けられないので、古い家を相続したがリストラされたという人が受けられない。この点についてコラムで指摘してはいるが、借家に対する公的住宅費保護について述べるにとどまる。固定資産税を下げるとか、改装費に補助を与える、もしくは住宅の出費は税額控除されるというほうが望ましい。

    消費を活発にするならば、消費税は上げてもいいが、必要最低限の消費物には税額控除が受けられるという方がよいのではなかろうか。

    企業の福祉厚生は生活の負担を楽にするという恩恵があったが、非正規雇用の拡大で厳しい。アベノミクスで景気がよくなっても中小企業や個人事業主などには還元されていない。
    震災復興が進まないうちに巨額の予算がオリンピック関連で組まれ、公共事業が活発して不要な道路がまた増えている。

    そもそも、人口減少、少子化を想定していなかった。
    年金も定年後の収入源や不労所得、子どもからの支援あって成り立つシステムだった。

    けっきょく行き着く結論は格差論で、企業の内部留保を削れ、資産課税をとなるが、いまの日本にその体力はあるだろうか。若者を長時間労働で酷使して結婚も育児もそして介護もさせないようにしている、一部の老人長者たちが独り勝ちしているこの日本で。

  • そのへんの怪談よりよっぽど怖い話。

  • 現在すでに約600万人が一人暮らしをしている。間近に迫った「老後総崩壊」にどう対処すればいいのか?
    (佐藤先生)

  • 単に生活困窮な老人のルポではない。
    下流老人がどのような理由でその境遇に追い込まれるのか、主には社会の構造にその原因がある。
    また、下流老人を生み出す素因として、若い人達の特徴を記述することにも成功している。
    残念ながら、日本は以前より貧乏になっていっている。
    個人ができることは、「人の縁」を大切にして、いざという時のセーフティネットにせよと筆者は述べている。これは「最底辺女子」で鈴木大介が繰り返し述べていたことであるが、同じような境遇の人たちを取材した両者が同じような提言をしていることも興味深い。

  • 主人と自分の年金合わせたら老後は十分なような気がしていたが、主人が先に亡くなって遺族年金をもらうとすると生活保護レベルになる可能性に愕然。
    病気に関しても生命保険や高額療養費があるから大丈夫と思っていたが、差額ベッド代や食事代が生命保険の1日分では足らないことは前回の入院で実感した。
    これは個人的なことなので対策は自分で考えるしかないが、問題は普通の生活を送ってきて自分は中流だと思っていた人たちが大量に生活困難に陥る時代が目の前に迫っているのに対策が取られていないこと。
    このままではこの前の新幹線自殺のような自暴自棄になる老人が特異な事件でなくなると思う。

  • 『1:収入が著しく少「ない」
    2:十分な貯蓄が「ない」
    3:頼れる人間がい「ない」(社会的孤立)』

    な老人はたくさんいる。
    国民年金のみの生活は生活保護以下の貧困レベル。
    (厚生年金があっても世帯構成によっては貧しい)
    貯蓄があっても親の介護、子の扶養、医療費などで食いつぶすため
    多くの人がここに落ちるリスクを抱えている。

    これまで老人が豊かだったかどうかは疑問だが、核家族化、少子化により孤独な老人が増えたと理解した。

    個人レベルでできることは貯蓄する、負債となる土地などを手放す、生活保護がもらえるのであればもらう、地域コミュニティに参加して人脈をつくるなど。

    行政レベルでは対策を打ち出せていないように見えた。

  • 悲惨な老後を送る貧困高齢者への支援活動を実際に行っている著者だけあって、実態を描いた第1章から第3章はリアリティと迫力がある。たしかに、老後の生活崩壊は、特殊な人に訪れる特別な事態ではなく、誰にでも起こりうる話である。他人ごとではない。われわれはそれを覚悟しておいた方が良い。

    著者は、「社会システムと社会福祉制度の機能不全」が、このような下流老人を生み出す原因であるという。そのとおりだと思う。ではどうすればよいか。社会システムや社会福祉制度を変えればよい。それもそのとおり。

    だが、問題は、社会システムや社会福祉制度をどう変えれば、下流老人の出現を食い止め、一人ひとりが幸せな老後生活を送ることができるのか、それを誰も知らないということだ。

    なぜならば、われわれが迎える超高齢社会は、従来とはまったく異なる人口構造を持つ社会だからだ。この社会に適合する社会の仕組みは、当然のことながら、これまで誰も構築したことがない。これまでのさまざまな社会システム及びそれに関する議論は、所詮、労働者がたくさんいて、その余剰部分で老人を支えることが前提であって、圧倒的多数を高齢者が占めるようになった社会をどう維持していくかについては、だれも想定してこなかった。資本主義とか社会主義とか共産主義をめぐる議論も、基本的には従来型の人口構造の上に成り立ってきた議論にすぎない。

    こういう根本的な視点を欠いたまま、従来型の社会システムの延長線上で貧困老人問題の解決を図ろうとしてもうまくいかないだろう。
    著者の実践活動に深い敬意を表しつつも、問題解決に向けての提案がつまるところ「社会が悪い、国が悪い」ので「行政がなんとかすべきである」といった平板な主張にしか感じられないのは、その点の認識の欠如が一因ではないかと思う。

    などと小難しいことを書いたが、じつは、本書でもっとも印象に残ったのは以下の部分。

    「仕事一筋できたならば、夫は妻に逃げられてはいけない

     わたしが今まで見てきた経験上からも、妻は月15万円の生活費でも暮らしていける方が多いが、夫の場合はほとんど絶望的と言っていい。とくに団塊の世代よりも上の層の日常生活力の乏しさには驚くべきものがある。
     …いまだに「家事は女性がするもの」という発想が抜けきれない男性高齢者も多いのだ。
     だからヘルパーが自宅に生活支援にきても、まるでメイドか何かのように小間使いにしてしまう男性もいる。それはそのまま今まで妻にやらせてきたことでもあるのだろう。
     家事や炊事など日常の生活能力が低いというのは、単に「料理が下手」とか「洗濯物がたためない」というレベルの問題ではない。自炊できなければ、出来合いの惣菜を買うか、外食することになり、当然栄養は偏る。また、掃除もできないので生活環境が不衛生になる。
     そんな状態が続けば、当然病気になりやすく、医療費がかさむ。加えて節約意識もないため光熱費もバカにならない。つまり、一人暮らしになって生活能力がない場合、夫婦で過ごしていたときと同じくらい、あるいはそれ以上の食費や光熱費、医療費を支払わなければ、生活を維持できなくなってしまうのだ。
     このような事態に陥らないためには、まず離婚しないこと、されないようにすることだ。とくに仕事一筋できたならば、なおさらだ。
    男は金さえ稼いでくればいいという昔ながらの考え方を捨て、家庭における男性の役割を変えていかなければならない。高齢期になる前から少しずつ仕事から家庭のほうに重点をシフトさせ、精神的にも経済的にも「一緒に暮らしていく」ことを妻とよく相談して決めることが重要ではないだろうか」(p97-98)

    う〜む。
    余計なお世話と言いたいところだが…
    当たってそうなだけに、こわいなあ。

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下流老人 一億総老後崩壊の衝撃 (朝日新書)の作品紹介

【文学/日本文学評論随筆その他】年収400万円以下だと、将来「下流老人」に!? 約600万人が一人暮らし、うち半数は生活保護レベルの日本の高齢者。Nスペ「老後破産」でも話題となった老後崩壊の衝撃を、テレビ、新聞、ネットで今最注目の著者が描く。初の新書。

下流老人 一億総老後崩壊の衝撃 (朝日新書)はこんな本です

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