ハイスクール・オーラバスター【完全版】2 (朝日ノベルズ)

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著者 : 若木未生
制作 : 東 冬 
  • 朝日新聞出版 (2012年3月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022739865

ハイスクール・オーラバスター【完全版】2 (朝日ノベルズ)の感想・レビュー・書評

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  • このシリーズはもとはコバルト文庫で出版されていたものです。
    1980年代。それまでのコバルトは少女小説一辺倒でした。
    愛らしい少女を主役にファンタジーやミステリーの世界で王子様と邂逅する、そうした既出作品の型を打ち破りヒットした作品でした。

    もうひとつの「炎の蜃気楼」(桑原水菜著)と人気を二分していました。

    「オーラバ」「ミラージュ」が既出のコバルトに比べ、どんな点で画期的であったか。個人的には、下記の点があげられると思います。

    ・主人公が少女ではなく少年

    ・SF要素がある

    ・恋愛要素がメインではない

    ・少年漫画のような命を賭したバトルシーンがある

    ・BL要素がある

    ・乙女要素もある

    現在では普遍的な要素ですが、当時はこれらの要素がコバルトのような少女小説で扱われることはセンセーショナルでした。

    桑原先生の「ミラージュ」ではこれに露骨な性的描写(BLで)も加わっており、思春期の私たちにとってはかなり刺激的でした。今の時代では、当時の年齢では読むことを禁じられていたのではないかと思います。

    「オーラバ」ではBL要素は実際には含まれず、恋愛としての描写はありません。どちらかといえば友愛といった雰囲気の淡い表現が多いのですが、明らかにこの二人は怪しい! というような人たちがいて、やっぱり大人気でした。

    また、重厚な描写で見せる桑原先生と対照的に、若木先生はあっさり軽い表現、清廉な表現を得意とされています。
    その心理描写がぐっとくるのです。

    そして、登場人物宛にバレンタインのチョコが贈られ、それを集計して順位が発表されるということも行われました。
    「バレンタインチョコで人気のキャラクターの順位を競う」
    「あとがきでキャラクター同士の対談をさせる」
    といった、読者参加型、エンターテイメント型の見せ方をするのが若木作品の面白さでもありました。

    それは時代の雰囲気、まだそうしたことがないからこそ、後押しされた人気であったかもしれません。その後、突然に挿絵のイラストレーターが作者の意向により変更されました。

    イラストは少女小説において重要な役割を果たすだけに、ファンからは賛否両論ありました。
    そして、シリーズが途切れ、集英社では絶版に。

    こうして徳間・朝日において復活されているという経緯があります。

    作者は本当に苦労しながら書き続けているので、何がそんなに大変なの? もっとさっくりいけないの? と感じてしまう部分はあります。
    でも、私はそれでもオーラバを、ずーっと今でも本当に心から愛していて、本当に本当に大好きです。

    尋常ではない人気だったので、本当に大変だったと思います。
    作者の紆余曲折がしのばれます。

    なんとなくその「行ったりきたり」こそが、この作品の特徴をそのまま象徴しているように思えてならない。私にはその「文句いわれたり反感買ったりしながらも、やる、行う」という姿勢が、そのまま投影されているこのシリーズがいとしくてならない。

    実際のところ、大人になってからまた再会できて嬉しいです。
    若いときの、このシリーズを好きだった友達は、挿絵が変わったときに本当にひどいことばかり言っていました。それを聞いているのはつらかったです。挿絵なんかどうでもいいのに、何でこんなに文句いうのだろうと思っていました。

    私はひとりでも好きでいようと思っていました。

    装丁を新たにしたこのシリーズ、実は今までで一番東冬さんの絵がしっくりきている気がします。現代の世界に再出発の場を得た「オーラバ」がどのような道を辿り、どのような着地点を得るのか。

    正直なところ、この新装版を手がかりに、この新装版で「初めて」オーラバスターを読む若い人たちが羨ましい!
    このシリーズの辿った苦渋や変遷、そしてなんの偏見もない曇りのない眼差しでこのシリーズを初めて読めるなんて。

    けれども、いつだって、このシリーズは恐らく、若い人たちのためにあるのだと思います。主人公も、その仲間たちも、まだまだ青く十代で、そのまま瞬間冷凍されたかのように青春のただなかにあるからです。

    「オーラバ」を読んでいた、一番夢中になっていた年齢の私はもういません。
    でも、その時期確かに鬱屈していて「これでいいのか?」と思いながら学校に通っていた自分を救い出してくれました。


    今はもう既に忍さまの年齢も超えてしまい、夏江さんに近いのかも…と思うと、うわーっと叫びだしそうになりますが、それはそれで若い彼らを遠巻きに眺めつつも、落ち着いた気持ちで見守っていける。そういう「今」があるのは嬉しいです。

    このシリーズに出会えて本当によかった、と、誰がなんと言おうと、繰り返し、ひたすら、しつこく言い続けることでしょう。

    もうこのシリーズは私たちのような「大人」のものではない。
    既にそこから巣立ってしまったけれど、私は今でも「初恋は忍様! あーでも希沙良も捨てがたい…」と、いつまでも悩んでいたいです。

  • とりあえず、書き下ろしの「見えざる玩具」完結。
    まあ、十九郎と希沙良の続きは、新刊を待ちたいと思います。
    過去の話を読むと挿絵は当時の杜さんの絵が浮かびますね(私的には高河さんの絵も違和感ありましたから・・・)

  • 新装版2巻。前回同様書下ろしのみの感想です。
    今回のSSカードの方が会話な所為かストーリーぽいか。分量は変わらないんですけど。そこに書かれていない誰かを表現するのが上手いなぁと思うのだけど、これは初見の人じゃあんまりわからないはずなんですよね。自分はもうDNAに刻まれてるから読めちゃうけれど。というか『天使墜落』ってここら辺に入ってきたっけ?時間軸じゃなく収録的に。

    で、書き下ろしの後編です。うん、懐かしい、この感じ。この二人だと王道サイキック謎解きものみたいに自然になるのかなぁ。漫画版も結構そうだったような。あ、諒ちゃんと冴子コンビもなるけども。とりあえずまったく中3と高1の話には見えませんというのが言えること。しかし一真とか先日のツイッターの衝撃が強すぎて今後まともに見れる気がしない(苦笑)。

  • まだ、何もかもが懐かしい。
    でも、今読むと伏線かな?みたいなのを感じてしまう

  • 書き下ろしが楽しみすぎて、しばらく寝かしてしまってました。新しい作品が読めるって本当に幸せ。

    希沙良の良い子さと十九郎の面倒くささ(笑)が、だんだんわかってきました…

  • 新装版 第二巻。短編集というべきなのか。
    なんとなくまだ作者の迷いが透けて見えるような…(笑)


    書き下ろしに
    見えざる玩具 後編。なにげに内容がリンクしていて感慨深いです。

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若木未生の作品

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ハイスクール・オーラバスター【完全版】2 (朝日ノベルズ)の作品紹介

軽井沢にある忍の別荘に集まった亮介たち「術者」の一行。諒の妹・彩を囲んで、騒がしくも楽しい合宿の始まり-となるはずだったが、「牙」と名乗る記憶喪失の男が現れたことで状況は一変。諒と彩の過去をめぐる事件へと発展する!?「ハイスクール・オーラバスター」新装第2弾。『十字架の少女』『迷える羊に愛の手を』の他、書き下ろし新作『見えざる玩具(後篇)』を収録。

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