会社のデスノート トヨタ、JAL、ヨーカ堂が、なぜ?

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023304680

作品紹介・あらすじ

名だたる大企業の迷走が始まっている。経営戦略の混乱はなぜ起こるのか。企業の生死を分ける要因は一体なんなのか。気鋭の経営コンサルタントが決定的診断を下す。

感想・レビュー・書評

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  •  アイキャッチとして優れたタイトルだ(書店で思わず手が伸びる)。が、誤解を招きやすいタイトルでもある。この書名だと、「次はどの大企業が倒産しそうか?」と無責任に予測して面白がる本のように思われかねない。
     実際にはそうではなく、むしろ日本経済再生への願いがこめられた前向きで真摯な内容である。

     売れっ子経営コンサルタントが、大企業が滅び去る理由/繁栄する理由の両方を、コンサルタントとしての経験をふまえ、実例を挙げて説明していく本。

     たとえば著者は、サブプライムショックでトヨタがすさまじいダメージを受けた理由を、第1章を丸ごと割いて解説している。と同時に、今後何年かの間にトヨタの業績がV字回復すると予測し、その理由を説明していく。
     そうした解説は、「短期所得弾力性」などという経済学のキーワードをちりばめたものなのだが、少しもむずかしくない。私のような経済オンチが読んでも「なるほど、そういうことか」とすっきり腑に落ちるのだ。

     むずかしい話をわかりやすく解説する著者の知的咀嚼力はたいへんなもので、そのわかりやすさたるや、ほとんど『週刊こどもニュース』並みである(ホメてます)。
     カバーそでの著者紹介欄には、「どんなに複雑なビジネス課題も、メカニズムを分解し単純化して説明できる特殊能力者」という一行がある。そのとおりだと感じた。

     ほかにも、日航が経営危機に陥った背景要因の解説とか、映画館の「レディースデー」はなぜ水曜・女性限定の値下げなのかとか、“「エコポイント」を使って大型テレビを買う人が多いのはエコに反するが、それでも日本経済のためにはよいことだ”という解説とか、目からウロコの話がたくさん。

     しかも、面白い解説を読むうちに、「価格弾力性」とか「顧客獲得コスト」などという経済学/経営用語がすんなり理解できるように作られている。いわゆる「エデュテイメント」(エデュケーション+エンタテインメント)としても読めるのだ。

  • Twitter上でおすすめ見っけ。
    http://twitter.com/kimifusa/status/7962208756

  • この著者の別の本http://booklog.jp/item/1/4023311928がとても面白かったのでドキドキしながら読んだら…期待以上でした。あまりデスノートデスノートしてなかったですが。
    理屈でというより直感で読める内容で、経済学が全くわからない自分にも面白かったです。

    メモ
    ・トヨタのV字回復 大恐慌と自動車の短/長期所得弾力性
    ・逆境の中で勝利、安かろう良かろう
    ・日用品の長期価格弾力性 低価格化ではなく付加価値をつける
    ・サービス業の長期価格弾力性 低価格化、重サービスで生産性向上
    ・クルーグマンの理論 経済成長、分配、失業
    ・お金を回す→経済成長

  • 本が発売されたのがちょうど、サブプライム問題が落ち着いてきたころ。2014年度末になってみて、予想通りなのか自動車業界はトヨタを筆頭に株価はV字回復を実現している。著者は、日本が今後繁栄するには、サービス業(どのようなものかは、本書参考)が発展する以外には無いと宣言している。早めに先行投資しておきましょうか…

  • 価格弾力性などの経済の初歩を学ぶには良かったと感じる。しかし、デスノートにかけた内容がとってつけたような使い方で、使い方もあってるんだかよく分からんし、気持ち悪かった。おっさん、無理すんな。

  • ミクロ経済学、特に価格弾力性に着目して、様々な産業の本質に切り込んでいる。題名を見てアレ本かと思いきや、かなり良書。

  • 成長に必要な意思決定は?

    →コモディティ商品は、どうすれば付加価値を上げられるか、そしてその結果価格を上げられるかを考えることが必要
    価格決定において、価格弾力性が1より大きいか小さいかが重要

  • 経済成長のために必要なことというマクロな視点と、ビジネスの生き残りの方程式という2つの切り口を平易な文章で解説。特に、価格弾力性について考えるうえで一読の価値あり。

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著者プロフィール

経営戦略コンサルタント

「2022年 『日本経済 復活の書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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